2015年2月8日日曜日

「2015年中国バブル崩壊説」は当たるのか?(5): 中国経済に「貿易伸び悩み」の衝撃、「高度成長時代は、ひとたび去りて、またもどらず」

_

 中国経済を支えているのは貿易。
 いまそれがピークを越えようとしている。
 貿易での中国の強みは安い人件費であった。
 だが、中国政府は内需拡大を狙って賃金を上げてきた。
 それによって、周辺諸国との賃金差が拡大し、中国製品よりASEAN製品のほうがパワーを持ち始めている。
 労働力集約型の製品は既に中国に勝ち目はなくなってきている。
 知識集約型にシフトしたいが、まだ技術力の低さからままならない。
 パクれる技術には限界がある。
 完成された技術はオープンするが、先端技術はなかなかオープンしないのが先進国。
 いよいよくるか、中国の苦境が。


サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/02/08(日) 10:46
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0208&f=business_0208_006.shtml

中国経済に「貿易伸び悩み」の衝撃
・・・東南アジア諸国の「猛追」も影響

 中国では、輸出用商品を扱う中小企業を中心に「不況感」が漂っているという。
 貿易額の伸び悩みだ。
 海関総署(中国税関)の発表によると、2014年通年の貿易総額は前年比2.3%増で、政府が年初に目標として掲げた7.5%には、遠く及ばなかった。
 中国メディア・人民日報系の人民網が報じた。

★.中国(大陸部)の14年通年の貿易総額は前年比2.3%増の26兆4334億5787万元(約499兆2600億円)
だった。
 年初目標の7.5%増には遠く及ばなかった。
 また、3年連続で年初目標が未達成となった。

 輸出が4.9%増、輸入は0.6%と輸入額が減少したため、
★.貿易黒字は前年比45.9%増の約2兆3500億元(約44兆3800億円)
だった。

 しかし、貿易額の伸び悩みで、輸出用商品を扱う企業、特に「従来型商品を扱う中小企業」の間で不況感が漂っている。
 上海市でアパレル製品を生産する企業の経営者は
 「収益がどんどん下がっている。 輸出で利益を得ることは難しい」、
 「現在はなんとか赤字を出していない状態。好転しなければ会社を閉鎖する」
という。

 従来型商品の輸出が難しくなったのは、東南アジア諸国の猛烈な「追い上げ」の影響が大きいという。
 中国製品と同一の品質の品を、より安く販売しているので、競争に勝つのは容易でない。

 中国政府は増値税(売上税)の払い戻し率を引き上げるなどで、輸出業者の利益を増やそうとした。
 しかし、効果はなかった。
 税の優遇を知った国外の取引先が値引きを要求したからだ。
 中国企業が恩恵を得ることはなかったという。

 中国の輸出企業が、苦しい価格競争に直面している原因のひとつに、
★.中国国内における人件費の上昇
がある。
 労働力への需要増加、最低賃金の引き上げ、少子化などで、中国における人件費は過去10年間あまりにわたって上昇し続けた。

 人件費上昇が特に顕著なのが製造業だ。
 都市部における平均賃金(年)は2013年、平均で5万1474元(約97万2100円)だった(法人形態をとらない個人経営者による雇用を除く)。
 鉱業では6万139元(約115万9400円)で前年比5.6%増、
★.製造業では4万6431元(約87万7100円)と額では鉱業労働者よりも多いが、前年比11.5%と「2けた成長」
だった。

 人件費の上昇で、生産方式が労働力集約型の「従来型商品」を扱う企業が、特に苦境に立たされたと考えられる。

 記事は2013年における日本貿易振興協会(JETRO)の調べとして、
 上海市の一般労働者の月給(基本給)は495米ドル(約5万8400円)で、
 ジャカルタの労働者の2.05倍と紹介。
 マニラとでは1.88倍、
 バンコクとでは1.35倍、
 ハノイとでは3.19倍、
 プノンペンとでは4.9倍、
 ヤンゴンとでは6.97倍
と紹介した。

 中国は一時期、貿易総額が前年比で35%以上という、猛烈な急成長を示したことがある。
 中国政府・商務部の孫継文報道官は14日、
 「貿易分野で30年以上続いた高度成長時代は、
 ひとたび去りて、またもどらず
と述べた。



ロイター 2015年 02月 9日 06:48 JST
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL4N0VI06K20150208

中国貿易統計、1月は輸出入ともに減少 
景気減速への懸念強まる

* 輸出は前年比3.3%減、輸入も19.9%減
* 市場予想を大幅に下回る
* 日本向け輸出は2割強減少
* 前月比では全体で輸出12%減、輸入21.1%減
* 貿易黒字は600億ドル、月間で過去最大に
* 春節要因で実態判断は難しい面も
* 石炭など商品の輸入が大きく減少

[上海 8日 ロイター] -
  中国税関総署が8日発表した1月の中国貿易統計は、輸出が前年同月比3.3%減となったほか、輸入も19.9%減少した。
 輸出入ともに市場予想を大幅に下回った。
 貿易黒字額は月間で過去最大となる600億ドルだった。

 ロイターによるアナリスト予想では、欧州の金融緩和や堅調な米国経済を背景に中国製品に対する需要が拡大するとみられたことから、輸出は6.3%増になると予想されていた。
 また、輸入は3%減にとどまり、貿易黒字額は489億ドルと見込まれていた。

 輸入の減少率は2009年5月以来の大きさ。
 輸出が前年比でマイナスとなったのは14年3月以来。
 さえない貿易統計を受け、中国の景気減速に対する懸念が強まりそうだ。

 輸出を国・地域別でみると、
 米国向けは4.8%増の350億ドル、
 欧州連合(EU)向けが4.6%減の330億ドル
だった。
 香港、韓国、日本向けも減少。
 中でも日本向けは2割強減少した。

 全体の貿易統計を前月比でみると、輸出が12%減、輸入が21.1%減だった。
 商品(コモディティー)の輸入が大きく減少し、特に石炭輸入は約4割減の1678万トン。
 原油輸入量も7.9%減少した。

 アナリストは、昨年は1月に始まった春節(旧正月)休暇が今年は2月にあることに伴う季節要因があるとして、数字をうのみにすることはできないとの認識を示す。
 そのため、2月の統計発表を待ち、1─2月の数値として比較した方が全体のトレンドをより正確に把握できるとした。

 とはいえ、特に輸入データには懸念が残る。
 コンファレンス・ボード(北京)のエコノミスト、アンドリュー・ポーク氏は、
 輸出データはその他の指標に比べて春節休暇の影響を受けにくい
と指摘し、
 「非常に奇妙な統計だ」
と述べたうえで、大幅な減少率となった輸入への懸念が強いと付け加えた。

 同氏は
 輸入データは、工業部門の大幅なスローダウンを示唆している。
 第1・四半期はひどい結果となりそうだ」
と話した。

 中国の当局者は輸出について、改善するとの見通しを示す一方、2015年は引き続き逆風にさらされると予想している。
 中国は景気の減速に利下げや預金準備率の引き下げで対応しているが、エコノミストの大半は経済の活性化には追加緩和が必要だとしている。

 中国の輸出と輸入を合わせた貿易総額は14年、前年比3.4%増となり、政府の目標7.5%増に届かなかった。



2015年02月09日11時28分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/420/196420.html?servcode=A00&sectcode=A00

中国、1月の輸入19.9%減少

  今年1月、中国の輸出入がともに急減した。
 韓国の関税庁に相当する中国海関総署は「今年1月の輸出は前年同月比3.3%減少し、輸入は19.9%減少した」と7日、発表した。
 予想よりも状況が良くない。
 ブルームバーグ通信のアンケート調査によると、輸出は5.9%増加、輸入は3.2%減少というのが専門家の予想だった。

  トムソンロイターはこの日、専門家らの言葉を引用し、
 「貿易、特に輸入の急減は原油や銅など原材料の輸入が大きく減ったため」
と解釈した。
 原油など原材料価格が大きく落ちたからではない。
 中国の輸入量自体が大きく減った。
 石炭の輸入が1カ月前の昨年12月より40%も急減した。
 銅の輸入は20%減少した

  輸入が輸出より大きく減少したことで、貿易収支は良かった。
 中国は600億ドルも黒字を出した。
 ブルームバーグは「1カ月分の黒字では過去最大」と伝えた。
 しかし過去最大の貿易黒字は喜べるものではない。
 ブルームバーグは
 「中国は原材料を輸入して加工した後、自国の消費者に売ったり海外に輸出してきた」
とし
 「内需、輸出ともに良くないという証拠」
と伝えた。

  反論がないわけではない。
 中国貿易統計は毎年1月、2月、安定していない。
 トムソンロイターは
 「春節(旧正月)が1-2月中にあり、輸出入が確実に減るパターンだった」
と伝えた。
 今年の春節は2月。今年1月の輸出入は春節のために減ったのではないということだ。
 さらに今年1月の輸出入規模は昨年春節が含まれていた1月と比較しても急減した。
 尋常でない兆候であるのは確かだ。

  実際、製造業が活力を失っているのが指標で確認された。
 今年1月の製造業購買管理者指数(PMI)は49.8だった。2012年9月以降、最も低い。
 50以下なら景気の鈍化を意味する。
 PMI指数は短期の未来を見る指標に近い。

  中国企業の実績はすでに悪化している。
 トムソンロイターは
 「昨年12月の企業の平均利益が前年同月比で8%も減少した」
と報じた。
 中国経済で貿易は現在、最大の成長エンジン。習近平国家主席と李克強首相は「内需を育てて成長を牽引する」と述べた。
 2人は約束通りに内需を拡大する方向に資金を投じている。
 しかしまだ内需が貿易に代わるほどではない。

  ブルームバーグはこの日、専門家の言葉を引用し、
 「輸入の急減は中国の弱い内需とマクロ経済的な状況のため」
と指摘した。
★.なぜ今月4日に習近平国家主席が人民銀行(PBOC)を動かして支払い準備率を0.5%ポイント低めたのか、この日の貿易統計で明確になった。
 その日、PBOCは大手銀行の支払い準備率を20%から19.5%に、中小銀行は16.5%から16%に下げた。

  支払い準備率を引き下げられば、銀行がより多くの資金を貸し出すことができる。
 信用創出規模が大きくなる。
 PBOCは直前まで「信用バブルを膨らませるだけ」とし、支払い準備率を引き下げようとしなかった。
 その代わりに政策金利を先に下げた。
 また
 「中央政府が道路や鉄道などインフラ投資を増やし、経済構造を変えるのが望ましい」
という方向だった。

  輸出入の急減はもう一つの副作用も生んでいる。
 ブルームバーグは
 「輸出入が急減し、貿易収支が過去最高となったため、中国政府の人民元為替レート管理がさらに難しくなる見込みというのが専門家らの見方」
と伝えた。


中国においては貿易が経済の柱である。
 貿易が不振になったら、中産階級は成立しない。
 中産階級の層の厚さが消費市場を形成する。
 生産工場から消費市場へという政府に目論見はひとえに貿易の進展にかかっている。
 もし、貿易に陰りが出たら中産階級は生まれない。
 中産階級が生まれなければ国内市場は成立しない。
 中産階級なき都市化はただ貧困の不満層を増大させるだけになる。
 都市の不満層の拡大は政権転覆の引き金になる。
 以前の中国は農村から火の手が上がった。 
 しかし、今の中国は都市の流民がそれを担うことになる。
 中産階級になれない貧困都市層は危険分子に名を連ねることになる。
 いまの中国における都市化は政府を崩壊の危機に追いやることになる。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/02/08(日) 07:20
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0208&f=business_0208_004.shtml

中国の民間企業は、なぜ国外で「開花」できないのか=英華字メディア

 英メディア・BBCの中国語版は5日、海外市場でその実力を見せつけている中国国営企業に対して、
 「中国の民間企業はなぜ世界で開花できないのか」
とする評論記事を掲載した。

 記事は、英紙フィナンシャル・タイムズのアジア地域解説委員であるDavid Piling氏の意見を紹介。
 同氏は日本のソニーやトヨタ、韓国のサムスン、現代といった企業が世界市場で大きなシェアを獲得する一方で、中国の民間企業はこのような状況になれないのかと疑問を呈した。

 そして、
★.中国国内と国外で監督管理の環境に隔たりが存在すること、
★.銀行の利率などの透明度やインターネットの監視、特許争議
といった点でも中国と世界のあいだに溝があること、
★.中国企業と中国政府との関係が不透明でリスクの心配を持たせること、
★.ブランドの信用問題
という4つの理由を挙げた。

 さらに、5つ目の「顕在化していない原因」として、
★.中国国内市場が日本、台湾、韓国などに比べて膨大であり、
 国内市場だけで十分商売が成り立つこと
を示した。

 記事は、同氏がこれらの「ハードル」について克服不可能なものではないとし、急発展する新興市場でもハードルが大きく下がったと論じたことを紹介。
 また、
 「米国ですら、中国企業の1、2社が現地で大きく成長するのを否定する人などいくらもいない」
としたほか、中国企業が世界で発展する片鱗を見せている例として、中国北車がボストン地下鉄の列車供給契約を取り付けたこと、吉利汽車がボルボを買収して5年が経つことを挙げたことを伝えた。








_