2015年2月20日金曜日

日本にだまされるな(1):「巨大な軍事力と経済力を持ち、むしろ発展」の日本、見くびってはいけない!、日本の実力とは?

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レコードチャイナ 配信日時:2015年2月20日 13時22分
http://www.recordchina.co.jp/a102817.html

日本にだまされるな!
=「巨大な軍事力と経済力を持ち、むしろ発展」の日本、
見くびってはいけない!―中国ネット

 2015年2月17日、中国のネットに「日本を見くびれない理由」と題したスレッドが立ち、スレッド主は自身が考える日本の実力についてつづった。
 以下はその概要。

 日本は軍隊を持たないが、自衛隊は日本の軍隊的な存在で、軍備の質は世界一流を誇る。
 さらに、三菱重工や川崎重工、富士重工など、軍需産業において実力のある大企業が多く存在している。
 これらから、日本が隠れた「軍需帝国」と言っても過言ではない。

 財務省が2014年に発表したデータによると、
★.日本の2013年末の対外純資産(日本の政府や企業、個人投資家が海外に持つ資産から負債を差し引いた金額)は
 「325兆円」を超え、
 23年連続で世界一の債権国
となった。
 日本経済は中国に依存していると主張する声があるが、日本は欧米や新興市場で多くの産業に進出しており、巨大な海外資産を持っている。
★.中国がなくても日本の経済は崩壊しない
のだ。

 以上のことからもわかるように、日本は巨大な軍事力と経済力を隠し持っている。
 衰退しているのではなく、むしろ発展しているのだ。
★.日本は中国の経済成長を伝え、自国の経済停滞を誇大している。
 中国が注目されることにより、自国の実力を隠そうとしている。
 くれぐれも日本を見くびってはいけない。



主要国の対外純資産額をグラフ化してみる(2015年) 2015/01/01 10:01
http://www.garbagenews.net/archives/2013421.html

主要国の対外純資産額をグラフ化してみる(2015年)

 個人ベースではほとんど影響を受けることは無い、しかしながら知っておくと世の中の見方が随分と変わってくる情報は意外に多い。
 その一つが、国単位での資産額
 これは概して債務と債権を相殺した、特定の国から他の国々に対する「対外純資産額」で示される。
 今値は各国の財務状況をかいま見れる切り口の一つとして、良く用いられている。
 今回はその値について確認をしていくことにする。

■対外純資産額の多い日本、負債の多いアメリカ

 日本を含めた主要国の対外資産、対外負債、
 そしてそれらを合算した対外純資産額だが、これは財務省の【本邦対外資産負債残高内統計表一覧】から、【平成25年末本邦対外資産負債残高の概要】で直近のデータを得ることができる。
 ちなみに対外(該当国が他国に対する)純資産は「対外資産」と「対外負債」を差し引きすることで算出可能(あくまでも数字上の話)。
 そして「資産」「負債」については名著『金持ち父さん 貧乏父さん』の言葉を借りて簡単に説明すると、

●・資産……「財布の中にお金を入れてくれるもの」
●・負債……「財布からお金を取っていくもの」

となる。
 今件ではさらに国単位で区分した際に
★.「資産…海外に対して色々な形で貸し付けているもの」
★.「負債…海外から色々な形で借り受けているもの」
と考えてればよい。

 さて「平成25年末 本邦対外資産負債残高の概要」の中から主に「参考4、5 主要国の対外純資産、為替相場の推移」を元にグラフ化した、
 主要国の対外純資産、つまり対外資産と対外負債を相殺した純資産(マイナスならば純負債)のグラフが次の図。


↑ 主要国対外純資産(兆円)(公的+民間)(2013年末、*は2012年末)(為替レートは各年末IFSレートで算出)

 相変わらずアメリカ合衆国の額の大きさが際立っている。

 なお、これらは民間部門と公的部門を合わせたものの合計。
 日本に限ればその内訳は【平成25年末現在本邦対外資産負債残高】に記載されており、それを再計算の上、グラフ化したのが次の図。


↑ 日本の対外純資産内訳(兆円、2013年末)

 大部分が民間による取得であることが確認できよう。

 何か不測の事態が生じた際、民間部門の資産が公的部門と同じように国の意志で容易にコントロールできるとは限らない。
 二世代世帯における、「住宅を保有する親夫婦」と「同居する子供夫婦」の資産を合わせたようなものと考えれば良い。
 とはいえ住宅に居住する単位(=国単位)で考える際には、今件は十分以上に役立つ指針となる。

■GDP比で考えてみる

 上記データを別の視線で考えてみることにする。
 具体的には今件資料の純資産額が、各国のGDPのどれ程の比率を示しているかというもの。
 以前は上記資料にその値が併記されていたのだが、今回分にはそれがないので、独自に試算することにした。

 各国の年ベースでのGDPは、IMF(国際通貨基金)のデータベースの中から、「World Economic Outlook Database」経由でGDPを選択して表示、該当国の該当年データを抽出した上で(米ドルベース)、各国の純資産額を算出した年数に合わせた為替レートで円に換算し、GDP比を算出していく。その手法で出来上がったのが次のグラフ。


↑ 主要国対外純資産GDP比(兆円)(公的+民間)(2013年末、*は2012年末)(為替レートは各年末IFSレートで算出)

 香港やスイスが相当大きな値を示している。
 極端な表現だが、香港の場合ならばすべての債務・債権を清算した場合、香港が1年間に稼ぐ総生産額の3倍近くを手にすることができる計算。
 意外にもアメリカ以上にイタリアの対GDP比におけるマイナス幅が大きい。

 無論資産も負債もすぐに換金・償還されるわけではなく、「相殺する」という計算に深い意味合いは無い(古切手や古銭、美術品を山ほど抱えていても、大金が必要になった時にすぐに換金できるわけではないのと同じである)。
 他の値も合わせ、その国の財政状態を概要的に知る程度のものでしかない、状況の改善を模索するための参考資料程度のものであることに留意しておくべき。
 同時に、概要的な状況を推し量る指針の一つとして、心に留め置いても損は無い値であることも事実ではある。



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月20日 12時59分
http://www.recordchina.co.jp/a102870.html

日本の「中国は米を超えられない」報道に韓国ネットが反応
=「中韓で日米をやっつけよう!」
「中国が覇権を握るくらいなら…」

2015年2月20日、英エコノミスト誌やコンサルティング企業PwC(プライスウォーターハウスクーパース)など、
★.2050年に中国が世界全体のGDP(国内総生産)や経済力で米国を抜き世界一になるとの見方が強い
なか、中国の軍事専門サイト・西陸網は、日本のメディアが
★.「2050年になっても中国は米国を超えられない」
と報じていると紹介。
 同報道に対する韓国ネットユーザーの反応を伝えた。

 報道によると、日本の経済関連の研究機関は、政治の安定性や女性の社会進出度合いなどを基準に、2050年の世界のGDPを予測。
 米国は企業が安定した生産性を維持でき、欧州は女性の社会進出が経済をけん引するため、中国よりGDPが高いと予想。
 一方
★.中国は人口が減少し、社会制度などの影響で成長は緩やかとなり、
 中程度の発展途上国にとどまっている
としている。
 以下は同報道に関連した韓国ネットの声。

「創造性がない中国は100年経っても米国を超えられない」
「中国は強大な国になると思うが、先進国にはなれないと思う」
「韓国にとって中国は潜在的な敵。
 韓国は米国に頼るしかないのだ」
「中国が世界の覇権を握るくらいなら、米国に世界を支配してほしい」

「中韓が手を組み、日米をやっつけよう!」
「韓国は2050年になっても日本を追い越せないだろうな」
「中国の人口は韓国の約30倍で、国土は約44倍。
 中国は大きな可能性を秘めている」



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月21日 5時41分
http://www.recordchina.co.jp/a102872.html

日本が中国の経済を悲観、
中国ネットはなぜか韓国人の声に反応
=「韓国はアジアの国ではないのか?救いようがない」

 2015年2月20日、中国の軍事専門サイト・西陸網は、日本のメディアが
★.「米国は企業が安定した生産性を維持できる一方、
 中国は人口の減少や社会制度などの影響で中程度の発展途上国にとどまる。
 そのため、2050年になっても中国は米国を超えられない」
と報じていると紹介。

 同報道に対し、韓国ネットでは
「創造性がない中国は100年経っても米国を超えられない」
「韓国にとって中国は潜在的な敵。
 韓国は米国に頼るしかないのだ」
「中韓が手を組み、日米をやっつけよう!」
「中国の人口は韓国の約30倍で、国土は約44倍。
 中国は大きな可能性を秘めている」
といったコメントが寄せられた。
 韓国ネットは日本の報道に反応して書き込みが寄せられたが、中国ネットでは日本の報道ではなく、韓国ネットの反応に反論する声が集中した。

「韓国のような、冷静に敵を分析できる相手は恐ろしい」
「日本の報道や韓国人の言う通り。
 中国は改革しない限り米国を超えることは難しい」

「米国は世界のリーダーとして、中国の台頭を抑える手立てがある。
 世界一の人口がなければ、中国が米国を超えるチャンスなどない」

「中国が日本をGDPで超える前、2030年でも中国は日本を超えられないと分析する声があったが、今はどうだ?」
「韓国はずっと中国の属国だった存在。
 そんな国の発言を真に受ける必要はない」

「2050年に中国が米国を超えられるかどうかはわからないが、2050年になっても韓国が朝鮮半島を統一できないのは確実だ」

「韓国はアジアの国ではないのか?
 中国と同じアジア諸国なのに米国の肩を持つなんて、救いようがない」



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/02/23(月) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0223&f=business_0223_004.shtml

日本の実力
・・・「GDPだけでは計れない」=中国メディア

 中国メディアの捜狐は17日、中国の急速な経済成長が今なお続いていることは中国人にとって誇らしいことだとしつつも、
 「日本と中国の差には関心を持つべきだ」
と指摘し、日本は今なお多くの分野で中国をはるかに上回っている
と論じる記事を掲載した。

 記事は、
★.まず日本の一次エネルギーの消費量は中国に比べて極めて少ないことを指摘したうえで、
 粗鋼1トンあたりの使用石炭量は中国は約1.5トンだが日本はわずか0.6トン
にすぎないと指摘。

 また、
★.日本は石油1000グラムに相当するエネルギーで10.5ドル(約1246円)分の付加価値を生み出すことができるとし、
 これは中国の7-10倍に相当する金額である
と指摘した。

さらに、
★.日本の鉄鋼生産量は中国に劣るものの、高級鋼の生産量は世界一だ
と報じた。

 さらに、
★.日本の研究開発費の額は米国に次いで世界2位であり、
 日本の科学技術の競争力も世界2位だ
と主張。
 こうした高い科学技術の背景には教育の重視という要素があるとし、
★.日本の初等教育における純就学率は約100%であり、中等教育の純就学率は約99.5%で世界一だ
と指摘。
★.誰もが平均的に一定の教養を持つ国民は日本経済および社会の発展における貴重な資源だ
と論じた。

 また記事は、
★.日本の「国家イメージ」も世界最高水準にあるとし、
 2007年に米誌「TIME」が行った調査結果として、
 日本の国家イメージが世界でもっとも良好だった
ことを紹介。
 そのほか、
★.日本の対外純資産総額は世界一であり、
 日本には経済面においても国内総生産(GDP)だけでは計れない実力が存在する
ことを紹介した。



レコードチャイナ 配信日時:2015年3月4日(水) 22時10分
http://www.recordchina.co.jp/a103574.html

「世界中どこへでも…」
自衛隊の海外派遣を巡って韓国ネットは騒然
=「米国は日本を選ぶかも」
「安倍首相は仕事きっちり」

 2015年3月3日、韓国・MBC放送は、日本が戦後70年間堅持してきた自衛隊の専守防衛の原則を覆し、国連決議と国会の承認がなくても自衛隊の海外派遣が行えるよう変更する動きを進めていると伝えた。

 報道は、防衛省の坂元秀明訓練班長が
 「日本列島周辺に限定されていた地理的な制約を越えて、世界中どこへでも自衛隊を派遣することができる。
 他国の軍隊を支援する道も開ける」
と述べたことを紹介。
 これに対して、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。

「これって、いつでも自衛隊が、韓国に進出できるっていうこと?」
「歴史は繰り返される」
「大きな災いを迎える準備をしないといけない」

「自衛隊の後ろには米国がついて後押ししている」
「米国がこの動きを助長している。
 中国をけん制するために日本を利用するわけだ」
「有事の際、朝鮮半島に武力を投入するという密約が、米国との間ですでにできているんだ」
「米国と日本の考えが一致するときは、極東アジアに災いが起きる」

「日本は安倍のせいで滅びる。
 韓国は李明博(イ・ミョンバク)のせいで崩壊した」
「北朝鮮、中国、日本は着実に戦争の準備を進めている。
 韓国は米国だけに頼っているが、米国は自国に利益のある道を選ぶだろう。
 日本を選ぶかも。過去もそうだったように」
「無能政権の極地だ。
 米国や日本が着々と準備を進めているときに、大韓民国は何をやっている」
「安倍晋三。
 イケメンではないけど、必要な事はちゃんとやるね」


レコードチャイナ 配信日時:2015年3月9日(月) 1時59分
http://www.recordchina.co.jp/a103793.html

中国経済は日本抜きでは成り立たない張り子の虎?
=「日本鬼子はいまだに中韓を…」
「これが現実」―中国ネット

 2015年3月6日、中国の掲示板サイトに、
 「中国経済は日本抜きでは成り立たない張り子の虎」
と題するスレッドが立った。

 スレ主は、日本メディアの報道を引用し、
 「中国のGDPは日本の約2倍となったが、実態は張り子の虎だ。
 いまだに日本抜きで中国経済は成り立たたず、日本企業の製品や技術の支えがなかったら、中国の製造業はないと言えるからだ」
と伝えた。

これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「なんてムカつくんだ!
 鬼子(日本人の蔑称)は形式を変えただけで中国と韓国のことをいまだに植民地だと思っているのだな」
「昔を自慢し始めたらそれは衰退の印。
 自信がないから他人の進歩を恐れ、気力もないから他人に追い越されると嫉妬する」

「(中国初の空母)遼寧号の艦載機を停止させるワイヤーも日本製」
「遼寧号の写真を見たが、エアコンもパナソニックだった」
「これが現実だよな。
 軍を退役する前にある電子設備の中身を見てみたら、ほとんどの部品が外国製で日本製も少なくなかった。
 今はどうだか知らないが、たいして変わっていないと思う」

「数十年経っても中国製とは『中国で組み立てるもの』にすぎない」
「現実はその通りだからな。
 怒っても意味がない。
 やっぱり日本はすごいし」
「日本企業の製品や技術の支えがなかったら、中国の製造業はないというのは事実」



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年03月10日(Tue) 
原田 泰 (早稲田大学政治経済学部教授・東京財団上席研究員)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4776

なぜ日本の企業はキャッシュを溜め込むのか

 日本の企業はキャッシュを溜め込みすぎていると非難されている。
 キャッシュと言っても、もちろん、現金だけでなく預金など、すぐにキャッシュになるもののすべてだ。
 預金を持っていても金利はわずかだから、企業の自己資本利益率(ROE)を引き下げる要因になる。

 ROE重視の経営が市場に評価される中で、なんでわざわざROEを下げるようなことをするのかと非難されている。
  賃上げで物価を上げ、デフレから脱却して物価上昇と賃金上昇の好循環をもたらしたい政府からも、無駄にキャッシュを持っているくらいなら賃金を上げろと要請されている。

 日本の企業がキャッシュを積み上げているのは事実である。
★.日本の非金融民間法人の実物資産を含めた
 総資産は「1777兆円」
★.うち現金と預金が「219兆円」
★.銀行借り入れや企業間信用などの負債が「679兆円」
である(内閣府『2013年度国民経済計算確報』。

★.679兆円の借金に対して219兆円もの現預金を持っているというのはおかしい。
 6790万円の住宅ローンを持っている家計が、2190万円もの現預金を持っていることはないだろう。

 まして企業は、自分の仕事に投資をして利益を上げるのが目的だから、預金をしていても意味がない。
 そんな遊ばせているお金があるなら、投資をするか、借金を返すか、労働者に還元して賃上げするか、株主に還元して配当を増やすかすべきであるというのは当然の理屈である。

■経営者の不安心理

 しかし、経営者の立場で考えてみよう。
 企業には、よく分からない理由で、次々に危機が襲ってくるものだ。
 『ルーズヴェルト・ゲーム』など、池井戸潤氏の企業小説を読むと、突然の融資打ち切り、取引先の購入中止、購入中止をちらつかせた大幅な価格引き下げ、特許を侵害しているという脅しなど、企業には次から次へと危機が襲ってくる。
 危機の頻度が多すぎるような気はするが、それぞれはリアルである。
 個々の企業に対するショックだけでなく、経済全体に対するショックもある。
 金融危機、世界不況、円の急騰、資源価格の暴騰など、危機はいくらでも襲ってくる。

 一番頼りになるのはキャッシュである。
 融資を打ち切られてもキャッシュがあれば耐えられる。
 どんな場合でも銀行が貸し出しに応ずるという契約をすることも考えられるが、突然、融資を打ち切られるのであれば、そんな契約はあてにならないと企業は思うだろう。

 値引き要求に対しても、手元資金がなければ受け入れるしかないが、あれば価格交渉ができる。
 その価格と品質で他に納入できる業者がなければ、不当な値引き要求であり、価格交渉に強気で臨める。
 何らかの理由で販売が減少しても、そう簡単に人は切れない。
 キャッシュを持っていれば、解雇せずに堪えることができる。
 クビを切れば経営者は社会的に非難されるのだから、キャッシュを持っていることで非難された方がまだましというのも分かる。

■どうしたら良いのだろうか

 確かに、企業がキャッシュを溜め込んでいるのは無駄である。
 しかし、そうしなくてはならない事情も分かる。
 どうしたら良いのだろうか。

 第1に、政府がマクロ的な経済環境をなるべく安定させることである。
 金融政策で物価を安定的に2%に上昇させるというのはその一歩である。
 これには突然の円急騰を防ぐという効果もある。

 第2に、個々の企業の危機に、政府が対応するのは難しいし、一般的には対応すべきではない。
 銀行がこの企業は危ないから金を返せと言っているのに、政府が大丈夫だから貸しておけというのはもちろん間違いである。
 ただし、政府の金融監督がまずくて金融危機が起こり、その結果、銀行がキャッシュを求めて貸しはがし、貸し渋りをするのは防がなくてはならない。

 不当な特許侵害訴訟の脅しなどについては、濫訴の制限という政策も考えられるが、何が濫訴であるかを認定することは難しい。
 企業を襲う危機のほとんどは、売り上げの急減という形で現れてくるから、それに応じた生産と雇用の縮小、すなわち解雇をしやすくすることもキャッシュの溜め込みを減らす政策になる。

 要するに、溜め込みを減らすために政府ができることは、金融危機を起こさないことを含めたマクロ的な経済環境の安定と解雇規制の緩和ということになる。
 前者に反対する人はいないだろうが、解雇規制の緩和に反対する人は多いだろう。

 株式会社制度とは、そもそも事業のリスクを分散させるために始まったものである。
 胡椒や金銀、磁器や絹などを得るために巨大な貿易船を作って、海外に送り出した。
 難破したり海賊に襲われたりする危険も高かった。
 しかし、多数の船を送れば、平均的には高い利潤を得ることができた。

 だが、当時の大商人といえども、そんな多数の船を送るだけの資力はない。
 そこで多くの人の資本を集め、多数の船を送って、失敗を含めて平均的な利潤が十分に高い事業ができるようになった。
 ルネッサンス期のイタリアの商人が始めたことを、オランダとイギリスがさらに大規模に行い大成功をおさめた。

■潰れてはいけない日本企業

 そう考えると、株式会社が潰れるのは当然のことである。
 個々の株式会社はよりリスクを取った経営をして、すべての株式会社を平均した時に、個人会社よりも利潤率が十分に高くなればよい。
 人々は多くの会社の少しずつの株主になれば良いのだから。
 大商人ならそうできるが、普通の人にはできないという反論があるかもしれないが、そういう人は市場平均に連動する投資信託を買えば良い。
 これで、すべての会社のわずかずつの株主になることができる。

 しかし、日本では株式会社は株主のものと考えられていない。
 株主にとっては多くの会社の中の一つだが、経営者と従業員にとっては、自分を雇っている会社(多くの人は、自分を雇っているという自覚もなく、「自分の会社、自社」というだろう)は唯一無二のものである。
 潰れないように経営するのは当然のことである。
 キャッシュが少しくらい余計にあって、ROEが1%下がって何が悪いというのが経営者の本音ではないだろうか。

 要するに、株式会社が株主のものであれば、企業はキャッシュを溜め込まず、リスクを取るのが正しいが、経営者と従業員のものであれば、キャッシュを溜め込むのも合理性がある。

 また、政府が儲かった会社は賃金を上げろというのは、会社は株主のものということとも矛盾している。
 株主のものである会社は、同一労働同一賃金の条件で労働者を雇っている。
 正当な賃金を払っている以上、儲けはすべて株主のものである。
 賃金を上げる必要はない。

 結局、
★.日本において企業が株主のものでない以上、キャッシュを溜め込むのは当然のこと
となる。
 それを止めさせるためには日本の企業文化そのものを変えなくてはならないだろう。








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