2015年2月20日金曜日

「破産の危機」に直面している8つの国家:うち5カ国が中国と密接な関係に、中国への懸念から日韓に手を伸ばすロシア

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サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/02/18(水) 06:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0218&f=business_0218_004.shtml

「破産の危機」に直面している8国家はここだ!=中国メディア

 中国のポータルサイト未来網は16日
 「2015年に破産の可能性が最も高い8国家:3つが中国に隣接」
と題する記事を掲載した。
 国家破産の危機に直面している8国家として、
 ウクライナ、
 ギリシャ、
 ベネズエラ、
 スーダン、
 カザフスタン、
 ラトビア、
 パキスタン、
 ロシア
を挙げた。

 ウクライナについては、同国の債務不履行の回避のため、国際通貨基金(IMF)が2月上旬までに救済策を400億ドル(約4兆7500億円)に拡大することで、同国側と暫定合意した。
 未来網は同国にとっての2015年を「背水の陣の1年」評した。

 2番目に挙げたギリシャについては特に論評せず、
 3番目のベネズエラについては、外貨獲得の9割を石油に頼る同国が原油安で外貨不足に陥り、国内の物資不足、猛烈な物価上昇が発生していると指摘。
 4番目スーダンについても、資源や外国からの援助に頼りすぎていると指摘した。

 5番目のカザフスタンについても、
 「輸出の60%、政府収入の40%が石油に頼っている」
と指摘。
 さらに最大の貿易相手国であるロシアが制裁の影響で経済が落ち込み、カザフスタンの対ロシア輸出も大幅に減少したと指摘した。

 6番目のラトビアについては特に解説しなかった。
 7番目のパキスタンにいては、IMFが経済成長率5%の中期予想を出しているが、2014年(財政年度)の消費者物価指数が8%近くも上昇した。
 外貨準備は140億ドル(約1兆6000億円)に満たない。
 パキスタンについては「政局と安全情勢が、大きく脅かされている」と評した。

 8番目のロシアについては、
 「プーチン大統領が在任中に破産することはないだろう」
との考えを示した。
 ただし、世界的な信用格付け会社のフィッチ・レーティングスが1月9日、ロシアの格付けをそれまでの「BBB」から「BBB-」に落としたことを挙げ、
 「ロシアに対する懸念の声が高まりつつある」
と指摘した。

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◆解説◆
 上記のうち、中国はパキスタンと緊密な関係を構築してきた。
 領土問題も抱え、大規模な武力衝突(中国側が侵攻)を起こした歴史もあるインドを牽制(けんせい)するためだ。
 そのため、パキスタンの不安定化は中国にとっても大きな痛手になる。

 カザフスタンとロシアについては、経済や社会が混乱すると、テロ防止に支障をきたす恐れがある。

 ベネズエラとスーダンは国境を接してはいないが、原油の輸出入などで、中国との関係が密接だ。
 中国は1月7日までに、200億米ドル(約2兆4000億円)の借款を供与する協定を結んだ。
 同国の財政収支が急速に悪化していることに対する支援策だ。

 未来網が「2015年内に破産の可能性がある」とした8カ国のうち、中国と国境を接しているのは3カ国だが、
 「地理、経済、政治上で中国と密接な関係がある国」の観点では、5カ国ということになる。



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月21日 1時36分
http://www.recordchina.co.jp/a102903.html

中国への懸念から日韓に手を伸ばすロシア、
米メディアの報道に「信じられん」
「真の友も真の敵もいない」―中国ネット

 2015年2月16日、米ブルームバーグは、
 「中国に主導権を握られることを懸念するロシアのプーチン大統領が、アジアで網を広げている」
と伝えた。20日付で新浪軍事が報じている。

 報道は、ここ数カ月間、ロシアがインドや日本、韓国、インドネシア、パキスタンなどの国と頻繁に接触していることについて、
 「米国やEUに囲まれるなかで、
★.ロシアは中国との関係を優先的に考えているが、すべての卵をこのカゴに入れたくはないと考えている。
 これがアジア各国との結びつきを強めようとする理由だ」
と指摘している。

これについて、中国のネットユーザーは以下のような反応を示している。

「おれがプーチンでもそうする」
「日本とトモダチに?
 プーチンはバカじゃないぜ(笑)」
「米国のメディアはまた煽りたてるなあ」

「信じられん。
 日本とベトナムが米国のイヌだってことはバカでもわかる」
「米国とロシアの言い合いは、基本的に無視していい」
「ベトナムの後ろにいつもロシアが立っているから、南シナ海であんなに多くの島を占領してるんだ」

「永遠の友はいない。
 あるのは永遠の利益追求だけ。
 国家の利益は最上位」
「われわれ一般人は、天下泰平の世の中が好きなんだ!
 それなのに、政治家たちはそうは思っていないようだ」
「これが同盟を結ばないことの良さだ。
 外交には、真の友も真の敵もいない」



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年03月02日(Mon)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4752

中国「ばらまき外交」の限界
経済悪化が深刻なベネズエラを教訓に

 フィナンシャルタイムズ紙は1月25日付社説で、長年にわたる誤った経済政策運営によりベネズエラの経済・社会は深刻な代償を払っているが、同国の最大の債権国である中国も、法外で甘い条件での貸し付けが大きな問題を生むことを学んでいる、と指摘しています。

 すなわち、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は緊急資金援助を求め中国とサウジアラビアを訪問したが、明らかに何の成果もなかった。
 投資家たちは、ベネズエラのベンチマーク国債を「デフォルトの危険あり」のレベルまで落とした。
 ベネズエラでは、何千人もの人々がカラカスのスーパーの前に列をなし、インフレは約70%に至り、長年の経済政策の運営ミスの痛い代償を払っている。

 ベネズエラ最大の債権国である中国にとって、これは重大なことである。
 この状況は、中国が続けてきた、ほとんど条件もなく、透明性のないままに、多くの場合は資源を対価に多額のローンを提供するという形の対政府資金援助の実情を中国に付きている。

 ベネズエラ政府は、中国からの貸し付けは返済が石油で行われるので負債には当たらないとして、議会の承認を得ていない。
 その結果、この借金は国家予算に含まれず、いかなる運営制度や石油収益分配法のコントロールも受けていない。
 しかし、国営石油会社PDVSAが石油を対価とした負債の返済を予定通りできなくなった際、中央銀行からの借入に迫られた。
 これがハードカーレンシーの不足に輪をかけ、インフレを悪化させ、食料の輸入を妨げることになった。

 ベネズエラ情勢の急激な悪化は、
 中国が国際社会により深く関与するにあたり、大きな教訓となる。
 つまり、
 非伝統的な政策を信じるカリスマ性のある指導者に
 甘い条件で貸し付けを行うと破壊的事態を生む、
ということである。

 中国は新興国に対し気前よく大金を貸しており、ここでベネズエラでの経験から貸出条件を厳しくすると国際的な開発環境に大きな影響を与える可能性がある。
 しかし、
★.中国が「底なしの貸し出し外交」(open-wallet diplomacy)
に制約を加え始めたのはベネズエラだけではない。
 ジンバブエは、昨年100億ドルの救済パッケージを断られ、約束された20億ドル貸付には具体的な石炭鉱山のプロジェクトおよび将来の採掘による税収が担保とされた。
 中国は、世界銀行やIMF、アジア開発銀行といった多国間機関が貸し付けに厳しい条件をつけるにはそれなりの理由がある、ということを学んでいる、と指摘しています。

出典:‘China’s international lending has its limits’(Financial Times, January 25, 2015)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ae3a606a-a2fa-11e4-ac1c-00144feab7de.html#axzz3QjVJ3kI9

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 石油大国ベネズエラの経済は破産寸前で、借金を増やすベネズエラ側にも大きな問題があるが、独裁的指導者に甘い条件で資源と交換に大金を貸し付ける中国のやり方に限界があることを中国も思い知ってきている、という分析です。
 ベネズエラの例は、
 中国による、独裁体制に対する野放図な「ばら撒き外交」の限界
をよく示していると言えます。

 2013年1月に死去したチャベス前大統領は、脱アメリカを図り、ロシアや中国との関係を深め、石油等の資源を対価に、資金ばかりでなく両国から武器も調達していました。
 ベネズエラの財政は石油価格が1バレル117ドル以上でないと成り立たないとされていましたが、今や石油価格は1バレル50ドル台にまで下がっています。
 そして、中国への輸出量(1日50万バレル)の半分が借金の返済に充てられ
他に財政を補う道がないとなれば、破産は時間の問題ということになります。
★.ベネズエラは、伝統的資金調達の枠組みから自らを占め出し中国に依存したわけですから、
 今さら国際金融市場に戻ることができるのか
という疑問があります。

 中国にすれば、政情不安定な中東以外からの資源確保、それもアメリカの裏庭に食い込むという政策から、ベネズエラやアルゼンチン、ブラジルへ大風呂敷を広げてきました。
 中国は国際金融制度の恩恵を受けてきましたが、透明性、法や規制、その下での平等を原則とする既存の制度は、中国には使い勝手が悪いといえます。
 しかし、中国のやり方は大きな問題を抱えていることが明らかになりました。
 これまでIMFや世銀の融資条件が不適切で状況を悪化させた場合、国際機関の責任が問われてきました。
 中国はすでに各国への融資条件を見直していますが、ベネズエラが国家破産をし、経済がますます悪化し、さらなる社会不安が広がれば、中国の責任と見なされることになります。

 中国は、ベネズエラのような痛い経験などを経て、国際金融制度のルールにはそれなりに意味があることを理解し始め、さらには既存のルールを学ぼうとさえしているようにも見えます。
 日米には、アジアインフラ投資銀行はアジア開発銀行(ADB)を脅かす、という懸念があります。
 透明性やルールを無視した中国のこれまでのやり方や、影響力増大にそうした機関を利用しようとする意図を考えれば、日米の懸念には理由があります。
 他方、ADBのインフラ資金が不十分であることも事実です。
 中国は、ADBからノウハウを学ぼうとしており、ADBもそれに応じ協力しているようです。
 中国が国際金融制度を通じて何をしようとしているか、警戒を解くべきではありませんが、今は、米国も日本も、苦労して築いてきた国際金融制度に中国を上手く取り込み、その豊富な資金を活用することを目指す、良い機会なのではないでしょうか。