
●左は昨年3月のガベン・リーフ(南薫礁)、右は今年1月 IHS JANE'S
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ウォールストリートジャーナル 2015 年 2 月 19 日 10:21 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11096553489394754382504580470611269658200
By Jeremy Page in Beijing and Julian E. Barnes in Washington 原文(英語)
中国、南シナ海で人工島建設を拡大―写真で確認
【北京】中国が南シナ海の係争水域で人工島の建設を拡大していることが新たに公表された人工衛星画像で判明し、北京の領土的野心をめぐる懸念が強まっている。
画像を調べた専門家によれば、これは中国が面積が7万5000平方メートルとサッカー場約14面に相当する人工島を建設していることを示す初めての視覚的な証拠だ。
ヒューズ・リーフ(東門礁)と呼ばれるところで2つの埠頭(ふとう)とセメント工場、そしてヘリコプター発着場がある。
ヒューズ・リーフは低潮時にのみ海面から露出する。
★.フィリピンから約210マイル(約336キロメートル)、
★.中国から660マイル(約1056キロメートル)
離れている。
エアバス・グループの商業人工衛星部門が撮影し、軍事情報大手IHSジェーンズが公表したこれらの画像はまた、中国が他の2つの地点、つまりジョンソン・サウス・リーフ(赤爪礁)とガベン・リーフ(南薫礁)で同様の島を構築中で、作業が相当進んでいることを示している。
北京はこの水域で領有権を主張しているが、近隣諸国の主張と重なっている。
IHSジェーンズが昨年11月に公表した画像によれば、4つ目の係争水域であるファイアリー・クロス・リーフ(永暑礁)で中国の建設作業が拡大していた。
最終的には飛行機の滑走路も整備されるだろう、と軍事アナリストや学者などはみている。
中国が島の要塞ネットワークを構築しているのは、南シナ海の大半を支配し、潜在的にはその上の空域も支配する狙いがあるようだ。
南シナ海は世界でも最も船舶の航行が多い海域の一つだ。
中国が南シナ海でこのようなインフラを急速に、しかも大々的に構築しており、それは、この水域で力を誇示しようとする同国の野心が衰えていないことを示している。
中国政府が最近、言葉による主張を自制し、海上や空での対立を回避しているにもかかわらず、である。
ある米政府高官は
「中国は2014年を通じて南シナ海で土地の埋め立てを推し進めた。
その勢いはどちらかと言えば加速しているようだ」
と述べ、これほどの
中国の埋立工事は「過去に例がない」
と語った。
建設に関する最初の報道は数カ月前だった。
しかし、そうした報道は中国の拡張の規模を明らかにしていなかった。
衛星写真を使った世界地図サービス「グーグル・アース」などによると、4つのリーフ全ての工事が習近平国家主席が権力を掌握した2012年以降に始まったことを示している。
このうち2つの建設工事は過去1年間に始まった。
近隣諸国の抗議、ワシントンとの軍事的なきずなの深まり、そして中国による周辺諸国との関係改善の動きにもかかわらず工事を拡大してきたことになる。
米当局者たちは、中国に工事を中止するよう再三要請したが、無駄だったと述べている。
関係筋によれば、国務省のダニエル・ラッセル次官補(東アジア・太平洋情勢担当)は今月、北京を訪問した際、この問題をめぐる米国の懸念を伝えたという。

●4つのリーフはすべて南沙諸島(スプラトリー諸島)の一部で、いわゆる九段線の範囲内に位置する
ラッセル次官補はインタビューで、北京での協議の具体的な内容を明かさなかったが、米国は中国が埋め立て工事を中止するよう期待していると語った。
同次官補は、
「それは不安定要因であり、中国が(東南アジア諸国連合=ASEAN=加盟国に)行ったコミットメントと矛盾する」
と語った。
中国はASEANとの間で、南シナ海における挑発行動を避けると誓約する拘束力のない取り決めに署名した。
この中には、それまで無人だった島やリーフに居住することも含まれている。
ラッセル次官補は
「過去2、3年間で中国が行った埋め立ての面積は、
他の係争国が実施したそれを何倍も上回っている」
と述べた。
中国外務省は、衛星画像についてコメントしなかったが、中国には建設工事が行われている水域に主権があり、工事はそこで働く作業員の生活を改善するためのものだと述べた。
画像にある4つのリーフはすべて南沙諸島(スプラトリー諸島)の一部で、
いわゆる「九段線(nine-dash line)」の中国側に位置する。
中国政府はこの九段線によって、南シナ海のほとんど全域に対する歴史的な領有権を主張している。
中国の主張する領域は、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、台湾、そして米国の同盟国であるフィリピンの主張する領域と重なる。
こうした諸国・地域の多くは近年、領有権を主張する中国の動きを受け、米国との防衛協力を強化している。
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2015年02月20日 08時42分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150220-OYT1T50004.html
中国、わずか10か月で巨大な人工島…南沙諸島
国際軍事専門誌IHSジェーンズは19日、中国が、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島の三つの岩礁で、大規模な埋め立て工事を進めていることを確認したと明らかにした。
同誌が公開したガベン礁の衛星画像では、2014年3月末の撮影時点で小さな建造物しかなかった場所に、わずか10か月後の15年1月末時点で巨大な人工島が建造されていることが分かる。
また、同誌は、ヒューズ礁の人工島の面積が04年と比較して約200倍の7万5000平方メートルに拡大しているとも指摘。
ジョンソン南礁でも、施設の工事が進んでいるとしている。
スプラトリー諸島の埋め立て工事を巡っては、14年6月、フィリピンのアキノ大統領が、埋め立て用の土砂を搬入する中国船が同諸島周辺で確認されていることを明らかにしていた。
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ロイター 2015年 02月 20日 16:45 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LO0EQ20150220/
焦点:中国が南シナ海で「人工島」拡大、
実効支配を強化へ
[香港 19日 ロイター] -
南シナ海で人工島の建設を急ピッチで進めている中国。
そう遠くない将来、同国の海軍や空軍、漁船がそうした人口島を拠点に活動範囲を広げる可能性があり、同海域で領有権を争う周辺国に警戒感を与えている。
最近公開された衛星画像とフィリピン当局者の話を基にすると、人工島の建設はスプラトリー(南沙)諸島の6つの岩礁に拡大。
またフィリピン政府は、今月には、中国の浚渫(しゅんせつ)船が7つ目の岩礁で作業を開始したと主張している。
同海域での米軍の優位性を脅かすことはないとみられるが、人工島では港や燃料の補給基地のほか、おそらく滑走路の建設も進んでいる。
これについて専門家は、東南アジア海域のまさに中心で中国による力の誇示を許すことになると指摘する。
このような人工島について、西側外交官の1人は
「われわれが考えていたよりも大きく、野心的」
だとし、
「開発が進むにつれ、多くの点で南シナ海で中国に対抗するのは非常に困難になるだろう」
と語った。
エネルギー資源が豊富とされ、年間5兆ドル規模の海上貿易が行われる南シナ海で、中国はフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾と領有権をめぐり争っている。
調査会社IHSが発行する軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」に今週掲載された衛星画像では、ヒューズ礁(中国名:東門礁)に新しい施設が建設されているのが確認できる。
同誌は、昨年8月以降に開発が進められてきた7万5000平方メートルの敷地に「大規模な施設」が建設中だと分析している。
また、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)の画像も掲載されており、そこには全長3キロ超の人工島が建設されているが、専門家はここが滑走路になるとみている。
同様に、ガベン礁(南薫礁)、クアテロン礁(華陽礁)、エルダッド礁(安達礁)でも建設作業の様子が確認でき、ミスチーフ礁(美済礁)での新たな浚渫作業も確認された。
■<漁師に恩恵>
人工島が軍事的に使用される可能性がある一方で、一部の専門家からは非軍事的な利益の大きさを指摘する声も聞かれる。
オーストラリア国防大学(キャンベラ)の南シナ海専門家、カール・セイヤー名誉教授は、人工島での補給や休憩が可能となるため、漁船や沿岸警備当局を効果的に機能させることが可能だと指摘する。
石油探査活動も同様の恩恵を受けるだろう。
ロイターは昨年7月、中国当局が同国の漁船がスプラトリー諸島で操業することを奨励しており、しばしば燃料補助を行っていると報道した。
「軍事的な問題以前に、中国の漁船や沿岸警備艇の活動範囲拡大は、対抗するのが非常に困難な戦略的変化となるだろう」
とセイヤー氏は語る。
また同氏は、法的な権利が人工島を越えて主張されることは恐らくないとしたうえで、
中国が周辺の海域から領有を争う国々を効果的に追い出そう
とする可能性を指摘した。
同地域に派遣されている一部の大使館付き武官は、中国は対潜作戦のため、最終的には新しい人工島のヘリ施設を使用するだろうとみている。
中国本土の安全保障を専門とする嶺南大学(香港)の張泊匯氏は、
「中国側から見れば、これは政治や法的な問題ではなく、むしろ安全保障の問題」
との見方を示した。
北京の安全保障専門家ゲイリー・リー氏は、人工島での軍事的利益は、本土からの距離を考えると比較的少ないとし、
「地域上の戦術的な使用に限られるだろう」
と語った。
昨年にインド洋で行方不明になったマレーシア航空機の捜索では、中国海軍の補給艦がオーストラリアまで出向くなど、海外軍事基地や寄港可能な港が中国には足りないことを露呈した。
中国軍当局者らは、政府が目標とする外洋海軍力を2050年までに持つには、「海外基地の不足」などの問題を解決する必要があることを理解している。
また一部の専門家は、人工島によって中国が南シナ海上空に防空識別圏を設定しやすくなるとみている。
中国は2013年に東シナ海上空に防空識別圏を設定した際、日本と米国から激しい非難を浴びた。
一方、南シナ海でも同様の措置を取るのではないかとの憶測については否定している。
だが、フィリピンの元国家安全保障顧問であるロイロ・ゴレス氏は、
中国は人工島の建設を来年の初めごろまでには完了し、3年以内に防空識別圏の設定を発表する
と予想。
「中国は点と点を結び、全体像をつくり上げているところだ。
そのことに全力を挙げている」
と述べた。
(Greg Torode記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
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レコードチャイナ 配信日時:2014年10月21日 8時48分
http://www.recordchina.co.jp/a851.html
今後10年、米国最大の“敵”は中国に
=傲慢さを強める中国、
対中寛容政策は破綻―米誌
2014年10月17日、環球時報によると、米外交専門誌ナショナル・インタレストは
「米国は中国の挑戦に直面する。
米国は中国の台頭にどう対応するべきか」
と題した記事を掲載した。
以下はその概要。
米国の安全保障に関して、
今後10年以内で中国が最大の挑戦者となり、
深刻さは冷戦を上回る可能性
もある。
米国は以下の現実を受け入れなければならなくなるだろう。
まず、
★.次期大統領とブレーンたちは、対中寛容政策が失敗に終わった
という事実を突きつけられるだろう。
これまで米国は衝突を避けるために宥和政策を取ってきたが、中国は傲慢さを強め、着々と既成事実を積み重ねる「サラミ戦術」を取り、軍事力の近代化を進めてきた。
次に、
★.中国がミサイル、レーダー装備の刷新を進めるにつれ、
これまで米国が取ってきた西太平洋での戦略が効力を失う
という事実だ。
米軍が過去70年間で培ってきた作戦と調達の習慣を捨てることはたやすいことではない。
米国議会と重工業は調整を迫られることになるだろう。
そして、米国民は「安息の日は訪れない」という現実を受け入れなければならない。
★.かつてのソ連、
★.現在のイスラム過激派、
★.その後が中国
の挑戦であり、最も厳しい挑戦になるかもしれない。
米中の経済的依存関係は事態をさらに複雑にしている。
1812年の米英戦争以来、米国が自国の主要な経済的パートナーと行った最後の戦いから200年が経った。
次第に深まっていく中国とのビジネス関係が、アジア太平洋地域の安全保障政策に関する議論を複雑にしている。
★.中国への対応について、米国は今後数年の間に深く考えを巡らせる必要がある
だろう。
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レコードチャイナ 配信日時:2015年2月15日 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/a102419.html
米国防総省元高官「米国にとって最大の潜在的脅威は中国」、
中東も大事だがアジア・リバランスは極めて重要―米メディア
2015年2月11日、米国の国防総省元幹部は、世界各地に安全保障上の危機は存在するが、
米国にとって最も長期的な脅威はアジア太平洋地域に存在する
と語った。
ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。
米上院軍事委員会のマケイン委員長は10日に行われた公聴会で、初めに中国を挙げて「米国にとっての脅威である」として
「中国が急速に進める軍の近代化が、アジア太平洋地域の軍事力バランスを壊そうとしている」
と述べた。
国防総省のミシェル・フローノイ元国防次官もスピーチで、
「世界の至る所に危機は存在するが、
米国はもっと多くの資源をアジア太平洋に投入し、
中国からの挑戦に対応するべきだ」
と述べ、
「中東地域の危機に対応しなければならないのはもちろんだが、
長期的に見ればアジアに十分な資源を投入しなければならない」
と述べた。
また、同じく元国防次官のエリック・エデルマン氏は米国がアジア・リバランスに十分な資源を投じていないことに懸念を示し、
「われわれにリバランスが必要であり、それが重要であることは間違いない」
と述べた。
国防総省の元幹部2人は、将来的な脅威に備えて十分なリソースを軍事に割り当てることを目的に、強制歳出削減の廃止を議会に促している。
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サーチナニュース 2015-02-25 10:53
http://news.searchina.net/id/1562794?page=1
「新年のグッド・ニュース」と中国報道
・・・ベトナムと「領有権対立」のスービ礁で、新たに「埋め立て作業」開始

中国の大手ポータルサイト、新浪網は「新年のグッドニュース」などとして紹介した。'
南シナ海でベトナムと領有権を争うスプラトリー諸島のスービ礁(南沙諸島・渚碧礁)で、中国が新たに埋め立て作業を始めたという。
スービ礁は1988年初頭までベトナムが実効支配していた。
同年3月14日に発生したスプラトリー諸島海戦で、ジョンソン南礁(赤瓜礁)のほか、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)、クアテロン礁(華陽礁)、東門礁、ガベン礁(南薫礁)、渚碧礁などと共に、中国が奪取した。
ただし、中国はジョンソン南礁を除く大部分の岩礁から撤退した。
遠隔であり、海軍部隊が空軍の支援を得られなかったためとされている。
スービ礁については実効支配を続けた。
同岩礁は高潮時には水没する。
そのため、中国は1988年には人口建造物の設置に着手した。
2009年にはレーダーサイトを完成させた。
2015年1月26日になり衛星写真で、中国が同岩礁の8カ所で新たに埋め立て作業を始めていることが確認された。
スービ礁に「渚碧礁」の中国語名称を定めたのは中華民国(1935年)だが、中華人民共和国も同岩礁の正式名を「渚碧礁」とした。
しかし新浪網は「渚碧島」と表現した。
満潮時に海面より上に出す陸地部分がなければ「島」ではなく「岩礁」とみなされる。
「岩礁」の場合、排他的経済水域(EEZ)の設定は認められない。
日本最南端である「沖の鳥島」の場合、1933年の調査では計6つの岩が満潮時にも姿を見せていたとされる。
しかし1987年までに2カ所に減少した。
日本政府が浸食防止策に力を入れるようになったのはそのためだ。
岩礁に人工物を追加して満潮時にも海面上に出るようにしても、現行の国際法では「島」と認められることはないが、中国は南沙諸島で実効支配する岩礁において、人工物の建設を盛んに進めている。
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