「お客様は神様です」
でしょうか。
日本人は合理的に対応する。
どんなお客様でも「お金」を支払ってくれるお客が神様になる。
イヤな奴でも笑顔を忘れずに。
もしかしたら、ハラで舌を出している、かもしれないが。
でも、それが外交というもの。
「ガンとぶつかれがガンと返ってくる」
当たり前のことである。
これでは外交は成り立たない。
どんなにイヤな奴でも笑顔を絶やさない、このことが外交を進める秘訣。
いまのところ日本はその外交ができているということだろう。
そしてそれに似た観光対応もできているということになる。
「自尊心をくすぐる」
ような軽いヨイショであろう。
それでゼニが稼げれば楽なものである。
「金持ち喧嘩せず」
でもある。
成金はメンツをひけらかす。
それを上手に使って利を引き出すのが上手な外交のやり方だろう。
「日本は小狡いキツネ」
を演じ続けている。
いまのところ、それしか対処の方法がないように見える。
と、考えればこの飲食店店主はすこぶる賢いと言える。
韓国も中国もこのところ下り坂に入ってきている。
韓国は一気に急降下する可能性を秘めている。
中国もその後を追うことになりそうな予感がする。
日本の観光業界としては、稼げる時に中国・韓国から、ふんだくりたいと思っている。
おそらく、爆買いもあと3年だろう。
それまでに爆売りしてしまおうというのが、業者の皮算用になる。
あとはコンスタントな観光客を受け入れる方向にシフトすることになろう。
言い換えると、いっときの勝負、が今の状態のように思える。
「がまん、ガマン、我慢」
だと、この店主は自分に言い聞かせているかもしれない。
お金を運んでくれる方がお客様
である。
その程度のソロバンが弾けないようなら、水商売はできない。
観光業とは悪く言えば健全なキャバクラみたいなものだ。
いかに「お金を快く使わせるか」の芸である。
『
FOCUS-ASIA.COM 2月24日(火)17時12分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150224-00000035-xinhua-cn
「中国人観光客がいなければ生き残れない」
・・と日本の飲食店店主が発言、中国ネット民の反応は?
複数の中国メディアが同国版ツイッター・微博で24日、ある日本の飲食店の店主が中国人観光客について語ったという発言の内容を紹介した。
「中国人観光客がいなければ生き残れないので、悪く言うつもりはない」
というものだ。
発言について伝えたのは、重慶晨報や経済日報、新浪財経など。
内容は以下のようなものだった。
春節(旧正月)の連休中、中国人観光客は日本やシンガポールを“席巻”し、各地で“爆買い”した。
よく、中国人客は声が大きく、周りの人の気持ちを考えないと言われる。
ただ日本のある飲食店の店主は匿名ながら、こんな話をしてくれた。
「中国人観光客がいなければ、日本の観光産業は生き残れない。
だから彼らを悪く言うつもりはない」
と。
この情報は中国インターネット・ユーザーたちの間で話題になり、コメントが続々と寄せられた。
その一部を拾ってみる。
「日本人って、客観的になれる民族なんだな」
「商売するなら、これが正しい態度」
「こういうサービスの姿勢は素晴らしい」
「日本人って賢い!
いつも密かに大金稼ぐ。
中国人観光客の素行の悪さを言いふらしたりしない」
「日本の店はやっぱり大局を大事にするんだね」
「日本人は何が一番大事で、何が二番目に大事かを知っている。
香港人より頭がいい」
「香港人よ、日本人を見習え!」
「もしも自国製品の質がよくて、値段も安かったら、中国人はわざわざ海外に買い物に行かないと思う」
「ちょうど電気炊飯器を買ってきたところ」
「安倍、喜ぶ。
日本国民も喜ぶ」
「抗日“神ドラマ”も役に立たないな」
「だったら日本は中国人に対するビザの発給条件をもっと緩和すればいい」
「中国人の“カネ持ってれば神さま”って考えは病的だと思うが」
「ツアーだと大勢の人が集まるから、話し声はどうしても大きくなる。
個人旅行にすればマシになるかな」
「中国人は金持ちになった!
中国の時代がやってくる!
がんばれ!」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月25日(水) 13時54分
http://www.recordchina.co.jp/a103098.html
「爆買」を責めないで!
中国人観光客がいないと生きていけない―日本人経営者
2015年2月24日、北京晨報は記事
「中国人観光客を叩かないで!
彼らがいないと生きていけない―日本人経営者」
を掲載した。
2015年の旧正月、世界で中国人の「爆買」が話題となった。
シンガポール、スペイン、ロサンゼルス…各地で押し寄せた中国人により記録的な売り上げを生み出している。
日本もその例外ではない。
ホテルも空港もパンクに近い状況で、中国人受け入れに躍起となっている。
「爆買」の注目アイテムはウォシュレット付き便座。
売り上げは例年から倍増、品切れ状態となってしまった。
日本の観光地はどこも大声で話す中国人ばかり。
その騒がしさに迷惑に思う人、批判するメディアも少なくない。
だが一方で中国人観光客をかばう人もいる。あるレストラン経営者は
「中国人がいなくなったら日本観光業は生きていけませんよ。
ですから何にも文句はないですね」
と話していた。
』
『
サーチナニュース 2015-02-25 07:03
http://news.searchina.net/id/1562752?page=1
中国人観光客という「福の神」が降臨!?
日本が「中国マネー」で沸騰
・・・人気の商品は「品切れ状態」相次ぐ=中国メディア
中国メディアの北京晨報は24日、春節(旧正月)期間中に海外へ旅行に出かけた中国人観光客によって日本やシンガポールではホテルが満室になったり、一部の商品が品切れになったりするケースが見られたと報じた。
記事は、日本の報道を引用し、中国人観光客による“爆買い”によって百貨店の売り上げが極めて好調だったことを紹介、日本列島が「中国マネーで沸騰した」と伝える一方、ホテルや空港は受け入れ能力の限界に達したと紹介した。
続けて、中国人観光客に人気の電気炊飯器や洗浄便座については一部の家電量販店では「ほぼ品切れの状態」となったと伝えた。
さらに、洗浄便座のメーカーの担当者の話として
「海外向け製品の売り上げは前年の2倍以上になった」
とし、同メーカーでは生産を拡大していることを紹介した。
こうした状況に対し、中国メディアの新華社は
「中国人観光客という福の神によって、一部の家電量販店では洗浄便座がほぼ売り切れた」
などと報じた。
さらに、銀座三越の担当者が
「今年の春節期間中は100万円近くもするネックレスなど高額商品の売れ行きも好調」
と語ったことを紹介した。
また記事は、米紙ワシントン・ポストが
「中国人観光客が日本で堪能できるのは寿司(すし)や買い物だけでない」
と伝え、
★.お金では買うことができない「新鮮な空気」も日本で堪能している
と伝えたことを報じた。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月24日(火) 8時4分
http://www.recordchina.co.jp/a103045.html
訪日中国人、
目当てはすしや買い物だけではなく、新鮮な空気
=米紙報道に、米国のネットユーザーの意外な反応は?
2015年2月23日、米紙ワシントン・ポストは、日本を訪れる中国人観光客の目的はすしや買い物だけでなく、新鮮な空気も理由であると報じた。
ワシントン・ポストは20日、日本を訪れる中国人観光客の目的はすしや買い物だけでなく、新鮮な空気も理由であると報じた。
報道によると、北海道を訪れた中国人観光客は
「青い空と澄んだ空気は素晴らしい。中国にはないものだ」
と述べている。
記事では、北海道に到着した中国人観光客はまず深呼吸して
「やっと呼吸ができる!」
と感想を述べるといったエピソードも紹介している。
一方で、中国人観光客が騒がしく、他人への配慮に欠けていることに対する苦情があることも伝えている。
札幌で中国人観光客のためのボランティア活動を行っている女性は、
「中国人観光客は、パンフレットなど無料のものがあると聞くと、できる限りたくさん持ち帰ろうとする」
と語っているほか、
「電車の中で子供たちに靴を履いたまま座席の上に上がらせるので、周りの日本人が靴を脱がせることもある」
と述べている。
こうした悪評を受けて、習近平(シー・ジンピン)国家主席は昨年、海外旅行する中国人にマナー改善を呼びかけたという。
この報道に、米国のネットユーザーがコメントを寄せている。
「中国人は日本を中国のように汚くしたいんだろう。
それが中国が考えている日本に対する戦争計画だ」
「中国人観光客が日本に押し寄せることは、第二次世界大戦に対する日本への罰なんだ。
これも一種の拷問だ」
「私の経験から言えば、中国人観光客のマナーはこの記事に書かれている通りひどいものだ。
列に割り込むし、所構わずゴミを捨てるし、とても騒がしい」
「彼らが日本を汚染しようとしているのか。
なんてことだ!」
「見苦しいアメリカ人観光客というのは、世界ではもう取沙汰されなくなったということだね」
』
『
現代ビジネス 2015年02月23日(月) 近藤 大介
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42194
国家主席が誇る「偉大なる人民」が、
銀座で"爆買い"に走った2015年の春節
■「洋風の街」を襲う東洋発の「衝撃」

2月19日の春節(中国の旧正月)の午後、銀座の中央通りを、1丁目から8丁目まで歩いてみた。
前日の小雪やみぞれは消え去り、ぽっかりと晴れ渡った澄み切った空だった。
だが銀座通りは、いつになく騒々しかった。
普段は紳士淑女がおめかしして銀ブラする中央通りも並木通りも、ジャージにジャンパー姿だったり、髪の毛ボサボサだったりする声高な人々に占拠されていた。
一面の観光バスと「漢語」。まるで北京の王府井か上海の南京路が、東京で再現されたかのようだった。
"ギンザ・チャイナタウン"の出現と言ってもよい。
おそらく銀座150年の歴史で初めての光景ではなかろうか。
周知のように現在の銀座は、明治維新後に、文明開化の象徴としてガス灯やレンガ造りの建物が整備された。
いわば日本初の「洋風の街」である。
私が記憶している最初の銀座は、1971年に三越銀座店の1階にオープンしたマクドナルドだった。
祖母に手を引かれて歌舞伎座で歌舞伎を観た後に、初めてこの「アメリカの館」の前を通って仰天した。
店内も周辺も大混雑で、何より驚いたのは、歩きながらハンバーガーを頬張っているジーンズに長髪姿の若者たちだった。
祖母はそんな彼らを、「犬でもあるまいし」と言って、侮蔑するように眺めていたものだ。
1996年に、松屋デパートの裏手にスターバックス日本1号店がオープンした時も、ひとしきり話題になった。
この店もいつも混雑していたが、私は足繁く通った。
それは当時、ほとんど都内唯一の店内全面禁煙の喫茶店だったからである。
タバコの煙が何よりも嫌いだった私は、ただ「煙にまみれていないコーヒー」を飲むだけのために、地下鉄有楽町線に30分近くも揺られてスタバに通い詰めたものだ。
いまにして思えば、銀座の街が過去150年近くにわたって受け容れてきた大小様々な「衝撃」は、そのほとんどが欧米の新たな文化の流入だった。
欧米のブランドショップから著名なフレンチレストランまで、こぞって銀座に出店した。
そのたびに銀座の街並みは、たちまちそれらを景観の中に受容してしまった。
そもそもの街の成り立ちからして欧米文化の流入だったのだから、たとえマックが来ようがスタバが来ようが、すべては「許容範囲内」だったのだ。
だが今回の「衝撃」は、東洋の新興国から来たものであることが、過去と異なっている。
しかも、昨年末に内閣府が発表した「外交に関する世論調査」によれば、日本人の83.1%が「中国に親しみを感じない」と答えている。
そのような中国から来た人々を、「日本一プライドが高い街」が許容するのかどうかが、私の関心事だった。
銀座における中国人観光客のメッカは、2013年11月に7丁目に建ったラオックスである。
店内を訪れる客はほぼ全員が外国人で、その大半が中国人で占められている。
そもそもラオックスは2009年8月に、中国の大手家電量販店の蘇寧雲商が買収しているから、
ラオックス自体がすでに中国企業
なのである。
実際、ラオックスを訪れると、店は「爆買いバブル」に沸いていた。
中国人観光客を乗せたバスがひっきりなしにラオックスの前に着き、旅館の女中のような浴衣姿の女性たちが「歓迎光臨!」(いらっしゃいませ)と中国語で出迎える。

ステンレスボトル(水筒)、南部鉄瓶、スーツケース・・・。
1階から3階まで所狭しと並べられた商品はすべて、中国人向けである。
店内の男性用トイレにも、「一歩前へ出て用を足しましょう」とか「喫煙してセンターが感知したら罰金1万円を申し受けます」と言った中国語の注意書きが貼られていた。
日本のマスコミは、「爆買い」というキャッチコピーで、中国人観光客ラッシュを報じていた。
実際、銀座通りのあちこちの店の前に張りついたテレビ局のスタッフたちは、「××で爆買い中国人発見」などと携帯電話で連絡を取り合いながら、東に西に駆けずり回っていた。
しかし、今回、私が銀座を歩いて感じたのは、日本経済の活性化を外需に頼ることの危うさである。
いまは中国で「日本旅行ブーム」が起こっているから大量の観光客が来て「爆買い」してくれるが、習近平主席が一言、「日本へは行くな」と国民に指令を出したらどうなるか。
ラオックス以下、中国人観光客に頼っていた業界は、一貫の終わりである。
中国は、日本とは政治システムの異なる社会主義国家であることを忘れてはならない。
いまの微妙な日中関係を鑑みると、近未来にそのような事態が起こらないとは、誰にも保証できない。
銀座も他の日本の観光地も同様だが、中国人観光客には感謝しつつも、彼らだけに頼るのではない地域の活性化策を考えるべきだろう。
■習近平主席に対する偶像崇拝化が始まりつつある
さて、ここからは、春節期間中に50万人もの観光客を日本に送り出した中国国内のレポートである。
中国の指導者にとって、春節ほど、国民に向けてパフォーマンスできる機会はない。
皆が故郷へ帰ったり旅行に出かけたりしている時に、変わらず国民のために仕事している姿を見せれば、国民が「何と偉い主席だろう」と感じ入って、政権の支持率はグンとアップするからだ(中国にはメディアによる政権の支持率調査はないが)。
習近平主席は2月13日早朝、政府専用機で陝西省延安に飛んだ。
3泊4日の陝西省視察である。
延安の鄙びた空港に降り立つと、趙正永陝西省党委書記、類勤倹省長らが丁重に出迎えた。
そこから車に乗って、延川県文安驿鎮梁家河村に直行したのだった。
国家主席の到着を長時間待ちわびていた梁家河村の村民たちは、車列が村に入るや、諸手を挙げて歓迎した。
中には習近平主席に寄って行って抱きついてくる輩もいた。
普段は無表情な習近平主席も、すっかり顔が綻んでいる。
それもそのはず、この視察は、習近平主席の「凱旋帰郷」だったのである。
100人くらいの村民たちを前に、古ぼけたマイクを手に取った習近平主席は、語気を強めてこう述べた。
「私にとって陝西は根であり、延安は魂だ。
1969年1月、まだ満16歳にもなっていなかった私は、北京からここへやって来た。
以来、この地で7年にわたる労働生活を送ったのだ。
ここにいる皆と共に、7年だ!」
習近平主席の野太い声に、ワーッと歓声が上がった。
私がこの「様子」を見たのは、2月16日夜7時から7時半までの中国中央電視台のメインニュース番組『新聞聯播』だった。
北京っ子たちが噂する都市伝説の一つに、
「習近平の穴蔵伝説」
と言われるものがある。
それは、習近平主席は文化大革命で「下放」(正確には父・習仲勲副首相が「下放」された影響を受けての田舎での労働)された際、陝西省の穴蔵で7年間、暮らしていたというものだ。
今回、習近平主席が暮らしていた家も映し出されたことで、「伝説」の真偽が判明した。
それは家というより小屋と呼ぶべき建造物だった。
おそらく習近平主席が来臨するということで、大幅改装したのだろうが、それにしても侘しい小屋である。
半世紀近く前の様子を慮れば、「穴蔵に暮らしていた」というのも、さもありなんと思えてきた。
まさに寒風が身に沁みる砂漠の荒地の極貧地域である。
この「習近平凱旋」のニュースを見ていて驚いたことが、他にもあった。
何と30分の番組中、この一つのニュースを、延々と18分43秒も流したのである。
私は『新聞聯播』を見始めて、かれこれ25年になるが、これほど長時間にわたって「トップニュース」が続いたのは、初めてのことだった。
日本でいえば、安倍晋三首相が正月に山口に帰郷したニュースを、NHKの夜7時のニュースで、18分以上放映するようなものだ。
いや、北京生まれ北京育ちの習近平主席にとって、梁家河村は故郷ですらない。
毛沢東元主席が唱えた文化大革命のあおりを受けて飛ばされた僻地に過ぎないのだ。
この異例のニュース映像をどう解釈したらよいのだろうか。
それはとりもなおさず、中国で習近平主席に対する、毛沢東元主席並みの偶像崇拝化が始まりつつあると見るべきではなかろうか。
■習近平vs江沢民の権力闘争が「春晩」にも
ところで、春節の中国中央テレビといえば、「春晩」と呼ばれる中国版紅白歌合戦である。
日本の紅白が、視聴率が50%を割って久しいのに較べて、中国では大晦日の夜には、いまだに多くの家庭で「春晩」が見れれている。
習近平夫人の彭麗媛は、1984年の第2回から2011年の第29回まで連続28年出場し、女性歌手では最多記録を誇っている。
2012年以降、彼女が出場を自粛しているのは、夫が共産党トップに就任したからと言われている。

●013年の「春晩」に出場した宋祖英 〔PHOTO〕gettyimages
彭麗媛に次ぐ出場回数を記録している女性歌手が、1966年生まれの苗族の歌手・宋祖英である。
彼女は1990年以来、2013年まで連続24年出場し、彭麗媛と並んで「春晩の顔」と言われていた。
ところが昨年の「春晩」には、なぜか姿を現さなかった。
昨年の春節の時には、なぜ宋祖英がブラウン管から忽然と消えたのかが、中国国内でひとしきり話題になったものだ。
有力な説は、二つあった。
一つは、彼女が体調を崩したというものだ。
四半世紀もトップ歌手として君臨していれば、深刻な病気の一つにも罹るだろうというわけだ。
そしてもう一つは、習近平夫妻の「鶴の一声」によって抹殺されたというものだった。
もし前者が真説ならば、今年の「春晩」には出場するはずだろう。
ところが、2月18日に放映された「春晩」にも、宋祖英は登場しなかったのである。
そこで俄に、やはり後者が真説なのではという噂が広がったのだ。
この説には、もっともな理由もついた。
中国人に「宋祖英の彼氏は誰か?」と聞いてみると、おそらく多くの人が、「江沢民元主席」と答えるに違いない。
それほど二人の「ホットな仲」は有名である。
私が中国のテレビ業界の人から聞いた話は、以下のようなものだ。
1989年の天安門事件によって、上海市党委書記から3段飛びで中国共産党総書記に就任した江沢民は、ある時、人民大会堂で宋祖英の舞台を見て、彼女に一目惚れした。
そこで舞台が撥ねて出演者たちと握手した際、密かに自分の電話番号をメモした紙を宋祖英に渡した。
国の最高権力者から「電話が欲しい」と言われた宋祖英は、これを千載一遇のチャンスと捉えた。そ
こで渡された番号に電話をかけ、江沢民主席と「密会」するようになった。
以後、江沢民主席のバックアップを得た宋祖英は、国民的歌手にのし上がっていった---。
たしかに1990年代の宋祖英は日の出の勢いだった。
習近平という冴えない福建省勤務の政治家に嫁いでしまった彭麗媛は、自分より4歳若いライバルを、恨めしく見ていたに違いない。
そして宋祖英の栄光は、2000年代に入っても一向に衰えなかった。
実は宋祖英は1992年に、羅浩という無名の湖南省時代に知り合った男性と結婚していたが、それは永らく伏せられていた。
2005年になって、宋祖英は男児を出産した。40歳の高齢出産だった。
2012年11月に習近平時代に入ると、「最大の標的」が江沢民元主席となった。
「現皇帝」と「元皇帝」の仁義なき権力闘争については、これまでこのコラムで何度も伝えてきたとおりだ。
習近平時代になって、それまで「公然の秘密」と言われた「江沢民と宋祖英の関係」について、インターネット上で様々に書かれるようになった。
中国では一般に、幹部の私生活に関するスキャンダルがネット上に出ようものなら、恐るべきネット警察が、たちどころに削除する。
そもそも当局による逮捕を恐れる国民は、どんな幹部のスキャンダルを知っていようが、ネット上に出せるはずもないのだ。
ところが、この「江沢民と宋祖英の関係」だけは、例外なのである。
「江沢民 宋祖英」で「百度」(バイドゥ)で検索してみたら、何と660万件(!)もヒットした。
これはネット警察が出動していないことを意味する。
いや、それどころか、逆に「出動するな」という命令がお上から出ているとしか思えないのだ。
その中のサイトの一つに、宋祖英の息子の近影と、江沢民元主席の写真を並べたものがあった。
私は思わず、アッと声を上げてしまった。
二人はウリ二つで、どう見ても親子ではないかと思えてくるのだ。
ともあれ、習近平vs江沢民の権力闘争の巻き添えを喰らって、宋祖英は「春晩」から姿を消したという説は、ますます有力になりつつあるのだ。
これも今年の春節の一コマである。
■国家主席のパフォーマンスと、海外で「爆買い」に走る国民
さて、2月16日に北京へ戻った習近平主席は、翌17日午前9時、「トップ7」(党中央政治局常務委員)を全員引き連れて、北京西郊の八宝山にある革命公墓に着いた。
2月10日に満99歳で死去した鄧力群・元党中央宣伝部長(元党中央書記処書記)の葬儀に参席したのである。
鄧力群は、中国共産党の保守派の大物政治家である。
革命第一世代の毛沢東主席が1976年に死去した後、毛沢東式社会主義理論の継承者として台頭した。
1980年代に改革開放路線を押し進めた胡耀邦・趙紫陽の両総書記にとっては、最大の政敵だった。
鄧力群はことあるごとに、「改革開放は社会主義の修正だ」と声高に非難したからだ。
最高実力者の鄧小平は、胡耀邦や趙紫陽の改革派と、鄧力群や烑依林元副首相らの保守派を、うまくバランスを取りながら使ったのである。
鄧力群の盟友だった保守派の重鎮・烑依林の娘婿が、現在、汚職幹部摘発の陣頭指揮を執っている習近平主席の盟友、王岐山常務委員(共産党序列6位)である。
そして習近平主席が「トップ7」を全員引き連れて葬儀に参席したことは、ゴリゴリの左派としてならした鄧力群の「功績」を、現政権として評価していることを意味する。
習近平主席は、自分は毛沢東-鄧力群の後継者だという意識が強い
のである。
実際、中国国営新華社通信は、習近平主席が鄧力群の親族の女性とがっちり握手を交わし、何かを語りかける写真を配信した。
ちなみに新華社通信は、この鄧力群の哀悼記事で、江沢民元主席の名前を8番目に持ってきた。
胡錦濤時代までは、江沢民の名前は胡錦濤主席に次ぐ2番目が「定位置」だったため、こんなところにも習近平政権の「江沢民外し」が見て取れる。
葬儀を終えた習近平主席は、車を飛ばして市の中心に戻り、午前10時に、「2015年春節団拝会」の会場である人民大会堂の宴会庁に入った。
待ち受けていた2000人を超す党と国家の幹部たちは、一斉に拍手を送って「主役」を迎えた。
習近平主席は、中央の壇上に立つと、用意した約1400字からなる祝辞を読んだ。
「いまこの日この時、われわれは偉大なる祖国を誇る。偉大なる人民を誇る。
われわれは勤労勇敢な中国の人民に向かって『お疲れ様』と声をかける。
彼らの非凡な創造の精神に、非凡な業績に対して、崇高なる敬意を表するのだ!
われわれはいままさに、中国の特色ある社会主義事業を遂行中であり、これは前代未聞の創造的な事業だ。
前進する道のりは決して順風満帆ではないが、多くの新たな歴史的で偉大なる闘争を進める準備をしなければならない。
眼前の一切の困難と挑戦に打ち勝ち、中国の特色ある社会主義の道を、中華民族の創造力溢れる燦爛たる道とし、中華民族の偉大なる復興という道とするのだ」
この習近平主席の重要訓話を、2000人以上の幹部たちが、まるで叱られた子供のように恐縮した表情で聞いていた。
春節のお祝いの会だというのに、会場には花一つ、提灯一つ飾っていない。
円卓には、各々に茶が一杯置かれただけで、料理も出ない。
習近平時代を象徴するかのような、簡素で厳粛な「春節パーティ」だった。
このように、中国の最高指導者は、かつての「穴蔵生活の地」を訪問し、一杯の茶だけの春節を過ごす。
そして全国民に向かって、中国共産党の偉大さを説く。
一方、国家主席から「偉大なる人民」と持ち上げられた国民は、我先にと国外へ飛び出していき、「爆買い」に走る。
なかなか考えさせられるところの多い2015年の春節だった。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月23日 14時28分
http://www.recordchina.co.jp/a102993.html
日本で爆買いする中国人旅行客:
「抗日ドラマは無駄だった」
「日本製品不買を唱えつつも爆買いか」―中国ネット
2015年2月22日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で、旧正月期間中に日本旅行をした中国人の平均支出額について伝える投稿があった。
投稿者は、
「昨年の1人当たりの支出が約25万円であったことからすると、少なくとも1125億円は支出したと言える。
そのため日本のニュースでは『爆買い』という言葉も誕生した。
帰国のピーク時には、飛行場に荷物の山ができる」
と伝えた。
これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
「安くて質が良くてサービスもいい。
それで買い物をしなかったら何をするというのだ?」
「やっぱり主な理由は安くて質が高いからだと思う。
中国の高くても質が良いとは限らないという状況と比べると、日本では買い物したくなってしまうのだ」
「中国のものが安くて使い勝手が良ければ、誰も好き好んで大量の荷物を持ち帰ったりはしないよ」
「同じものでも日本で安くて質が高い。
それでいて中国で買うやつがいたら頭がおかしいだろ」
「海外に行って25万の支出なら多い方ではないよ。
日本には買いたいものがたくさんあるのだから、買わない方がバカだ」
「抗日ドラマは無駄だったようだな」
「庶民は政治と関係ないからな。
国際的な動向にも左右されないよ」
「まあ中国人はどこに行っても爆買いだけどな」
「中国人はバカだけど金だけはいっぱい持っている」
「金持ちはいいなあ。
俺も爆買いしてみたい」
「日本製品不買を唱えつつ、爆買いをするのか」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月25日(水) 19時10分
http://www.recordchina.co.jp/a103116.html
中国人観光客が日本で“爆買い”、
10日間で「1,125億円!」
=「国産品なんか誰も信用してない」
「このままだと日本人も…」―中国ネット
2015年2月24日、
「日本へ買い物に訪れる中国人観光客は、春節連休の10日間で約1125億円の経済効果を日本にもたらす」
との日本メディアの報道が、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上に掲載された。
報道によると、
この春節連休の訪日中国人観光客の数は約45万人
と予想されており、1人当たりの支出が観光庁調べで約25万円であることから、日本で使われる
「春節マネー」の総額は「約1,125億円」
が見込まれるという。
この報道に対する中国のネットユーザーの反応は以下の通り。
「日本製品ボイコットなんて、結局は絵空事なんだよな」
「ただ爆買いするだけじゃなくて、隣国の良いところを学んで帰ってきてくれよ」
「ボイコットを叫ぶやつらは、海外旅行に行けない貧乏人たちだ」
「日本製品と同じレベルの物が中国で作れたら、日本で爆買なんかしないさ」
「香港に行くより日本に行く方がずっといい!
少なくとも日本人は中国人消費者を尊重してくれるし」
「だって日本製品はいいんだもん」
「国産品なんか誰も信用していない。
金があれば日本製品を買うよ」
「日本のサービスは世界最高」
「韓国に行くよりよっぽどいいさ」
「日本が大嫌いだったけど、今は違う。
やっぱり日本製品が一番だってことが分かったから」
「このままだと日本人も香港人みたいに中国人を嫌ってしまうかも。
それが怖い」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年3月31日(火) 5時27分
http://www.recordchina.co.jp/a105238.html
韓国ではなく、日本で大金を使う中国人観光客
=韓国ネット「このままでは韓国の観光業は滅びる」
「韓国はいつも日本のせいにばかりしているが…」
2015年3月29日、韓国・KBSニュースによると、中国最大の祝日・春節(旧正月)の期間、日本と韓国は大盛況だった。
支出の多い中国人観光客を大挙誘致したからである。
しかし、最近の中国の報道を見ると、最終的な勝者は日本のようだ。
★.春節期間のわずか1週間の間で、中国人観光客が日本でショッピングに使ったお金は60億元(約1140億円)にも上る。
金額もすごいが、さらに驚くべきことに、お金に換えられない観光客らの心を日本が捉えているのである。
日中関係が悪化する一方で、中韓関係はこれ以上ないほど良い関係となっている。
それにもかかわらず、
★.日本が中国人観光客の心を捉えた
という点を韓国はよく考えるべきだろう。
この報道に、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。
「日本が良ければ、日本に行けば良い」
「韓国は配慮がない文化だから、(サービス面でも)皆で考えないといけない」
「韓国と日本に対する中国の好感度の差がものすごくあるのに、それでも日本に買い物客を奪われるというのは、韓国が間違っているということだ。
韓国のサービスのレベルが問題だ」
「韓国の観光業は滅びるかもしれない。
理由1・ぼったくる。
理由2・ツアープログラムばかりで、変化がない。
理由3・商品の原産地偽装。
理由4・不親切。
理由5・仁川空港の違法タクシー」
「韓国は店員が礼儀をわきまえないだけでなく、客も礼儀をわきまえていない」
「韓国に観光する場所なんてあるのか?
日本の方がはるかにいい」
「日本は個人主義、韓国は利己主義」
「日本に数回旅行したけど、韓国には地域の特色を生かした催し物や宿泊施設、交通機関のサービス、市民意識、接客態度などの改善が必要だと感じた」
「円安だから日本への旅行客が多いだけじゃないか?」
「韓国はいつも日本のせいにばかりしているが、日本から学ぶべきものは学ばなければならない」
』
現代ビジネス 2015年02月23日(月) 近藤 大介
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42194
国家主席が誇る「偉大なる人民」が、
銀座で"爆買い"に走った2015年の春節
■「洋風の街」を襲う東洋発の「衝撃」

前日の小雪やみぞれは消え去り、ぽっかりと晴れ渡った澄み切った空だった。
だが銀座通りは、いつになく騒々しかった。
普段は紳士淑女がおめかしして銀ブラする中央通りも並木通りも、ジャージにジャンパー姿だったり、髪の毛ボサボサだったりする声高な人々に占拠されていた。
一面の観光バスと「漢語」。まるで北京の王府井か上海の南京路が、東京で再現されたかのようだった。
"ギンザ・チャイナタウン"の出現と言ってもよい。
おそらく銀座150年の歴史で初めての光景ではなかろうか。
周知のように現在の銀座は、明治維新後に、文明開化の象徴としてガス灯やレンガ造りの建物が整備された。
いわば日本初の「洋風の街」である。
私が記憶している最初の銀座は、1971年に三越銀座店の1階にオープンしたマクドナルドだった。
祖母に手を引かれて歌舞伎座で歌舞伎を観た後に、初めてこの「アメリカの館」の前を通って仰天した。
店内も周辺も大混雑で、何より驚いたのは、歩きながらハンバーガーを頬張っているジーンズに長髪姿の若者たちだった。
祖母はそんな彼らを、「犬でもあるまいし」と言って、侮蔑するように眺めていたものだ。
1996年に、松屋デパートの裏手にスターバックス日本1号店がオープンした時も、ひとしきり話題になった。
この店もいつも混雑していたが、私は足繁く通った。
それは当時、ほとんど都内唯一の店内全面禁煙の喫茶店だったからである。
タバコの煙が何よりも嫌いだった私は、ただ「煙にまみれていないコーヒー」を飲むだけのために、地下鉄有楽町線に30分近くも揺られてスタバに通い詰めたものだ。
いまにして思えば、銀座の街が過去150年近くにわたって受け容れてきた大小様々な「衝撃」は、そのほとんどが欧米の新たな文化の流入だった。
欧米のブランドショップから著名なフレンチレストランまで、こぞって銀座に出店した。
そのたびに銀座の街並みは、たちまちそれらを景観の中に受容してしまった。
そもそもの街の成り立ちからして欧米文化の流入だったのだから、たとえマックが来ようがスタバが来ようが、すべては「許容範囲内」だったのだ。
だが今回の「衝撃」は、東洋の新興国から来たものであることが、過去と異なっている。
しかも、昨年末に内閣府が発表した「外交に関する世論調査」によれば、日本人の83.1%が「中国に親しみを感じない」と答えている。
そのような中国から来た人々を、「日本一プライドが高い街」が許容するのかどうかが、私の関心事だった。
銀座における中国人観光客のメッカは、2013年11月に7丁目に建ったラオックスである。
店内を訪れる客はほぼ全員が外国人で、その大半が中国人で占められている。
そもそもラオックスは2009年8月に、中国の大手家電量販店の蘇寧雲商が買収しているから、
ラオックス自体がすでに中国企業
なのである。
実際、ラオックスを訪れると、店は「爆買いバブル」に沸いていた。
中国人観光客を乗せたバスがひっきりなしにラオックスの前に着き、旅館の女中のような浴衣姿の女性たちが「歓迎光臨!」(いらっしゃいませ)と中国語で出迎える。

ステンレスボトル(水筒)、南部鉄瓶、スーツケース・・・。
1階から3階まで所狭しと並べられた商品はすべて、中国人向けである。
店内の男性用トイレにも、「一歩前へ出て用を足しましょう」とか「喫煙してセンターが感知したら罰金1万円を申し受けます」と言った中国語の注意書きが貼られていた。
日本のマスコミは、「爆買い」というキャッチコピーで、中国人観光客ラッシュを報じていた。
実際、銀座通りのあちこちの店の前に張りついたテレビ局のスタッフたちは、「××で爆買い中国人発見」などと携帯電話で連絡を取り合いながら、東に西に駆けずり回っていた。
しかし、今回、私が銀座を歩いて感じたのは、日本経済の活性化を外需に頼ることの危うさである。
いまは中国で「日本旅行ブーム」が起こっているから大量の観光客が来て「爆買い」してくれるが、習近平主席が一言、「日本へは行くな」と国民に指令を出したらどうなるか。
ラオックス以下、中国人観光客に頼っていた業界は、一貫の終わりである。
中国は、日本とは政治システムの異なる社会主義国家であることを忘れてはならない。
いまの微妙な日中関係を鑑みると、近未来にそのような事態が起こらないとは、誰にも保証できない。
銀座も他の日本の観光地も同様だが、中国人観光客には感謝しつつも、彼らだけに頼るのではない地域の活性化策を考えるべきだろう。
■習近平主席に対する偶像崇拝化が始まりつつある
さて、ここからは、春節期間中に50万人もの観光客を日本に送り出した中国国内のレポートである。
中国の指導者にとって、春節ほど、国民に向けてパフォーマンスできる機会はない。
皆が故郷へ帰ったり旅行に出かけたりしている時に、変わらず国民のために仕事している姿を見せれば、国民が「何と偉い主席だろう」と感じ入って、政権の支持率はグンとアップするからだ(中国にはメディアによる政権の支持率調査はないが)。
習近平主席は2月13日早朝、政府専用機で陝西省延安に飛んだ。
3泊4日の陝西省視察である。
延安の鄙びた空港に降り立つと、趙正永陝西省党委書記、類勤倹省長らが丁重に出迎えた。
そこから車に乗って、延川県文安驿鎮梁家河村に直行したのだった。
国家主席の到着を長時間待ちわびていた梁家河村の村民たちは、車列が村に入るや、諸手を挙げて歓迎した。
中には習近平主席に寄って行って抱きついてくる輩もいた。
普段は無表情な習近平主席も、すっかり顔が綻んでいる。
それもそのはず、この視察は、習近平主席の「凱旋帰郷」だったのである。
100人くらいの村民たちを前に、古ぼけたマイクを手に取った習近平主席は、語気を強めてこう述べた。
「私にとって陝西は根であり、延安は魂だ。
1969年1月、まだ満16歳にもなっていなかった私は、北京からここへやって来た。
以来、この地で7年にわたる労働生活を送ったのだ。
ここにいる皆と共に、7年だ!」
習近平主席の野太い声に、ワーッと歓声が上がった。
私がこの「様子」を見たのは、2月16日夜7時から7時半までの中国中央電視台のメインニュース番組『新聞聯播』だった。
北京っ子たちが噂する都市伝説の一つに、
「習近平の穴蔵伝説」
と言われるものがある。
それは、習近平主席は文化大革命で「下放」(正確には父・習仲勲副首相が「下放」された影響を受けての田舎での労働)された際、陝西省の穴蔵で7年間、暮らしていたというものだ。
今回、習近平主席が暮らしていた家も映し出されたことで、「伝説」の真偽が判明した。
それは家というより小屋と呼ぶべき建造物だった。
おそらく習近平主席が来臨するということで、大幅改装したのだろうが、それにしても侘しい小屋である。
半世紀近く前の様子を慮れば、「穴蔵に暮らしていた」というのも、さもありなんと思えてきた。
まさに寒風が身に沁みる砂漠の荒地の極貧地域である。
この「習近平凱旋」のニュースを見ていて驚いたことが、他にもあった。
何と30分の番組中、この一つのニュースを、延々と18分43秒も流したのである。
私は『新聞聯播』を見始めて、かれこれ25年になるが、これほど長時間にわたって「トップニュース」が続いたのは、初めてのことだった。
日本でいえば、安倍晋三首相が正月に山口に帰郷したニュースを、NHKの夜7時のニュースで、18分以上放映するようなものだ。
いや、北京生まれ北京育ちの習近平主席にとって、梁家河村は故郷ですらない。
毛沢東元主席が唱えた文化大革命のあおりを受けて飛ばされた僻地に過ぎないのだ。
この異例のニュース映像をどう解釈したらよいのだろうか。
それはとりもなおさず、中国で習近平主席に対する、毛沢東元主席並みの偶像崇拝化が始まりつつあると見るべきではなかろうか。
■習近平vs江沢民の権力闘争が「春晩」にも
ところで、春節の中国中央テレビといえば、「春晩」と呼ばれる中国版紅白歌合戦である。
日本の紅白が、視聴率が50%を割って久しいのに較べて、中国では大晦日の夜には、いまだに多くの家庭で「春晩」が見れれている。
習近平夫人の彭麗媛は、1984年の第2回から2011年の第29回まで連続28年出場し、女性歌手では最多記録を誇っている。
2012年以降、彼女が出場を自粛しているのは、夫が共産党トップに就任したからと言われている。

●013年の「春晩」に出場した宋祖英 〔PHOTO〕gettyimages
彼女は1990年以来、2013年まで連続24年出場し、彭麗媛と並んで「春晩の顔」と言われていた。
ところが昨年の「春晩」には、なぜか姿を現さなかった。
昨年の春節の時には、なぜ宋祖英がブラウン管から忽然と消えたのかが、中国国内でひとしきり話題になったものだ。
有力な説は、二つあった。
一つは、彼女が体調を崩したというものだ。
四半世紀もトップ歌手として君臨していれば、深刻な病気の一つにも罹るだろうというわけだ。
そしてもう一つは、習近平夫妻の「鶴の一声」によって抹殺されたというものだった。
もし前者が真説ならば、今年の「春晩」には出場するはずだろう。
ところが、2月18日に放映された「春晩」にも、宋祖英は登場しなかったのである。
そこで俄に、やはり後者が真説なのではという噂が広がったのだ。
この説には、もっともな理由もついた。
中国人に「宋祖英の彼氏は誰か?」と聞いてみると、おそらく多くの人が、「江沢民元主席」と答えるに違いない。
それほど二人の「ホットな仲」は有名である。
私が中国のテレビ業界の人から聞いた話は、以下のようなものだ。
1989年の天安門事件によって、上海市党委書記から3段飛びで中国共産党総書記に就任した江沢民は、ある時、人民大会堂で宋祖英の舞台を見て、彼女に一目惚れした。
そこで舞台が撥ねて出演者たちと握手した際、密かに自分の電話番号をメモした紙を宋祖英に渡した。
国の最高権力者から「電話が欲しい」と言われた宋祖英は、これを千載一遇のチャンスと捉えた。そ
こで渡された番号に電話をかけ、江沢民主席と「密会」するようになった。
以後、江沢民主席のバックアップを得た宋祖英は、国民的歌手にのし上がっていった---。
たしかに1990年代の宋祖英は日の出の勢いだった。
習近平という冴えない福建省勤務の政治家に嫁いでしまった彭麗媛は、自分より4歳若いライバルを、恨めしく見ていたに違いない。
そして宋祖英の栄光は、2000年代に入っても一向に衰えなかった。
実は宋祖英は1992年に、羅浩という無名の湖南省時代に知り合った男性と結婚していたが、それは永らく伏せられていた。
2005年になって、宋祖英は男児を出産した。40歳の高齢出産だった。
2012年11月に習近平時代に入ると、「最大の標的」が江沢民元主席となった。
「現皇帝」と「元皇帝」の仁義なき権力闘争については、これまでこのコラムで何度も伝えてきたとおりだ。
習近平時代になって、それまで「公然の秘密」と言われた「江沢民と宋祖英の関係」について、インターネット上で様々に書かれるようになった。
中国では一般に、幹部の私生活に関するスキャンダルがネット上に出ようものなら、恐るべきネット警察が、たちどころに削除する。
そもそも当局による逮捕を恐れる国民は、どんな幹部のスキャンダルを知っていようが、ネット上に出せるはずもないのだ。
ところが、この「江沢民と宋祖英の関係」だけは、例外なのである。
「江沢民 宋祖英」で「百度」(バイドゥ)で検索してみたら、何と660万件(!)もヒットした。
これはネット警察が出動していないことを意味する。
いや、それどころか、逆に「出動するな」という命令がお上から出ているとしか思えないのだ。
その中のサイトの一つに、宋祖英の息子の近影と、江沢民元主席の写真を並べたものがあった。
私は思わず、アッと声を上げてしまった。
二人はウリ二つで、どう見ても親子ではないかと思えてくるのだ。
ともあれ、習近平vs江沢民の権力闘争の巻き添えを喰らって、宋祖英は「春晩」から姿を消したという説は、ますます有力になりつつあるのだ。
これも今年の春節の一コマである。
■国家主席のパフォーマンスと、海外で「爆買い」に走る国民
さて、2月16日に北京へ戻った習近平主席は、翌17日午前9時、「トップ7」(党中央政治局常務委員)を全員引き連れて、北京西郊の八宝山にある革命公墓に着いた。
2月10日に満99歳で死去した鄧力群・元党中央宣伝部長(元党中央書記処書記)の葬儀に参席したのである。
鄧力群は、中国共産党の保守派の大物政治家である。
革命第一世代の毛沢東主席が1976年に死去した後、毛沢東式社会主義理論の継承者として台頭した。
1980年代に改革開放路線を押し進めた胡耀邦・趙紫陽の両総書記にとっては、最大の政敵だった。
鄧力群はことあるごとに、「改革開放は社会主義の修正だ」と声高に非難したからだ。
最高実力者の鄧小平は、胡耀邦や趙紫陽の改革派と、鄧力群や烑依林元副首相らの保守派を、うまくバランスを取りながら使ったのである。
鄧力群の盟友だった保守派の重鎮・烑依林の娘婿が、現在、汚職幹部摘発の陣頭指揮を執っている習近平主席の盟友、王岐山常務委員(共産党序列6位)である。
そして習近平主席が「トップ7」を全員引き連れて葬儀に参席したことは、ゴリゴリの左派としてならした鄧力群の「功績」を、現政権として評価していることを意味する。
習近平主席は、自分は毛沢東-鄧力群の後継者だという意識が強い
のである。
実際、中国国営新華社通信は、習近平主席が鄧力群の親族の女性とがっちり握手を交わし、何かを語りかける写真を配信した。
ちなみに新華社通信は、この鄧力群の哀悼記事で、江沢民元主席の名前を8番目に持ってきた。
胡錦濤時代までは、江沢民の名前は胡錦濤主席に次ぐ2番目が「定位置」だったため、こんなところにも習近平政権の「江沢民外し」が見て取れる。
葬儀を終えた習近平主席は、車を飛ばして市の中心に戻り、午前10時に、「2015年春節団拝会」の会場である人民大会堂の宴会庁に入った。
待ち受けていた2000人を超す党と国家の幹部たちは、一斉に拍手を送って「主役」を迎えた。
習近平主席は、中央の壇上に立つと、用意した約1400字からなる祝辞を読んだ。
「いまこの日この時、われわれは偉大なる祖国を誇る。偉大なる人民を誇る。
われわれは勤労勇敢な中国の人民に向かって『お疲れ様』と声をかける。
彼らの非凡な創造の精神に、非凡な業績に対して、崇高なる敬意を表するのだ!
われわれはいままさに、中国の特色ある社会主義事業を遂行中であり、これは前代未聞の創造的な事業だ。
前進する道のりは決して順風満帆ではないが、多くの新たな歴史的で偉大なる闘争を進める準備をしなければならない。
眼前の一切の困難と挑戦に打ち勝ち、中国の特色ある社会主義の道を、中華民族の創造力溢れる燦爛たる道とし、中華民族の偉大なる復興という道とするのだ」
この習近平主席の重要訓話を、2000人以上の幹部たちが、まるで叱られた子供のように恐縮した表情で聞いていた。
春節のお祝いの会だというのに、会場には花一つ、提灯一つ飾っていない。
円卓には、各々に茶が一杯置かれただけで、料理も出ない。
習近平時代を象徴するかのような、簡素で厳粛な「春節パーティ」だった。
このように、中国の最高指導者は、かつての「穴蔵生活の地」を訪問し、一杯の茶だけの春節を過ごす。
そして全国民に向かって、中国共産党の偉大さを説く。
一方、国家主席から「偉大なる人民」と持ち上げられた国民は、我先にと国外へ飛び出していき、「爆買い」に走る。
なかなか考えさせられるところの多い2015年の春節だった。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月23日 14時28分
http://www.recordchina.co.jp/a102993.html
日本で爆買いする中国人旅行客:
「抗日ドラマは無駄だった」
「日本製品不買を唱えつつも爆買いか」―中国ネット
2015年2月22日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で、旧正月期間中に日本旅行をした中国人の平均支出額について伝える投稿があった。
投稿者は、
「昨年の1人当たりの支出が約25万円であったことからすると、少なくとも1125億円は支出したと言える。
そのため日本のニュースでは『爆買い』という言葉も誕生した。
帰国のピーク時には、飛行場に荷物の山ができる」
と伝えた。
これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
「安くて質が良くてサービスもいい。
それで買い物をしなかったら何をするというのだ?」
「やっぱり主な理由は安くて質が高いからだと思う。
中国の高くても質が良いとは限らないという状況と比べると、日本では買い物したくなってしまうのだ」
「中国のものが安くて使い勝手が良ければ、誰も好き好んで大量の荷物を持ち帰ったりはしないよ」
「同じものでも日本で安くて質が高い。
それでいて中国で買うやつがいたら頭がおかしいだろ」
「海外に行って25万の支出なら多い方ではないよ。
日本には買いたいものがたくさんあるのだから、買わない方がバカだ」
「抗日ドラマは無駄だったようだな」
「庶民は政治と関係ないからな。
国際的な動向にも左右されないよ」
「まあ中国人はどこに行っても爆買いだけどな」
「中国人はバカだけど金だけはいっぱい持っている」
「金持ちはいいなあ。
俺も爆買いしてみたい」
「日本製品不買を唱えつつ、爆買いをするのか」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年2月25日(水) 19時10分
http://www.recordchina.co.jp/a103116.html
中国人観光客が日本で“爆買い”、
10日間で「1,125億円!」
=「国産品なんか誰も信用してない」
「このままだと日本人も…」―中国ネット
2015年2月24日、
「日本へ買い物に訪れる中国人観光客は、春節連休の10日間で約1125億円の経済効果を日本にもたらす」
との日本メディアの報道が、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上に掲載された。
報道によると、
この春節連休の訪日中国人観光客の数は約45万人
と予想されており、1人当たりの支出が観光庁調べで約25万円であることから、日本で使われる
「春節マネー」の総額は「約1,125億円」
が見込まれるという。
この報道に対する中国のネットユーザーの反応は以下の通り。
「日本製品ボイコットなんて、結局は絵空事なんだよな」
「ただ爆買いするだけじゃなくて、隣国の良いところを学んで帰ってきてくれよ」
「ボイコットを叫ぶやつらは、海外旅行に行けない貧乏人たちだ」
「日本製品と同じレベルの物が中国で作れたら、日本で爆買なんかしないさ」
「香港に行くより日本に行く方がずっといい!
少なくとも日本人は中国人消費者を尊重してくれるし」
「だって日本製品はいいんだもん」
「国産品なんか誰も信用していない。
金があれば日本製品を買うよ」
「日本のサービスは世界最高」
「韓国に行くよりよっぽどいいさ」
「日本が大嫌いだったけど、今は違う。
やっぱり日本製品が一番だってことが分かったから」
「このままだと日本人も香港人みたいに中国人を嫌ってしまうかも。
それが怖い」
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年3月31日(火) 5時27分
http://www.recordchina.co.jp/a105238.html
韓国ではなく、日本で大金を使う中国人観光客
=韓国ネット「このままでは韓国の観光業は滅びる」
「韓国はいつも日本のせいにばかりしているが…」
2015年3月29日、韓国・KBSニュースによると、中国最大の祝日・春節(旧正月)の期間、日本と韓国は大盛況だった。
支出の多い中国人観光客を大挙誘致したからである。
しかし、最近の中国の報道を見ると、最終的な勝者は日本のようだ。
★.春節期間のわずか1週間の間で、中国人観光客が日本でショッピングに使ったお金は60億元(約1140億円)にも上る。
金額もすごいが、さらに驚くべきことに、お金に換えられない観光客らの心を日本が捉えているのである。
日中関係が悪化する一方で、中韓関係はこれ以上ないほど良い関係となっている。
それにもかかわらず、
★.日本が中国人観光客の心を捉えた
という点を韓国はよく考えるべきだろう。
この報道に、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。
「日本が良ければ、日本に行けば良い」
「韓国は配慮がない文化だから、(サービス面でも)皆で考えないといけない」
「韓国と日本に対する中国の好感度の差がものすごくあるのに、それでも日本に買い物客を奪われるというのは、韓国が間違っているということだ。
韓国のサービスのレベルが問題だ」
「韓国の観光業は滅びるかもしれない。
理由1・ぼったくる。
理由2・ツアープログラムばかりで、変化がない。
理由3・商品の原産地偽装。
理由4・不親切。
理由5・仁川空港の違法タクシー」
「韓国は店員が礼儀をわきまえないだけでなく、客も礼儀をわきまえていない」
「韓国に観光する場所なんてあるのか?
日本の方がはるかにいい」
「日本は個人主義、韓国は利己主義」
「日本に数回旅行したけど、韓国には地域の特色を生かした催し物や宿泊施設、交通機関のサービス、市民意識、接客態度などの改善が必要だと感じた」
「円安だから日本への旅行客が多いだけじゃないか?」
「韓国はいつも日本のせいにばかりしているが、日本から学ぶべきものは学ばなければならない」
』
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