2015年2月16日月曜日

「2015年中国バブル崩壊説」は当たるのか?(7):各種経済統計が示す「新常態」とは、「一昇一穏一降」かそれとも「三降」か?

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現代ビジネス 2015年02月16日(月) 近藤 大介
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42108

中国の社会主義市場経済はもはや限界!? 
海外旅行者が激増する春節の「異変」と、
各種経済統計が示す「新常態」

■2014年の中国人海外旅行者が初めて1億人を突破

 世界最大の民族大移動、中国の春節(旧正月)連休が始まった。今年の春節は遅く、2月19日である。
 中国人は過去4000年にわたって、まるで強迫観念に取り憑かれたように、春節の日に一族郎党で集まって食事をするという習慣を守ってきた。
 普段は都会に出稼ぎに出ていようが、外国に留学していようが、春節には必ず生まれ故郷に戻ってくる。
 ところがここ数年、「異変」が起きている。
 春節=ただの大型連休と捉え、海外旅行に出てしまう中国人が激増しているのだ。

 一般の中国人にパスポートが発給されるようになったのは、「1997年」のことである。
 それより前に私が北京大学に留学していたころは、中国人学生たちの憧れの的であるアメリカ留学が決まると、初めてパスポートを申請することができた。
 留学する学生にパスポートが支給されると、寮の学生たちが集まってきて、茶色い背表紙のパスポートを物珍しげに手に取って眺めていたものだ。

 私は留学を終えて帰国する時、北京大学の中国人学生たちが開いてくれた送別会の挨拶で、不用意な発言をしてしまった。
 「お世話になった皆さんには近くぜひ、日本に遊びに来てもらいたい」
 と述べたのだ。
 他意はなかったのだが、円卓は静まりかえってしまった。

 私はその雰囲気を見て、ハッと気づいた。
 彼らは遊びに行こうにも、パスポートが取れない。
 もし取れたとしても、日本国は中国人に対して容易に観光ビザを発給しないから、日本旅行は不可能だったのだ。
 日本が中国人向けに個人旅行を解禁したのは、遥かに後年の「2009年のことである。

 こうした追憶も、いまやすっかり「昔話」となった。

●昨年12月3日、中国国家観光局の張吉林スポークスマンが記者会見を開いて、次のように述べた。
 「先月、ついに今年の海外旅行者が、初めて1億人を突破しました。
 中国人の生活水準の向上によって、中国人と世界各国の人々との交流は、新たな1ページを刻んだのです。
 『請進来』(いらっしゃいませ)から『走出去』(いってらっしゃい)への転換です。

 海外旅行の統計を取り始めた1998年は、843万人でした。
 それが今年、10.8倍を超えて1億人に達したのです。
 内訳は、
★.アジア地域が89.5%で、うち香港・マカオ・台湾が70.4%、
★.ヨーロッパ地域が3.5%、
★.アフリカ地域が3.0%、
★.アメリカ地域が2.7%、
★.太平洋諸島諸国が1.1%、
★.その他の地域が0.2%
です。

 わが国の観光客が100万人以上訪問した国は、
 韓国、
 タイ、
 日本、
 アメリカ、
 ベトナム、
 シンガポール
の計6ヵ国です。
 今年に入って特に激増しているのが、韓国と日本への観光旅行です」

●続いて、2月9日に北京で開かれた全国旅行市場工作会議で、国家観光局の杜江副局長は、次のように述べた。
2014年の外国人の中国への観光客数は、前年比0.27%増の2636万人。
 それに対して
 中国人の海外(香港・マカオ・台湾を含む)への旅行客数は、
 前年比19.49%増の1億700万人で、
初めて1億人を突破した」

■訪日中国人が増えた3つの理由と旅行の3つの傾向

 2月12日には中国国営新華社通信が、「文明的な海外旅行で祖国のために代弁する」と題した長文の記事を発表した。
 その前半では、ケリー米国務長官が昨年11月12日に、北京のアメリカ大使館で10人の中国人に対して、自ら「10年ビザを押したパスポート」を手渡し、「アメリカは中国人観光客を歓迎する」と述べたことや、韓国やインドで「中国観光年」が始まったことなどを紹介し、世界中で中国人観光客が歓迎されていることを紹介している。
 だが後半になると、よく読めば海外へ行く中国人観光客への「注意書き」である。
 5万3090人に調査した結果として、次の11の悪例が記されている。

○:現地の風俗を尊重しない
○:勝手にゴミを捨てる
○:大声で会話する
○:勝手に痰を吐く
○:観光地で落書きする
○:行列に横入りしする
○:公共の場所で喫煙する
○:公衆の面前で怒り出す
○:写真撮影で長時間、観光地を占拠する
○:バイキングで食べ残す
○:飛行機が着陸するや頭上の荷物を取ったり携帯電話を使ったりする

 実際、今年の春節を挟んだ前後2週間ほどは、空前の海外旅行ラッシュとなっている。
 今年の5大人気スポットは、
 日本、韓国、台湾、タイ、バリ島
だそうである。

 日本が5大人気観光地の一角に入ったのは、主に3つの理由がある。
★.第一に、円安元高だ。
 昨年来、日本旅行は3割くらい安くなった感じがする。
 現在の日本旅行の目安は、1日あたり1,000元(1元≒19.1円)で、4泊5日なら5,000元(約10万円)だ。
 だが春節の季節は値上がりが激しく、通常時の1.5倍くらいにハネ上がっているツアーもある。

★.訪日中国人が増えた二つ目の理由は、日本政府が1月19日に、ビザの条件を緩和したことである。
 観光ビザの規定というのは、4つの官庁の合議で決める。
 外務省、法務省、警察庁、国土交通省(観光庁)である。
 このうち国土交通省が開放派で、法務省と警察庁が保守的、外務省がその中間だそうだ。
 だが今回は、安倍官邸の強い意向を受けて、大幅緩和となった。

 具体的に個人の観光ビザに関しては、高額所得者及びその家族は初回でも5年間の数次ビザを発給し、中間層でも過去3年以内に日本への渡航歴があれば、家族も含めて数次ビザを発給するとした。
 多くの中国人は、一度日本へ来ると、「親日」になって帰国する。
 そうした層をもう一度、日本に取り込もうというのである。
 もちろん団体旅行であれば、もっと簡単にビザを発給する。

★.三番目の理由は、昨年11月の北京APECで、安倍晋三首相と習近平主席が握手したことである
 習近平主席の仏頂面握手は物議を醸したが、それでも敵同士のようだった両国が、表面的にでも和解してみせたことで、中国人からすれば日本旅行に行きやすくなったのである。

 ちなみに観光庁の発表によれば、昨年、日本を訪れた中国人観光客は240万9200人で、前年比83.3%増! 
 今年は300万人を突破し、台湾と韓国を抜いてトップに立つのが確実と見られている。
 一人あたりの平均消費額も23万円とダントツで、計5,600億円も日本に落としてくれた
 これは全体の2兆305億円の約27%にあたる。

 最近の中国人の日本旅行には、3つの傾向が見られるという。
★.第一に団体旅行から個人旅行へ、
★.第二に東京など定番の場所からマイナーなスポットへ、
★.第三に単純な観光とショッピングから独自の目的を持った旅行へ、
である。
 要は日本旅行の形が深化してきたということだ。
いずれも過去に、台湾人や韓国人などが辿った道である。

 また、中国新聞網の記事によれば、一昔前の日本みやげの「三種の神器」は、デジタルカメラ、炊飯器、腕時計だった。
 だがいまは、ステンレスボトル、化粧品、バッグに変わったという。

 ステンレスボトルとは、水筒のことだ。
 実際に私も売り場へ行ってみて驚いたが、大量に並んだ商品は、すべて中国人の観光客向けに並べたものだった。
 保温専用のもの、保冷専用のもの、中にコップのついたもの、口が広いものに狭いもの、片手で開けられるもの・・・。
 これらが大きさ別、色別に多種多様に並んでいる。
 加えてボトルを入れるポーチや、中を洗う洗剤など、付属用品までズラリ取り揃えてあるのだ。

 そして中国人観光客たちは、一人で10個、15個と買っていく。
 まさに「爆買い」である。

■輸出と消費が落ち込み大打撃を受ける中国経済

 だが、春節のいまの季節、銀座の街が、まるで北京の王府井か上海の南京路のようになってしまったからといって、金満中国はバブル経済真っ盛りかと言えば、決してそんなことはない。
 むしろ、逆である。中国では春節前は、年に一度のボーナスが支給され、最大の「年末商戦」を展開中のはずなのに、今年に限っては消費が伸びていないのだ。

 春節直前の2月10日に中国国家統計局が発表した1月の経済統計は、惨憺たるものだった。
 まず、消費者物価指数(CPI)の上昇率は、0.8%と、過去5年で最低になった。
 昨年1月は、2.5%だったし、「何としても3%以内に抑える」というのが、つい数年前までの中国政府の国家目標だったのだ。それがいつのまにやら、
 インフレではなくデフレを懸念するご時世になってしまった。

 CPIの内訳を見ると、タバコや酒類が-0.4%、交通通信が-2.2%、旅行にいたっては-7.8%となっている。
 空前の海外旅行ブームと、-7.8%は矛盾するようだが、要は中国でも貧富の格差が広がっているのである。

 『フォーブス』中国版が毎年出している2014年版の「大衆富裕層白書」によれば、
★.2013年末時点での富裕層は1197万人で、
★.2014年末の予想値は、1401万人
だという。
 富裕層の定義は、
 10万ドル以上の投資可能な個人資産を持つ人
だとしている。
 彼ら富裕層に配偶者と子供が一人いたとして計算しても、 
 全体の人口に占める割合は、わずか「2.6%」過ぎない。
 要は分母が大きい分、分子も大きくなるだけのことなのだ。

 ちなみに、富裕層の職業は、
 金融業20.9%、
 貿易業18.1%、
 不動産業13.0%
がベスト3である。
 世代別では、30歳以下が19.3%、30代が34.3%、40代が26.6%、50代が13.7%、60代以上が6.1%である。
 つまり、40歳未満が過半数なのである。
 富裕層の過半数が60歳以上である日本とは、実に対照的だ。

 逆に、中国に低所得者層がどのくらいいるのかは、定かでない。
 そもそも低所得者の定義もはっきりしない。
 仮に、条例で定められた最低賃金かそれに近い所得しかない人ということで言えば、3億人から5億人はいるのではなかろうか。
 彼らは当然ながら、海外旅行を楽しむなどということは、頭の片隅にもないだろう。
 だがそれ以外の人たち、すなわち富裕層と中間層は、海外旅行に出られるようになったのである。

 1月経済統計をもう少し羅列すると、卸売物価指数(PPI)の上昇率も、-4.3%と、連続35ヵ月のマイナスを計上した。
 しかもだんだん深刻化してきた。
 1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)も49.8と、27ヵ月ぶりの低い指数となった。

 頼みの綱だった貿易も、1月は前年同期比で-10.8%と激減している。
 輸出は-3.2%で、これは中国最大の貿易相手であるEU向け輸出の落ち込みが大きい。
 EU自身の経済が悪化していることに加えて、この1月から
 EUが中国製品に対する最恵国待遇を撤廃したため、
関税がアップしてしまったのだ。
 また、中国の国内消費の動向に直結した輸入は-19.7%である。
 これは深刻だ。

 1月の貿易統計をもう少し貿易相手別に見てみよう。
 1位のEU(全体の15.5%)が-5.3%(輸出-4.4%、輸入-6.9%)、
 2位のアメリカ(14.4%)が+0.5%(+4.9%、-9.3%)、
 3位のASEAN(12.3%)が-0.6%(+15.6%、-21.4%)、
 4位の香港(7.1%)は-11.2%(-10.9%、-18.8%)、
 5位の日本(6.7%)は-17.3%(-20.4%、-13.6%)
である。
 つまり景気のいいアメリカ向け輸出と、今年年末に経済統合するASEAN向け輸出に頼っているというのが実態なのだ。
 おしなべて輸入が落ちているのは、
 重ねて言うが中国の内需が拡大していない証左
である

 思えば、中国でこれまで消費の牽引役を果たしてきたのは、「住宅と自動車だった。
 住宅と自動車を買えば、付随して多くの業界の売り上げ貢献につながるからだ。

★.まず住宅から見る、1月の全国100都市の平均住宅価格は、1平方メートルあたり1万564元で、8ヵ月連続で下落した後、ようやく0.21%の微増となった。
 これは中央政府の号令一下、各都市が必死に「限購」(住宅購入制限)を緩和したためである。
 決して景気がよくなったためではない。

 住宅に関して、いま一番のホットな話題は、3月1日に施行される「不動産登記試行条例」である。
 これは全国の土地を政府が登記しなおすものだが、
 その真の目的は、固定資産税の導入
と言われている。

 中国は憲法第10条で「都市の土地は国家の所有である」と規定している。
 社会主義国家なのだから、土地を所有するのは当然のことだ。
 だがそれだと、資本主義国家のような固定資産税を国家が取れないため、税収が見込めない。
 そこで、
 「国民の土地財産を保証」した上で、固定資産税を取ろうというのだ。

 全35条からなるこの条例を読むと、第5条の6に、
 「宅基地使用権の不動産権利を、本条例の規定に基づいて[登記]を行う」
とある。

 中国でマンションを買うと、所有権ではなく「70年間の使用権」のみを与えられる。
 政府としては、
 この「使用権」を、「準所有権」のように解釈
して、固定資産税を取ろうということなのだろう。

 だが、
 露骨に固定資産税の導入を決めれば、おそらくその瞬間に不動産バブルは完全に崩壊す
るだろう。
 投機目的で買っていた人々が、一斉に売りに出すからだ
 そうなれば、税収も上がらなくなる。
 習近平政権としては、慎重に進めなければならない政策なのである。

★.次に自動車を見てみよう。
 1月の自動車販売台数は、231万9600台で、前月比-3.8%である。
 生産台数も前月比-0.1%と、ついに「双負」(ダブルのマイナス)となってしまった。

 このように、これまで中国経済の成長を牽引してきた
 輸出・消費・投資の「三輪馬車」のうち、
輸出と消費が落ち込んでいることは、大きな打撃となっている。
 残る投資は、財政赤字が続くため、中央政府も地方政府も減らしていかざるを得ない
からだ。

■GDP目標を引き下げた各地の「政府活動報告」

 習近平政権は、2015年の中国経済について
 「一昇一穏一降」(輸出を上昇させ、消費を穏当に伸ばし、政府の投資を落としていく)
の見通しを立てている。
 だが、このままでは三降になりかねない。

そ れでも習近平政権は、いまの中国経済を「新常態」(ニュー・ノーマル)と呼び、
中国経済が、
量から質へ、
第二次産業から第三次産業へ、
輸出から消費へと転換する
「新たな通常の状態」なのだと説いている。

 2月9日までに、全国31省区市の「政府活動報告」が出揃った。
 これらは、3月5日から始まる全国人民代表大会(国会)に先がけて、地方ごとに地方議会を開いて行う報告だ。
 それらに目を通すと、この「新常態」という言葉が目白押しである。

 今年の各地の「政府活動報告」の特徴は、31地区中29地区で、2015年のGDP目標を下げたことである。
 北京市7.5%→7%程度、
 天津市11%→9%程度、
 河北省8%程度→7%程度
・・・といった具合だ。
 唯一チベット自治区だけが、「12%程度」をキープした。
 残り一つは
 上海市で、「経済を平穏に増長させる」と明記し、何と数値目標自体を取っ払ってしまった。

 3月5日の全国人民代表大会の政府活動報告で、おそらく李克強首相は、「7%程度の経済成長」を述べるのではないか。
 だが海の外から見ていると、もはや社会主義システムの中での経済成長が、限界に来ているように思えてならない。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/03/09(月) 06:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0309&f=business_0309_005.shtml

中国で「不動産税」は導入されるか・・・「張子の虎」の見方も

 中国では不動産税の導入が話題になっている。
 冷え込んだ不動産市場に悪影響を与えるとの見方もある一方で「張子の虎」で、恐れる必要はないとの声もある。
 中国政府・財政部の朱光耀副部長は不動産税の導入について「非常に慎重に検討中」と説明した。

 時期について中国財政学会の賈康副会長は
 「2015-16年に立法のための手続きが始まるはずだ。
 遅くても2017年の全人代開催以前に法制化される」
と述べた。

 一方で財政部の朱副部長は
 「タイム・テーブルはない」、
 「非常に慎重に検討中」
と述べ、導入時期について明言を避けた。

 課税額や計算方式も不明だ。
 個人保有の住宅物件については「居住目的」であるはずの1軒目は非課税とし、
 「投資目的」と考えられる2件目からは課税との見方もあるが、定かでない。

 経済ジャーナリストの劉暁博氏は不動産税の導入時期について、膨大な作業をこなさねばならず、今後1年や2年での導入は困難と説明。
 ただし不動産税は地方税として導入される公算で、地方政府の財政問題などもあるため、中央政府が作業を加速させることは確実という。

 税率については北京、上海、広州(広東省)、深セン(同)などの住宅不足が深刻な都市では、やや高くなる可能性がある。
 ただし、その他の地方では低く抑えられ、庶民に対する減免措置も取られるはずという。

 劉氏はその根拠のひとつとして
 「中国では土地の所有が認められていない」
ことを挙げた。
★.不動産開発にあたり、土地を提供するのは地方政府だ。
★.そして売り出すのは「所有権」ではなく40-70年間の「使用権だ。
 劉氏は
 「地租を一括払いしていることになる。
 高税率にすれば、人々は『二重課税』として、納得しないだろう」
と説明した。

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◆解説◆
 中国では「相続税」の導入も時おり話題になる。「相続税」は中国で深刻な格差問題の解消に役立てられるはずだが、いまだに導入できていない。その理由としては「税務当局による個人資産の把握が困難」、「導入すれば海外に資産を移したり、自らが移住する裕福層が激増したるする」などと推測されている。「ひそかに蓄財している政府要人や高官にとって、受け入れられるわけがない」との“うがった見方”もある。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/02/25(水) 15:20
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0225&f=business_0225_052.shtml

書き入れ時に「閑古鳥」!? 
中国・広州の「自動車市場」に異変か=中国メディア

 中国メディアの金羊網は21日、中国の自動車市場における“書き入れ時”の春節(旧正月)前に、販売に異変が起きたことを紹介。
 特に広州市では春節前の自動車販売台数としては約15年ぶりの低水準にとどまったと伝えた。

 記事は、広州市内の大手自動車販売店では春節前だというのに暇そうに客の来店を待つ販売員がいたほか、ほとんど客の姿は見られなかったとし、ドイツ車を取り扱っている販売店のスタッフが
 「すでに3日間も売り上げゼロが続いており、今年の春節は大赤字だ」
と述べたことを伝えた。

 さらに、春節前に「3日間売上ゼロ」だった販売店は数多く存在するとし、合弁メーカー、輸入車、中国自主ブランドにかかわらず、
 「広州市内にある6割以上の販売店は暇を持て余していた」
と伝えた。

 記事は、中国の春節前の自動車販売が低迷した理由について、長期休暇であったため消費者が旅行や帰省したと伝えたほか、経済情勢の悪化によって一部の業種で企業の業績が悪化していること、零細企業が苦しい経営状況に追い込まれていることを挙げた。

 さらに、中国の株式市場が堅調であることも自動車の販売が低迷した理由の1つだとし、
 「一部の消費者は車を買わずに株を買っている」
と報じた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月26日(木) 5時44分
http://www.recordchina.co.jp/a103095.html

中国ブランド車メーカー、
今後も深刻な販売不振続くとの予想
=すでに生産停止に追い込まれたところも―中国メディア

 2015年2月24日、中国メディア・騰訊によると、中国市場で中国ブランドの自動車の売り上げが振わず、弱小メーカーの一部はすでに生産停止に追い込まれている。
 今後3~5年、中国車メーカー各社の状況はさらに厳しくなる可能性が高い
という。

 中国政府が発表したデータによると、中国本土の自動車市場において中国ブランドが占める割合は、10年に46%だったものが14年には38%にまで縮小。
 乗用車に限ると、その割合は31%から22%へと3割近く減少している。

 14年、中国自動車市場は前年比10%以上成長したものの、中国ブランド車の販売状況は振わなかった。
 代表的メーカーである、長城汽車の14年の予想純利益は2%減、吉利汽車は50%近くの減益になると見られている。

 中国ブランド車不振の原因には、いくつかの要素が考えられる。
 これまで、
★.消費者から見た最大のメリットは価格の安さ
にあった。
 しかし、国外ブランド車も次々と低価格車を販売し始めたため、価格での差が縮まってしまった。

 また、収入増加に伴って、
★.安全性とデザインに優れた国外ブランド車を選択する消費者が増加したこと
も挙げられる。
 マーケットリサーチ会社J.D. Power&Associatesが14年に公表したデータによると、自動車100台ごとに存在する問題の数は、中国ブランド車が131件だったのに対し、国外ブランド車は95件で、両者の品質には大きな差が存在する。

 さらに、政府の政策も中国ブランド車メーカーにとっては逆風になっている。
 新車購入時の補填政策が終了したことだけでなく、大気汚染や渋滞防止などの理由で各都市で導入され始めたナンバープレートの抽選や競売方式による自動車購入抑制政策も大きな影響を与えている。

 関係者は
 「ナンバープレート政策は、高価な国外ブランド車の販売を促進する側面を持つ。
 高いお金を出したり、苦労してやっと手に入れたナンバープレートを、わざわざ安い国産車に付けたくないという消費者心理が働くから」と分析する。

 アナリストは
 「今後3~5年、自主ブランド車メーカーは相当深刻な危機を迎えることになるだろう。
 一部の弱小メーカーはすでに生産停止に追い込まれている
と語っている。







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