2015年3月14日土曜日

「2015年中国バブル崩壊説」は当たるのか?(10):中国経済はいよいよバブル崩壊のカウントダウンに? 「資金流入」から「資金流出」へ

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JB Press 2015.02.13(金) 藤 和彦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42895

中国経済の急減速で原油価格は二番底へ
バブル崩壊、1バレル10ドル台突入の可能性も

 2015年1月末からWTI原油先物価格は反転、2月3日に1カ月ぶりに1バレル当たり54ドル台まで上昇した。
 過去7カ月に及ぶ価格急落局面を抜け出し、「強気相場に転じた」との観測が出された。
 米国で稼働中のリグ(石油掘削装置)の数が、2014年10月時点の1609基から1223基まで24%減り、3年ぶりの水準に落ち込んだからだ。

 しかし翌4日、米エネルギー省が発表した米原油在庫統計は4週連続で増加し、過去最高を記録したため、50ドル割れの大幅安となった。

 その後、中国人民銀行が金融緩和措置を発表すると再び50ドルを超えるなど、原油市場は2009年4月以来の高いボラテイリテイーであった(原油価格の2週間の上昇率は過去17年で最大であった)。

■膨大な原油在庫を抱え輸入量が減少した中国

 供給面を見ると、米シェール企業の生産はいまだマイナスに転じておらず、OPEC諸国も増産基調にある。
 ロシアの生産も2015年を通じて高水準で推移することが予想されている。
 このため世界の原油在庫は歴史的な高水準が当分続き、原油価格の上値を抑える展開が続くと見込まれている(2月2日の週の米原油在庫が1982年8月以来の最高水準となったため、2月11日の原油価格は48ドル台に下落した)。

 しかし、不透明な状況が続く中で筆者が注目しているのは、中国経済の減速など需要面から悪影響が出てくることである。

 2014年末、市場関係者の間では、今回の原油安の要因について
 「65~80%が供給面で、需要面は残る20~35%」
として、需要面での影響は「逆オイルショック」の時と比べて少ないとされていた。
 確かに、現在の原油価格は需要面の要素はあまり織り込んでいない。

 中国は、 2013年までの10年間で世界の原油需要の伸びの51%を占めてきた。
 中国の2014年の原油需要は前年比3%増の日量1006万バレルと堅調であり、IEA(国際エネルギー機関)の予測によれば今後も年率約2.5%増とその伸びは安定的に推移し、2020年には日量約1200万バレルとなる見込みだ。

 しかし、足元の原油需要拡大は原油価格上昇の材料となっていない。
 政府が戦略備蓄を積み増しているとの見方が多いためだ。

 2015年に入ると中国の1月の輸入額は前年比19.9%の減と5年8カ月ぶりの落ち幅だった。
 原油輸入量も前年比0.6%減、前月比では7.9%減少している。

■日に日に深刻さを増す中国のキャッシュフロー

 改革開放以来、特に21世紀以降「大躍進」を遂げてきた中国経済だが、いよいよ陰りが出始めている。

 「日本経済新聞」は2015年2月3日付の紙面で「中国で賃金上昇が止まらない」という記事を掲載した。
 中国でもっとも賃金水準が高い広東省深セン市は、3月1日付で最低賃金(1カ月)を現行から12.3%引き上げ、2030元(約3万8000円)とすることを決めた。
 これは中国で初めての2000元の大台超えであり、
★.2009年の同1000元からわずか6年で倍増した
ことになる。
 景気減速で続く中国だが、賃金上昇の波は全国に及ぶと見られている。

★.中国の生産者物価指数はすでに3年近くマイナスであるにもかかわらず、賃金上昇率が毎年2ケタ台で推移している。
 そのため、
★.企業の多くは実質的には赤字に陥り、キャッシュフロー不足が常態化しているのではないかとの懸念が高まっている

 また、
★.中国の4大銀行の預金残高が統計開始以来初めて減少するとともに、
 政府の規制強化により、ここ数年爆発的に伸びてきたシャドーバンキング(信託会社やリース会社が資金を投資家から集めて一般の銀行が貸さないリスクのある事業に資金を提供する仕組み)部門の減速も見込まれている。
★.中国経済のキャッシュフロー不足は、日に日に深刻さを増している。

■人民銀行の懸案が「資金流入」から「資金流出」へ

 中国は国内のキャッシュフロー不足に加えて、資金の国内外の流れも変わってきている。

 特に注目すべきは、2014年第3四半期に統計開始後初めて対外直接投資額が対内直接投資額を上回ったことだ。
 2014年全体の対内直接投資額は前年比1.7%増の1196億ドルで、米国を抜いて初めて世界一となったが、対外直接投資額も初めて1000億ドルを突破し、対内直接投資額を上回った。

 2014年後半から中国資本による海外企業、特に不動産企業(ニューヨークのウオルドルフ・アストリア・ホテルなど)の買収などが話題を呼んでいる。
 対外直接投資が急増している要因として、いわゆる「汚職マネー」の対外流出に関する規制が非常に厳しくなっている中で、直接投資に対する規制は相対的に緩いことが指摘されている。

 直接投資分野での黒字が急減したことから、2014年の中国の外貨準備高の伸びは2000年以来の低水準だった。
 2015年の直接投資収支は年間で赤字になる可能性が高く、これにより外貨準備高もマイナスに転じる可能性がある。

 人民銀行が2月3日に発表した2014年第4四半期の資本・金融収支は912億ドルの赤字となり、1998年以降でもっとも大きな赤字幅となった。
 このことは人民銀行の懸案が「資金流入」から「資金流出」へと様変わりしたことを意味する。

★.中国の場合、外貨準備高が4兆ドルもあるのに国全体の対外純資産が2兆ドルしかない。
★.このことは民間部門が対外負債超過であることを意味する。
 対外債務の中にはドル建てが多いため、米FRBによる2015年半ばの利上げ観測が高まっている状況下では、ドル債務の借り換えが一層困難になることは間違いない。

■電力消費量の伸び率も石炭の生産量も減少

 世界銀行は、2014年の中国経済は購買力平価(PPP)で166年ぶりに世界一になると試算したが、2014年の経済成長率は前年比7.4%増と24年ぶりの低水準だった。

 しかし政府が発表したこの「7.4%」という成長率を信じる専門家は少ない。

 かつては「爆食経済」と称されたように、中国の生産活動には相変わらず大量のエネルギー資源が投入されている。
★.中国経済が本当に伸びているかどうかを見るには、エネルギー消費量の伸びをチェックするのが一番だ。

 2013年の経済成長率は7.7%だったが、全国の電力消費量は同じ7%台の7.5%だった。
 しかし、2014年の電力消費量の伸び率は、2013年の半分程度の3.8%に急減している。
 エネルギー消費の7割を占める石炭の2014年の生産量も2000年以降初めて減少に転じている。

 また、2014年1月から11月までの中国国内の鉄道貨物輸送量は前年比で3.2%減少している。
 物流の大黒柱である鉄道の貨物輸送量がマイナス成長に転じていることは、エネルギー消費の動向と併せて考えると、中国全体の経済活動がかなり冷え込んでいると考えて間違いはない。

 国家統計局が発表した2015年1月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.8となり、景況判断の節目となる50を2年4カ月ぶりに割り込んだ。
 だが、中国政府は成長刺激のために財政支出を拡大する計画はないとの見解を繰り返している。

■中国経済はいよいよバブル崩壊のカウントダウンに

★.IMFは中国の経済成長率を2015年は6.8%、2016年は6.3%になると予測
しているが、
★.深刻なのは労働力人口の減少である。

 2014年の労働年齢人口(16~59歳)は3年連続の減少となり(2014年は371万人、2013年は244万人、2012年は345万人)、今後10年は労働力が過去20年間ほどは成長に寄与しないことが明らかになっている。
 高齢化が急速に進行し、
 「5年後には人口13億人のうち6億人を、働く世代が支えなければならない時代が来る」
とする向きもある。

 中国の粗鋼生産量は1996年に1億トンを突破して世界一になった。
 それ以降、21世紀に入っても急拡大を続けてきたが、2014年の伸びは2000年以来の低水準だった。
 2015年にはついに生産のピークに達するとの見方が一般的になっている。

 中国の鉱工業生産額は2001年にドイツ、2006年に日本、2009年に米国を抜き、2013年には3646億ドルに達し
た。
★.2000年から2013年にかけての伸び率を平均すると33.4%となる。
 これは世界全体の10倍以上のスピードである。
★.世界経済のデフレ化が懸念される中で、
 3646億ドルという数字が今後10年間で3分の2になったとしても、
 世界経済の供給過剰状態は解消できない
かもしれない。 

 また、2014年12月の新築住宅価格が8カ月連続で下落するなど不動産市場の在庫が依然として高水準であることから、
★.不動産会社のデフォルト懸念が日増しに高まっている。
 2014年末には国家所属のシンクタンク(国務院発展研究センター)が、
★.「長年蓄積してきた不動産場バブルが、需要の萎縮によって2015年に破裂するかもしれない」
バブル崩壊の可能性を認めるまでになっている。
 このため国内の社債市場も変調をきたしており、資金の流通速度はますます下がっていくことだろう。 

★.企業がデフォルトに追い込まれるのは不良資産の大きさではなく資金繰りがつかなくなった時である。
 かつてないほど資金繰りが困難になっている中国経済は
★.いよいよバブル崩壊のカウントダウンに入った
のではないだろうか。

 過去20年以上続けてきた債務バブルが破裂してしまえば、原油価格下落による恩恵など役に立たない。
 中国経済が2015年以降本格的に減速すれば、中国の原油需要の伸びが大幅なマイナスに転じる可能性があり、世界の原油需要が減少に転じるのは必至だ。
 原油価格に対してもう一段の下押し圧力になることは間違いない。

■中国のバブル崩壊で1バレル10ドル台の可能性も

 今後の原油価格を占う点で注目すべきポイントは、以上のように、
★.シェール企業とサウジとのチキンゲームという供給面から、
★.中国経済の急減速という需要面に変わりつつある。

 元日銀審議委員の中原伸之氏も2015年1月6日に、
 「最近の原油市況は中国経済の成長ペースに連動しており、今後は中国の成長率が5%台などへ減速する中、原油価格が本格反転する材料はない」
との見方を示し、その上で原油価格は
 「20ドル台まで下落しても全く不自然ではない」
とコメントしていた。

 1月16日付「ウオール・ストリート・ジャーナル」も、
 「1985年11月から1986年3月にかけて原油価格は67%暴落した。
 2014年6月から今日までに原油価格は57%急落したが、さらに下げる可能性が高い」
と指摘している。
 中国で不動産バブル崩壊による金融危機が発生すれば、原油価格は1バレル当たり10ドル台になる可能性すらある。

 このように今回の原油価格の下落局面はまだ6合目程度であり、さらなる下落前の「踊り場」に過ぎない。
 足元の原油価格の上げ下げに一喜一憂するのではなく、以前から指摘しているように、原油価格の新しい取引レンジは「1バレル当たり20ドルから50ドル」になったと覚悟し、デフレ化する世界経済に対して毅然として立ち向かうことが肝要である。



JB Press 2015.3.24(火) 姫田 小夏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43251

腐敗撲滅でやる気をなくす中国の役人たち
虎から蠅まで一網打尽、しかし本当の改革は先送り

 「今の上海はめちゃくちゃ、用がなければなるべく帰りたくない」
 こう嘆くのは東京に駐在する中国人男性W氏だ。
  帰れば必ずトラブルに巻き込まれるのだという。

 トラブルの多発地帯と言えばタクシーの車内。
 上海では今、W氏のみならず「できるだけ乗りたくない」とタクシーを避ける市民が増えている。
 上海万博以前はタクシー運転手は明るく、サービスもよかった。
 しかし最近はぶっきらぼうな運転手ばかりで、マナーも悪化。
 うっかりしているとわざと遠回りされるので気が気ではない。
 重たいトランクの上げ下ろしに手を貸してくれる運転手も少なくなった。

 上海でタクシー運転手は2000年代初頭まではちょっとした花形職業だった。
 しかし今では「安くこき使われる仕事」の代名詞となった。
 いまや上海戸籍をもつ運転手は少ない。
 多くは、非上海戸籍の江蘇省や安徽省などの出身者である。

 「タクシーの座席には条例の指定で白いカバーが掛けられていたものだが、すっかり見なくなった。
 車内はお世辞にもきれいとは言えない」(同)
 Wさんは先日、上海で運転手の態度に腹を立てて口論になった。
 タクシーの日常業務を管理監督する「上海市城市交通運輸管理処」にすぐにクレームの電話を入れた。
 だが、誰も電話に出なかったという。

 上海市では「上海市出租汽車管理条例」(出租汽車=タクシー)という条例のもあとに、タクシーの運営管理、サービスの維持が求められているが、サービスのレベルは年々悪化する一方だ。
 Wさんは「行政は何をしているのか」と憤懣やるかたない様子だ。

■“おいしい”出張に行けなくなった

 浙江省で地方公務員を務めるNさんは、数年前まで会議を名目に頻繁に上海に出張していた。
 「出張し放題」は地方公務員の特権だった。
 上海などの大都市を訪れることは一種の慰安旅行のようなものになっていた。

 ところが、習近平体制が発足すると、出張が「テレビ会議」に変えられた。
 Nさんはこう語る。
 「出張に行くことはすっかりなくなった。
 出張の際は必ず訪問先へおみやげを持参していたものだが、それすらも買うことがなくなった」

 北京や上海の高級飲食店の中には、公務員による高額消費を当て込んでいたところが少なくない。
 しかし、そうした店舗は、2013年から2014年にかけて軒並み業績が低迷した。
 中国割烹協会によれば、2013年、全国の飲食業における収入は2兆5392億元、その伸び率は過去21年間で最低だったという。
 特に高級飲食店の業績悪化が目立った。
 北京ダックで有名な「全聚徳」は日本人にもおなじみの老舗だが、25ある子会社のうち13社が赤字だと報道されている。

 さて、この地方公務員のNさんは、誰と食事をするときでも絶対に財布を開こうとしない。
 「公務員は自分から財布を開くことはないのだ」
という。
 たまに自分がおごる番になると、友人の店に行き、
 「俺は○○局だ。お前の店の社長とは親しいんだから安くしろ」
としつこく迫る。

 Nさんが吝嗇家なのは、懐が寒いためでもある。
 「知ってるか? 俺の給料はたったの9000元だ。
 40代で家族もいる。
 こんな薄給で生きていけると思うか。
 だからハンコを押す特権を金品に変えて、なんとか生活してきたんだ」

 贈収賄がダメだというなら、生活を切り詰めるしかない。
 「たまの休日に家族で外出する時のご馳走は、一皿5元の中国版ファストフードだ」
とNさんは明かす。
 数年前まで、公務員は憧れの職業(不正な収入が得られるから)だったが、
 「最近は、優秀なやつは公務員にはなりたがらない」(Nさん)
という。

 贈収賄はダメ、出張もダメとなった今、公務員の仕事に対するモチベーションは間違いなく低下している。
 警察官のモチベーションも同様に低下している。
 法律に基づいてしっかり取り締まろうとすれば、逆に市民から食ってかかられる。
 ルール違反が当たり前の世の中になってしまっているのだ。
 親戚に中国の警察学校の教員がいるCさんは、その親戚からこんな話を教えられた。
 「若い警察官がどんどん辞めている。
 1日中、街をパトロールするのは決して楽な仕事ではない。
 収入も少ないうえ、市民から難癖をつけられる。
 辞めていくのも無理はない」。
 収入と社会的地位、そして業務内容からすると、現代の若者にとって警察官は著しくバランスを欠く仕事と映るようだ。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/03/26(木) 06:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0326&f=business_0326_005.shtml

ゴーストタウンの建造か
・・・「不動産建設ラッシュ」の謎=中国メディア



 香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストはこのほど、貴州省貴陽市や湖北省武漢市、江蘇省南京市など中国各地で今なお不動産の建設ラッシュが続いていると伝え、
 「ゴーストタウンを建造しているのではないかと議論が起きている」
と報じた。

 記事は、西側諸国ではゴーストタウンは通常、
 「戦争や自然災害、疫病、経済政策の失敗によって生まれる」
と伝える一方、
 中国では
 「地方政府が域内総生産(GDP)を伸ばし、都市化の目標数値を実現するといった目的の過程で生み出されることが多い」
と指摘した。

 続けて、
★.不動産は中国経済における1つの支柱であり、14年のGDPのうち約12%が新築住宅の販売によるものだった
と紹介。
 中国の地方政府は土地の販売を通じて利益をあげようとしているものの、地方都市では就業の機会が少ないことから不動産建設は往々にしてうまくいかないケースがあると伝えた。

 さらに記事は、香港の投資会社CLSAによる報告を引用し、
★.今後5年以内に中国の小規模な地方都市は空洞化する可能性がある
と指摘したことを紹介し、中国国内の12の都市において09年から14年にかけて竣工した不動産の空室率は15%に達すると紹介。
 また、不動産価値が相対的に低い物件では空室率が17%に達したと紹介した。

 また、中国全土で見た場合、ゴーストタウンは資源や重工業に極度に依存する中国東北部に多く存在するとし、
 「中国東北部は経済の多様性に欠け、就業の機会が少ない地域」
と指摘。
 さらに、かつて石炭バブルで繁栄を謳歌した内モンゴル自治区オルドス市もゴーストタウン化が深刻で、今後も継続する見込みだと伝えた。


 おそらくは「失業対策事業」ではなかろうか。
 仕事を与えるというのが時の為政者の最大の仕事であることは政治の社会では常識。
 失業者が増えることは社会不安を呼び起こす。
 ためにお金を捨ててでもどうでもいいものを造ることになる。


レコードチャイナ 配信日時:2015年3月27日(金) 14時15分
http://www.recordchina.co.jp/a105036.html

中国GDPの低下、成長モデル転換による“官製減速”
=過剰不動産は政府が買い取り公共賃貸住宅に―中国専門家

 2015年3月26日、中国経済に詳しい中国人専門家は、同国のGDPが減速していることについて、
 「主に政府の信用と投資を抑制する政策による“官製減速”であり、
 成長モデルを転換した結果もたらされた」
と分析。
 マクロ政策を効率的に動員することによって2015年の成長目標「7.0%前後」を達成することになるとの見通しを明らかにした。
 過剰在庫が深刻な問題となっている不動産について、
 政府が買い取り公共賃貸住宅に回すことが検討されているという。
 同専門家の分析は次の通り。

(1):中国の最近のGDP伸び率の低下は、主に政府の信用と投資を抑制する政策による“官製減速”であり、成長モデルを転換した結果もたらされた。

(2):中国政府が唱える中国経済の「新常態(ニューノーマル)」は、経済成長の需要サイドと供給サイドの新しい様々な変化を想定し、新しい成長環境の下での政府と市場の関係を再構築することがその主な狙いである。

(3):「新常態」に移行させるため、「中速の経済成長の確保」「債務管理と金融リスクの回避」「構造改革の推進」―の3つの目標を同時に掲げながら、財政・税制改革、国有企業改革、金融改革、新型都市化の推進など具体的経済政策を追求。
 特に金利自由化(預金保障制度の改革、預金金利上限の撤廃)、為替レートの自由化の推進、ネット金融法規の整備、香港と上海金融市場の連携―などの改革を推進している。

 2015年の経済政策の重点項目は
(1):「7%前後の成長率の確保」に向け、推進、財政支出・金融緩和・金利引き下げなどの「政策玉手箱」を駆使しながらマクロ政策を機動的に動員する、
(2):各種改革の一層の推進、
(3):大気・水質汚染の防止など環境政策の強化する
―の3点。
 余剰在庫を抱え供給過多となっている不動産市場テコ入れするために、政府資金で住宅のストックを購入し、それを公共賃貸住宅に転用することを検討。
 14年に4省で実験がスタートし、今後全国に普及させる。

 習近平国家主席は、基本的な目標として、
(1):党の綱紀粛正
(2):法による国政運営
(3):改革の深化
(4):小康社会の全面的構築
―など4つの分野での「全面的推進」を掲げている。

(八牧浩行)



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/03/30(月) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0330&f=business_0330_004.shtml

中国の「矛盾」が爆発する?
・・・経済構造の「調整期」が危ない!

 中国の経済情報専門サイトの「BWCHINESE」は26日、
 「今後5年間、中国経済に何が発生するか?」
と題する文章を発表した。

 まず、インドの経済成長率が中国を抜くとした。
 早ければ2016年で、インドの発展方式は現在のところ、外資導入や政府による産業発展の誘導、インフラ建設によるもので「東アジアの発展モデル」と論評した。

 現在の中国では、中央政府、地方政府、企業、世帯など社会すべてにおける債務が2014年時点でGDPの243%だったが、今後10年では100ポイント上昇して348%に達する可能性があるという。

 国務院金融センター金融所の張承恵所長によると、債務リスク、金融リスク、社会リスクなどはすべて基本的に、(問題が個別に発生するならば)コントロール可能な状態を維持できる。
 ただし、
★.2016-20年を対象とする「第13期5カ年計画」期間は経済構造の調整の「要の時期」となるために、
 各種の矛盾が集中的に“爆発”する可能性がある
という。

 実体経済については、まず従来型の「粗放型製造業」から「精密型製造業」への転換が試みられる。
 「粗放型製造業」の特徴としては、安い人件費に頼り、設備投資にもそれほど費用がかからないことがある。

 しかし「精密型製造業」では資金、技術、人材を集約させる必要がある。
 中国が今後、世界の産業界で高い地位を得ようとするならば、「精密型製造業」への転換はどうしても必要だ。

★.これまで中国経済を牽引してきた不動産業は、自動車産業に地位を譲る。
 自動車は単価では不動産商品よりもかなり低いが、買い替え周期が不動産よりずっと短いため、産業規模で不動産業を凌駕することになる。

★.今後5年間に目立ちはじめる変化で、その後も継続するのが高齢者人口の増大だ。
 そのため高齢者に関係する業種は、今後の「旭日の産業」となる。
 まず、高齢者向けの旅行や娯楽商品、健康食品やサービスが伸びるだろう。
 さらに高齢者向け教育サービスや職業訓練サービスに対するニーズも増す。
 さらに健康管理や医療、生涯型の金融サービスなども。

 また、高齢者は機械の操作を苦手とする場合が多いから、金融機関利用で、バイオ技術を応用した本人認識システムなどが脚光を浴びるかもしれない。

★.2020年には中国の高齢者人口が3億人規模になる。
 年金制度を整備することができれば、中国経済は巨大な「高齢者消費市場」を得ることになる。



レコードチャイナ 【経済ニュース】 2015/04/09(木) 06:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0409&f=business_0409_009.shtml

中国不動産業の「黄金時代」・・・すでに別れを告げた=中国メディア


●写真は福建省福州しないで建設中のマンション。2014年8月1日撮影。「本建物、全物件20万元値引き」などの垂れ幕が見える。CNSPHOTO撮影

 北京紙「新京報」は8日付で
 「不動産業はすでに黄金時代に別れを告げた」
と題する論説を発表した。
★.不動産関連企業の利益率は下落を続けているにもかかわらず、「前方に氷山が出現」しても回避できず、激突して沈没する事態がみられる
と論じた。

 論説は、上海と深センの両株式市場に上場している不動産企業75社について、
 「平均負債率は74.05%。短期借入金は前年比29.33%増」
と指摘。資
 金繰りが悪化しているとの見方を示した。

 さらに「大企業と中小企業」、「国有企業と民間企業」、「大都市圏をエリアとする企業と中小都市を対象にする企業」など、状況が比較的良好な企業と、そうでない企業の分化が進んでいると指摘。

★.問題にデベロッパーでは、事業着手から現金化までの期間が長いために「慣性の法則」が強く働き、
 前方に「状況変化」という氷山が出現したのに船の舵を切れず、
 「激突して沈んでしまう」場合もある
と指摘した。

 論説は、デベロッパーが直面する困難の遠因として、最近まで続いた猛烈なシェア争いがあると指摘。
 他社には負けたくないとの一念で、各デベロッパーは「それっ」とばかりに争って土地使用権を獲得した。
 その結果、激烈な販売競争が発生し、販売価格低迷につながったことで「増収減益」になったという。

 中国では、これまでのような経済高度成長は「もはや望めない」との見方が定着しつつある。
 いわゆる「新常態」であり、適応のために製品の高付加価値化や経済構造の質の向上が必要との主張が強まっている。

 論説も、
 「これまでの粗放な発展を集約化した発展に転換し、
 質の向上を実現することが内在する不動産業界も例外ではありえない」
とし主張した。

**********

◆解説◆
 さまざまな物事への対処、特にビジネスでは
★.「最適化のための合理的判断」を重んじるとされる中国人だが、不合理な行動に突入する場合もある。
 その一例が「競争心の炎上」だ。
 自らが利益を得るよりも「相手を叩き潰す」ことにとらわれすぎ、結果として「自らに不利な状況」を招くことがある。

 上記論説が触れた、デベロッパー間の「猛烈なシェア争い」も、「競争心の炎上現象」だったと理解することができる。

 中国人の集団行動が「競争心の炎上」で説明できる場合は、他にも多い。
 事故を起こしたトラックの積み荷が集まった人々に奪われるなどの現象が多発しているが、最初は遠巻きにしていただけの人々も、だれかが散乱する積み荷に手を出すと、一斉に「それっ!」とばかりに「略奪」を始めるという。
 「他人が得をしている。自分も負けられない」
との心理が強烈に働くと考えられる



レコードチャイナ 配信日時:2015年4月16日(木) 5時14分
http://www.recordchina.co.jp/a106188.html

中国株にバブル発生、
資金流入続き異常な高騰―中国メディア

 2015年4月14日、参考消息網によると、中国株式市場が上昇し、新人投資家が大挙参入している。
 英メディアはバブルだがなお上昇トレンドは続くと指摘している。

 香港株式市場、中国株式市場の上昇が続いている。
 9日、香港市場の取引額はロンドン市場、フランクフルト市場、パリ市場の取引額の合計のさらに2倍という大商いを記録した。
 上海総合指数は2008年以来となる4000ポイントを回復、過去6カ月で68%もの上昇となった。

 株価急騰は明らかにバブルの兆候があるとアナリストは指摘する。
 上昇をけん引する中国ハイテク株の株価収益率(PER)は49倍、ナスダック市場ベンチャー株の平均PERが21倍ということを考えれば、異常な高値に達していることは明らかだ。

 しかしそれでも株価の上昇は続くと予想されている。
 債権や不動産と比べれば株価の収益率は高く、今後も資金流入が続くとの分析がその根拠となっている。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/04/17(金) 06:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0417&f=business_0417_008.shtml

中国の不動産市場は「投資価値」を失った=中国メディア

 中国メディアの和訊網は13日、中国の不動産市場は今も投資する価値があるかどうかを論じる記事を掲載し、
 中国の不動産市場は「すでに投資価値を失った」
と考察する内容の記事を掲載した。

 記事は、
★.不動産価格を長期的に決める要素のうち、もっとも重要なものは人口である
とし、中国の現在の人口政策のもとでは
★.「不動産価格が2020年よりも前にピークを迎える」
と予測されていることを紹介。
★.人口がピークを迎えるとほぼ同時に不動産価格もピークを迎える
と論じた。

 続けて、スイスに本拠を置く金融機関UBSの中国法人がこのほど発表した報告書を引用し、
 「不動産価格の低迷が2015年の経済成長の足を引っ張る」
と伝え、15年1-2月の不動産販売面積が前年同期比16%減と低迷していることを指摘。
★.不動産市場の低迷によってセメントや鉄鋼などの原材料や、機械の需要も同時に減少する
ことになると論じた。

 一方で、政府が打ち出した不動産購入制限の緩和策によって、北京市や上海市、四川省成都市などでは中古不動産市場は回復の兆しが見られると伝える一方、米国の非営利の研究機関である「Urban Land Institute」の報告を引用し、
 「中国は不動産の供給量が多すぎる」
と紹介。

 また、中国社会科学院が発表した「経済藍皮書」を引用し、同報告書においても
 「不動産価格はすでに“曲がり角”を迎えた」
と指摘されていると紹介、中国の不動産市場はすでに投資価値を失い、不動産市場に流入していた資金は今、株式市場などほかの産業に流入していると指摘した。




【何かと不安な大国:中国】



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