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サーチナニュース 2015-04-21 22:15
http://news.searchina.net/id/1570693?page=1
次世代の「高速交通システム」
リニアやハイパーループ
・・・世界をリードする国と技術は?=中国メディア

●写真は中国メディア「新華国際」の20日付報道の画面キャプチャ
JR東海が山梨リニア実験線での有人走行試験で、社員29人が乗ったリニアモーターカーを19秒間にわたり、時速590キロメートルで走行させたことについて、中国メディアの新華国際は20日、
「次世代の高速鉄道技術において世界をリードするのはどの国か」
と論じる記事を掲載した。
記事は、世界初の商用リニアモーターカーとして営業を開始したのは中国であり、2003年に上海で開業した上海トランスラピッドであることを紹介。
また、日本では1962年から研究が行われており、ドイツでも1970年代からリニアモーターカーの研究開発が行われていると報じた。
続けて、リニアモーターカーはほかの鉄道などに比べて速度面で「比較にならない強み」を持つとし、レールとの摩擦が無いため速度だけでなく、エネルギー効率も高いと指摘。
時速500キロメートルという同一条件下ではリニアモーターカーのほうが航空機よりも3倍以上もエネルギー効率が優れていると論じた。
さらに、リニアモーターカーは騒音や振動が少ないため快適性と安全性も高いとし、動力源が燃料でないため汚染排出も少なく、メンテナンスコストも低いと論じた。
一方で、
「鉄道としてこれだけ優れているにもかかわらず、日本はなぜ研究開発から40年以上も経過してからようやく建設を開始したのか」
と疑問を投げかけた。
さらにその答えとして、
「問題はリニアモーターカーの建設コストだ」とし、東京(品川)-新大阪間の総工費は約9兆円に達する試算もある
と紹介。
1キロメートルあたりの建設コストは1億7000万ドルだとし、巨額の費用が建設のネックになると論じた。
また記事は、米国の電気自動車メーカーであるテスラモーターズCEOのイーロン・マスク氏が2013年に、減圧チューブ内を時速1200キロメートルを超える速度で車両を移動させる次世代交通システム「ハイパーループ構想」を打ち出したことを紹介。
すでに5マイル(約8キロメートル)のハイパーループ・チューブを建設することで業者と契約し、2016年に建設が着工する計画だと紹介した。
そのほか、中国の西南交通大学では
「実験環境のもとで、理論上は時速3000キロメートルも出る」、
ハイパーループに似た真空管の内部を走行する“次世代リニアモーターカー”が開発中だと伝え、
「次世代の高速鉄道技術において世界をリードするのはどの国だろうか」
と論じた
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サーチナニュース 2015-04-17 11:13
http://news.searchina.net/id/1570131?page=1
日本のリニア、「世界最高速度達成」の報道に
・・・「せまい日本、そんなに急いで大丈夫?」、
「海に突っ込むぞ」の声も=中国版ツイッター
JR東海は16日、山梨リニア実験線での有人走行試験で、社員29人が乗ったリニアモーターカーを19秒間にわたり、時速590キロメートルで走行させたと発表した。
リニアモーターカーとしては世界最速。
中国の微博(ウエイボー、中国版ツイッター)では、日本は小さな国だとの先入観が強すぎ、
「東西に200キロメートルも走れる場所は、ほとんどないぞ」
などの声も出た。
香港に拠点を置き、中国大陸を含め中華圏全体向けに放送しているフェニックステレビに加え、個人のアカウントでも同話題が紹介された。
中国人の間で「日本は小さな国」とのイメージは相当に強く「10分走ったら海に突っ込むぞ」とのコメントも寄せられた。
中国で、日本のリニアモーターカー開発を理解している人は、それほど多くない。
まず、リニアモーターとは「線状のモーターの意」だ。
通常の電車の場合、車体に据え付けたモーターの回転力を車輪に伝えて推進力を得るがリニアモーターカーでは車体と地上にそれぞれ据え付けた電磁石の引力と反発力により推進力を得る。
リニアモーターカーは鉄輪式と浮上式に分類できる。
鉄輪式では車体を通常の電車と同じく鉄製の車輪で支えるが、浮上式では電磁力により車体を浮かせる。
高速運転を念頭に置くのは浮上式だ。
浮上式は「常電導」方式と「超電導」方式に別れる。
後者は、金属などを極低温にした際に、電気抵抗がゼロになる超電導現象を利用する。
★.「超電導」方式は技術的難易度が飛躍的に高くなり、低温保持のために必要なヘリウムの確保も欠かせないなどの問題がでる。
「常電導」方式では独ジーメンスなどが主体になり「トランスラピッド」として開発。
中国は「トランスラピッド」を導入し、2002年に上海市街地と空港を結ぶ路線として開業した。
★.日本が「超電導」方式にこだわったのは、
地震発生時なども安全性が比較的高く、
より高度な技術を獲得すれば、
産業の他分野への波及効果も期待できるからだった。
長年にわたる関係者の努力が、実を結びつつある状況だが、微博では
「中国はすぐに600キロ以上出すよ」、
「中国はもう、600を出したんじゃなかったか」、
「中国の技術の方が上だ」
などの声も寄せられた。
中国では2000年ごろ、「トランスラピッド」方式で全国の高速鉄道網を建設する主張があったが、費用対コスト、輸送力、安定性などの問題で立ち消えになった。
そのため、
「中国では上海浦東空港への短い路線が作られた。
ドイツ製。
ただしドイツでは作られていない」、
「コスト問題は解決不能。
飛行機よりも早くても役に立たない」
などの意見も寄せられた。
「日本の技術には学ぶ価値がある」
と素直に感心する書き込みもあるが、それほど多くはない。
むしろ、
「中国の官僚にとっては(賄賂で)儲けるチャンス。
高速鉄道を交換することにすればよい」
と自国の腐敗を皮肉ったり、
「その技術を急いで買うんだ。
たちまちにして。
またも自主技術の刷新だ」
と、自国の高速鉄道技術を
「自主開発ではなく外から買ったもの」
とする見方を示した人が目立つ。
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nikkei BP net 2015年4月22日
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/042100018/?rt=nocnt
世界初「時速600km超え」の快挙!
リニア新幹線は日本をどう変えるのか
東海旅客鉄道(JR東海)は2015年4月21日午前10時48分、山梨リニア実験線で実施した超電導リニア車両の有人走行試験において、過去最高速度となる「時速603km」を記録した(発表資料)。
時速600kmでの走行時間は10.8秒、走行距離は1.8kmだった。
これに先立つ16日に、同社では過去最高速度となる時速590kmでの有人走行を実施していたが(発表資料)、わずか5日後にこの記録を塗り替え、ついに時速600kmの大台に乗せた。
■鉄道史上に残る記録、ギネス世界記録の認定も申請
時速600km超というのはもちろん有人の高速鉄道車両として世界初であり、鉄道史上に残る快挙である。
さすがに巡航速度が時速900km程度に達する旅客機の速度にはおよばないが、地上を走る乗り物としては“異次元”の速さだ。
日本経済新聞の速報記事によれば、JR東海はギネス世界記録の認定を申請するという。
ちなみに、山梨リニア実験線での最高速度記録(有人走行)は2003年12月2日に記録した「時速581km」で、ギネスブックに認定されている。
日本の非常に高い鉄道技術を世界に見せつけることとなった今回のニュースだが、時速600km超の世界とはいったいどんなものなのだろうか。
JR東海では、定期的に一般向け試乗会を開催しているが、そこで体験できる速度は時速約500kmどまり。
2027年に品川-名古屋間で開業予定のリニア中央新幹線の最高速度(時速505km)に合わせた速度であり、時速600km超の世界は体験できない。
もちろん、時速500kmでも十分異次元レベルではあるが、今回のニュースを聞いて、「時速600kmの世界を一度体験してみたい」と感じている人も多いことだろう。
■「たった100km/hの差」ではない
「時速500kmと時速600kmなんて100キロ違うだけじゃないか。あまり変わらないのでは」――。
実際に体験していない以上、乗り心地の変化などは分からないが、少なくとも技術的には決してそんな小さな話ではない。
空気中を進行する物体は、速度の2乗に比例して増大する空気抵抗を受ける。
速度が2倍になれば空気抵抗は4倍に、3倍になれば9倍になるわけだ。
その増大する空気抵抗に打ち勝って加速するには、膨大なエネルギーを追加投入する必要がある。
空気を高速で切り裂いて走れば、発生する風圧や周囲に撒き散らす騒音も巨大なものとなる。
当然、時速600km超のスピードでも安定して走行でき、安全に止まれる車体強度や機械的部品の精度、制御装置・システムの信頼性なども非常に高いレベルで求められる。
裏返すと、時速600km超で問題なく走行できれば、営業開始時の最高時速505kmでは高い信頼性を確保しながら余裕を持って運行できることにつながる。
実際に、JR東海でも今回の走行試験について、
「営業線設備の最適設計を行うために必要となる、時速550kmを超える速度域のデータ取得データを目的として実施した」
と説明している。
■リニア同等速度でより省エネな「エアロトレイン」もある
なお、地上を時速500kmクラスで走行できる交通システムというと、ほとんどの人が今回ニュースとなったJR東海の「磁気浮上式リニアモーターカー」を思い浮かべるのではないだろうか。
しかし、同等の速さを実現しながら、ずっと少ないエネルギーでの移動を可能にするという別方式の新交通システム開発も国内で進められている。
東北大学未来科学技術共同研究センターの小濱泰昭教授氏が手がけている「エアロトレイン」である。
リニアモーターカーはその方式上、電力を大量消費して乗客一人当たりを運ぶのに必要なエネルギーという観点では効率が悪いといった批判がある。
エアロトレインは、大ざっぱにいうと地上スレスレで飛行機を飛ばすような方法を採用しており、翼の下の部分と地面との間の空気をうまく利用することで(地面効果)、リニアモーターカーの約9分の1という極めて少ないエネルギーでの高速移動を実現するという。
既に2027年の開業を目指して動き出しているリニア新幹線と直接競合するようなものではないが、未来の高速新交通システムはリニア一択ではない、別方式の技術開発も進められているということは頭の片隅に入れておいて損はないだろう。
■発着駅周辺では大規模開発や街づくりが進む
2027年の開業に向けて、リニア新幹線は日本をどう変えていくのだろうか。
さまざまなことが期待されているが、最も大きいのは、リニア発着駅が作られる地域における再開発を含む大規模開発だ。
起点となる東京のターミナル駅は、東海道新幹線の品川駅の直下約40mに駅が設けられる。
東京から出発してひとまずの終着駅となる名古屋市では、名古屋駅の直下約30mに駅が設けられる。
ルート上、各県に一つずつ設ける中間駅は、
神奈川県は相模原市のJR橋本駅付近、
山梨県は甲府市大津町、
長野県は飯田市上郷飯沼付近、
岐阜県は中津川市千旦林
に配置される。
地下構造となるのは神奈川県の駅のみで、他の中間駅は地上に築く予定となっている。
国土交通省が2014年10月17日に東京―名古屋区間のリニア中央新幹線着工を認可したことで、これら中間駅を設ける県では経済効果を期待した街づくりが始まっている。
もちろん、両端にある東京と名古屋でも大規模な開発が計画されている。
名古屋駅では、2027年の開業へ向けて駅周辺地区の再開発や街の再整備計画が目白押し、早くも大きな盛り上がりを見せているという。
東京では、リニア駅に付けられる可能性がある「新東京」という駅名を使えるかどうかというトピックが出てきている。
リニア駅を新駅とみなせば、慣習に倣って「新東京」駅を名乗ることが予想されるが、JR東日本が品川の北900mの位置に設ける「品川新駅」が強力なライバルとして浮上しているのだという。
リニア新幹線開業に少しでも関係したり影響を受けたりする企業なら、ビジネスチャンスをみすみす逃がす手はない。
2027年の開業が近付くにつれ、こうした駆け引きやせめぎ合いをあちこちで見かけることになりそうだ。
■予定通り2027年に開業できるかは「トンネル工事」が鍵
国土交通省が2014年10月17日に着工を認可したとはいえ、予定通り2027年にリニア中央新幹線の開業にこぎつけられるかは、プロジェクトを計画通り進められるかが鍵を握る。
具体的に、プロジェクトの成否を左右するのが、線路延長の90パーセントを占めるトンネル工事だという。
工事の進捗が予定通り進むかどうかとは別に、上記トンネル工事が予想外に難航するなどして、総工費が途中で大幅に膨らむことも懸念材料として残る。
品川駅―名古屋駅間の総工事費は、2009年12月の調査報告の段階で「5兆4300億円」だった。
誘導集電の採用による工事費の増加や労務単価の上昇を織り込む一方、リニアモーターカーのレールに相当するガイドウェイを見直すなどコストダウンも図った結果、JR東海が2014年8月26日に国土交通大臣に認可申請した工事実施計画では「5兆5235億円」と935億円の増加にとどまっている。
同総工事費の増加の要因となった、
車内の照明や空調に用いる電力の供給にワイヤレス給電技術を採用したことによるもの。
そのほかにも、トンネル工事の中で、高度な施工技術が要求され難所とされる「南アルプストンネル」などで想定外のコストや工期遅れが発生すれば、「総工事費が大きく膨らみ、2027年の開業も延期」という最悪の事態になりかねない。
世界初の「時速600km超え」という大記録を打ち立て、世界中に「さすが日本の技術」とうならせたであろうこの勢いそのままに、2027年の開業に向けて世紀の大プロジェクトを順調に進められるか。
これからも目が離せない。
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