2015年1月17日土曜日

2015年の中国(6):中国政府の圧政で若年層に不満増大、一歩踏み出す危険性は?

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 中国若者の間に政府への不満が増大している。
 そのガス抜きに使われているのが尖閣諸島問題を始めとする反日政策。
 だがそのキャンペーンにもかかわらず、お金持ちは日本参りをやめない。
 『一番行きたいところ、もちろん日本!』
では、逆効果になる。
 日本に行けないほどに貧しい若者層が不満をどんどん貯めこんでいく。
 これはコントロールが難しい。
 もう一つのガス抜きが汚職撲滅運動
 これは成功を納めているようだ。
 反日政策が不満を増幅させ、汚職問題が不満を和らげるということになると、中国政府はどういうスタンスで国民の臨むことになるか。
 この、「反日政策」と「汚職撲滅運動」は中国共産党の推進力の両輪である。
 2015年は、やはり注目の年である。


レコードチャイナ 配信日時:2015年1月17日 11時21分
http://www.recordchina.co.jp/a100689.html

中国政府の圧政で若年層に不満、
さらなる圧政を呼ぶ悪循環に
―米人権団体

 2015年1月14日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語サイトによると、米ワシントンに本部を置く人権団体・フリーダムハウスは13日、
★.中国の習近平(シー・ジンピン)主席率いる中国共産党指導者層が圧政的な政策を徐々に強めている
と指摘する報告書を発表した。
★.「圧政に一般市民が反感を募らせていることが、さらなる圧政を呼ぶ悪循環に陥っている」
と指摘している。

 2012年11月以降の数百の公式文書や人権報告書、調査などに基づいたというこの報告書によると、
★.中国の若者は政府の情報統制に関して無知で恐れない傾向があり、政府の統制が困難になっている
という。

 米中経済安全保障調査委員会(USCC)のバーソロミュー・キャロライン委員は、中国の若者は政府が過去に行った天安門事件のような残虐な行為も知らず、
★.彼らが“一線を踏み越える”リスクも高まっている
と指摘する。

 キャロライン委員はまた、
 悲劇は天安門事件そのものにとどまらず、本当の悲劇はその後事件を語ることも許されていない
という状況にあると話す。
 報告書をまとめたサラ・クック氏は、
★.中国共産党が情報を隠し、高圧的な政策を敷く一方で、
★.若者の恐怖心が弱まる
という矛盾が起きているとし、中国政府は現在の政治体制からより民主的な体制へと変わるべきだと報告書で指摘している。


 貧しい若者層の不安、その一方で富裕層の中国離れ。
 この実体は上下格差をさらに生み、若者の暴力化傾向に拍車をかける。
 政府には、この状況を押しとどめることができるのか。
 ただ、力をもって抑えこもうとするのは、危険が伴いそうであるのだが。


琉球新聞 2015年1月19日 (毎日新聞)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237553-storytopic-1.html

中国:海を渡る富裕層
…「投資で永住権」魅力

 中国が移民ブームに沸いている。
 国連の統計で
★.1990年に408万人、
★.2000年に549万人
だった中国人の海外への累計移民数は、
★.2013年には934万人
と急増し、世界4位に浮上。
★.特に富裕層やエリートが増えている。
 世界第2の経済大国・中国で、なぜ富裕層は海外を目指すのか。【北京・井出晋平】

 ◇国内先行き不安が後押し

 「英語がしゃべれなくても、投資さえすれば永住権が取れます」。
 昨年12月下旬、北京市内の移民仲介業者のオフィスで開かれた米国への移民説明会。
 子連れ夫婦や若い女性ら約40人が熱心にメモをとっていた。
 中国には700社以上の移民仲介業者があり、毎週末、移民説明会が開かれている。
 富裕層の目当ては米国などが行っている「投資移民」だ。
 一定額以上を投資すれば永住権がもらえる制度で、米国の場合、雇用を生み出す事業に50万ドル(約6000万円)以上が条件だ。
 14年は米国の投資移民のうち8割以上を中国人が占めた。
 中国の民間調査会社、胡潤研究院によると、12年末時点で中国には不動産・金融資産1000万元(約1億9000万円)以上の富裕層が105万人おり、そのうち64%がすでに移民したか、検討中という。
 移民先は米国の他にカナダ、豪州などが人気だが、
★.景気低迷にあえぐポルトガルやギリシャ、キプロスなど欧州諸国も近年、投資移民制度を次々と導入。
 新たな移民先として注目されている。
 中国の法律では、個人が海外送金できる外貨は年間5万ドルまで。
 仲介業者は
 「大手国有銀のマカオ支店に口座を開き、友人や親族十数人の名義で送金する。
 詳細は明かせない」
と口を濁す。
 昨夏には、4大国有銀の1行が投資移民向けに金額無制限の送金サービスをしていたことが発覚、問題となった。
 移民手続きに詳しい弁護士によると、金融商品の購入と引き換えに海外支店が融資する銀行もあり、抜け道には事欠かない。

 富裕層が移民する背景には、中国の現状や将来への不安がある。
 移民説明会に参加した、高校生の娘を持つ大学職員の男性(45)は
 「米国に移れば中国ほど激しい受験競争がなく、学部の選択肢や奨学金などの面でも留学より有利な条件で有名大に進める」
と話す。
★.「格差拡大や共産党の権力闘争で
中国社会は将来、混乱する可能性が高い
と体制への不信感も隠さない。
 男性は昨夏、一家で米国を旅行し、移民した知人らが庭付き一戸建てに住む様子を見て憧れを強めたという。
 中国では海外渡航が徐々に自由化され、先に移民した親族・知人の生活を知る機会が増えたこともブームを後押ししているようだ。
 ただ、受け入れ国では摩擦も起きている。
 投資移民の約9割を中国人が占めたとされるカナダは「投資移民は納税額が他の移民より少ない」として昨年2月に制度を停止した。
 10年に投資移民制度を導入した韓国・済州道でも、中国人による土地の買い占めや地価上昇に批判が出ている。

 一方、中国国内では人材や資産の流出とともに、不正蓄財した汚職官僚が資産を持ち逃げして移住することも問題視されている。
 中国メディアによると、米国やカナダには逃亡した官僚らが集まる「汚職官僚村」があるという。
 移民制度に詳しい劉国福・北京理工大教授は
 「富裕層の不安を取り除くために投資環境、医療、教育などの改革を加速させない限り、移民は減らないだろう」
と指摘する。



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 資 料 
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レコードチャイナ 配信日時:2014年12月23日 17時36分
http://www.recordchina.co.jp/a99509.html

中国の収入格差、10.7倍
=米露より大きく、社会の安定揺るがす要因に―中国紙

 2014年12月22日、中国国民の高所得者と低所得者の平均収入の格差が米国やロシアよりも大きく、10.7倍に広がっていることが分かった。
 北京晩報が報じた。

 このほど開催された「第4回国民の収入分配と企業の報酬制度改革フォーラム」で、
★.高所得者上位20%と低所得者下位20%の平均収入の比較で、
★.中国は10.7倍
に達しており、
★.米国(8.4倍)や
★.ロシア(4.5倍)、
★.インド(4.9倍)
を大きく上回っていることが明らかにされた。

 国務院国有資産監督管理委員会研究センターの専門家は、
 「中国の収入格差は極めて不合理な段階に達しており、すでに生産力の発展に深刻な影響を与えている」
とした上で、
 「この問題を解決しなければ、生産力は今後、ますます低下する」
と指摘する。

 中国では、第一線の労働者の月収が2000元(約3万8000円)に満たない一方で、上級管理職は月2万~3万元(約38万~57万円)の高収入を得ていることも珍しくなく、こうした大きな格差が社会の安定に影響を与える要因となっている。

 国務院国有資産監督管理委員会企業分配局の専門家は、こうした状態を解消するためには、
(1):競合性を持つ企業に対する市場に応じた収入分配制度の導入
(2):不合理に高給、高収入な人員に対する予算と管理の強化
(3):給与総額とその他の所得を含めた総収入レベルによる二重の管理
(4):国有企業内部における報酬制度の改革推進
―など収入面でのさまざまな改革が必要だと語った。

 また、
(1):公平、公開な入社制度の全面的な推進
(2):問題を起こした職員に対する、退職を含めた責任制度の確立
(3):能力と成績に応じた抜擢や評価制度の確立など、雇用制度・評価制度の構築
についても指摘した。



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月12日 16時48分
http://www.recordchina.co.jp/a102300.html

中国人がタイに移住したがる6つの理由―中国メディア

 2015年2月9日、タイは地理的にも文化的にも中国に近く、中国からの移民の歴史も長い。
 研究者はここ10年間に起こっている移民ブームを「第3次移民ブーム」と呼んでいる。
 では、中国人はなぜタイに移民したがるのだろうか。
 旅行・移民・留学情報サイトの「英派旅行網」は、中国人がタイに移住する6つの理由を挙げた。

1」:ライフスタイルと環境
 新たなビジネスチャンスだけでなく、タイの雰囲気と環境を好む人が多い。
 中国の多くの都市と比較して、チェンマイは清潔で空気も良い。
 タイへの留学も比較的容易で、学費も欧米に比べればはるかに安い。
 生活コストも安く、就職先も多いため、若者の移民が多い。

2」:生活コストが安く福祉が充実、老後をタイで過ごす
 中国の大都市や西南地域の中産階級の人々にとって、チェンマイで老後を過ごすというのは悪くない選択だ。
 生活コストが中国の大部分の省都より安く、リタイアした欧米人が老後をタイで暮らすというトレンドがここ20年続いている。

3」:ビジネスチャンスと多元的環境
周辺のカンボジア、ミャンマー、ラオスに比べ、タイは先進的でインフラも充実し、人々の気質も開放的で穏やかだ。
 バンコク、チェンマイ、パタヤ、プーケットのような大都市・観光都市に移民するケースが増えている。

4」:コストパフォーマンスの高さ
 大都市の中産階級は改善の兆しのない大気汚染や、先行きの不透明感に不安を抱いている。
 移民先として、東南アジアはベストの移民先ではないかもしれないが、なんといっても中国に近く、コストパフォーマンスの面で安全感のある選択だと言える。

5」:産児制限がない
 人口の少ないタイでは政府が出産を奨励している。
 ここでは子どもを4人、5人持つことも不思議なことではない。

6」:自由に仏教修行ができる
 仏教国のタイでは、僧侶に出会うことが多い。
 中国では仏門に入る人は少なく、いたとしても厳しく過酷な条件が求められる。
 中国で出家するということは、うつ病を患ったか、何か大きな傷を受けたとみなされてしまうが、タイではそうではない。
 タイ人は出家をストレスの緩和、気持ちの切り替えの方法の一つであると考えており、好きなときに出家・還俗することができ、白い目で見られることもない。









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