2015年1月6日火曜日

中国からの撤退(1):自国へ戻る外資企業、パナソニックにホンダetc、中国から手を引く日本政府の思惑?

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●5日、パナソニックが海外で生産して日本に輸入している国内向けの製品について、今春から国内生産に切り替えていくと発表し、中国でも大きな注目を集めている。写真はパナソニックグループの中国工場。

 安倍内閣の円安誘導の本当の目的は
1].中国からの日本企業の撤退
2].韓国経済潰し
にある。
 中国に進出する日本企業はおおむね2つの産業にしぼられる。
1].中国で消費する製品を、その製品量だけ製造する生産業
2].サービスを主とする第3次産業
である。
 つまり、
★.中国で生産してそれを世界に売りさばくことを目的とする形での生産はもう中国では行われないか、その量は小さくなるということである。
 その目的の生産業は順次、日本に戻るか、ASEANへ出ていくことになる。
中国の「世界の工場」という標語は消えていき、「世界の消費市場」に変わっていく。
 問題は生産業が撤退したときに、果たして中国は消費市場として本当に生き残れるのか、ということになる。
 中国の発展は貿易に半分依存している。
 それが激減するような状況になったとき、消費はどうなるか。
 お札を刷ってお金をばらまき、公共投資を促進しtれ下支えすることになるだろうが、それで行かれるのだろうか。
 「中所得国の罠」に陥ることはないのだろうか。


2015年01月06日08時58分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/879/194879.html?servcode=300&sectcode=300

パナソニックにホンダ…続々と日本に帰ってくる海外工場

  日本企業の国内回帰が続々と表面化している

  日本企業が長期にわたる円高に苦しみ人件費が安い中国と東南アジアに生産拠点を移したのは1990年代から2000年代半ば。
 その後日本の国内製造業は空洞化現象に苦しめられた。
 工場が海外に出ていくと失業率も上昇した。

  その流れが10余年ぶりに変わっている。
 一時1ドル当たり70円台後半まで上がった円が1ドル=120円の円安に反転してだ。
 海外に出て行った日本企業は再び生産拠点を日本国内に移し始めた。
 円高の時は海外で生産し国内に持ってくる方が費用が少なかったが、円安になりそれだけ製造費用が上昇しているためだ。
 経済成長で中国や東南アジアの人件費が急騰したのも一因だ。

  海外に出て行った生産拠点が日本国内に定着すれば日本企業の設備投資だけでなく、雇用が増える効果も予想される。
★.これまで生産拠点の役割をした中国や東南アジアの工場は
 今後、現地消費者を対象とする製品を生産する側に特化する計画だ。
 読売新聞は5日、日本最大の家電メーカーのパナソニックが海外で生産し日本に逆輸入している洗濯機やエアコンなど家電製品の大部分を今春か順次日本国内生産に切り替えることにしたと報道した。
 対象品目は40品目に達する見通しだ。
  パナソニックの家電製品の日本国内売上額は約5000億円。
 このうち40%ほどを中国など海外で生産している。
 したがってこれを国内生産にシフトする場合、付随効果は相当なものになる見通しだ。

  読売新聞によると、パナソニックは円安が1円進むごとに家電製品の利益が年間18億円減少し、こうした状況で1ドル=120円台に進めばコストを節減するとしても大規模な収益減少が避けられないと「国内回帰」の背景を分析した。

  パナソニックはまず、ほぼ全量を中国生産に依存していた一般洗濯機の生産を静岡県袋井工場に回す。
 その後全量中国生産の家庭用電子レンジは神戸に、家庭用エアコンは滋賀県草津に拠点を移す。

 パナソニックだけではない。
 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は昨年12月のメディアとのインタビューで、
 「日本国内での年間生産を少なくとも10万台ずつ増やす方針」
と話した。
 日産の国内生産比率は2004年の40%から2013年には20%以下に落ちた。
 円高により海外に生産拠点をほとんど移したためだ。
 だが、円安によりこの路線を修正するということだ。

  ホンダも同様だ。
 原付バイクの生産の一部を熊本工場に移す方針だ。
 2002年に海外生産に方向を定めて13年ぶりの「国内回帰」だ。
 ホンダは1年前までも日本国内で販売する小型バイク11万9000台のうち90%を中国とベトナムで生産してきた。

  日本最大の機械メーカーであるダイキンは昨年からエアコン25万台の生産を中国から日本に切り替えた状態だ。
 キヤノンも日本国内生産比率を2013年の40%から今年は50%に増やす方針だ。

  こうした製造業者の国内回帰を首を伸ばして待っているのが日本の中小企業だ。

  電子機器に使われる樹脂部品切削加工業者のオーエムの場合、取り引きした大企業の海外移転で受注量が90%も減ったが、最近になり注文が1日に20件入ってくるなど回復の兆しが見えている。

  しかしトヨタなど相当数の日本企業は
 「円安がこのまま定着するのか、少なくとも2年は見守らなければならない」
として慎重な姿勢を見せている。
 一部では
 「中国と対立する安倍政権が円安を契機に
徐々に中国から手を引く側に雰囲気を誘導している側面もある」
と指摘している。
 実際に安倍首相は先月14日の総選挙前の遊説でも
 「(安倍政権発足後)円安により大企業が日本に戻っており、日本国内の雇用条件はさらに良くなるだろう」
と強調した。



レコードチャイナ 配信日時:2015年1月7日 8時32分
http://www.recordchina.co.jp/a100149.html

パナソニックが中国撤退?国内生産に切り替えへ
=「日中開戦か?」
「日本製品ボイコットなどと言っているが…」―中国ネット

 2015年1月5日、パナソニックが海外で生産して日本に輸入している国内向けの製品について、今春から国内生産に切り替えていくと発表し、中国でも大きな注目を集めている。

 今回の方針転換は円安が進んでいることや人件費が上昇していることを受けたもの。
 中国などで生産されている洗濯機やエアコンなどおよそ40種類の家電について、国内生産へと切り替えるという。
 これにより、国内の雇用の増加も期待される。

これを受け、中国のネットユーザーからは以下のようなコメントが寄せられている。

「出て行け」
「人件費のためだけじゃなく、中国の失業率を上げるのが狙いだろう」
「パナソニックは最初に中国にやって来た日本企業で、その後の日本企業の対中投資を促した。
 パナソニックが去ったら、日中は開戦するのだろうか」

「ほかの日本企業がこれに続きそうだな」
「日本回帰が日本製造業の新たな流れになるかもしれない」
「(製品が)高くなるんじゃないの?」

「支持する。
 品質がもっと良くなるだろう」
「良いことだ。
 中国だろうとほかの国だろうとメイド・イン・ジャパンはよく売れるから」
「日本製品ボイコットなどと言っているが、
 日本企業が去ってしまったら中国経済は急速に失速して、
 失業率が爆発的に増加する



レコードチャイナ 配信日時:2015年1月9日 20時56分
http://www.recordchina.co.jp/a100381.html

円安が加速、
パナソニックの生産が日本に回帰か―中国紙

 2015年1月7日、円安の加速を受けて、
 海外で生産し国内で販売するという日本のビジネスモデルの強みが徐々に力を失っている。
 メディアが伝えたところによると、家電大手のパナソニックは洗濯機、電子レンジ、家庭用エアコンなどの家電製品40数機種の生産を海外から日本国内へ回帰させることを検討中で、実現すれば日本国内の雇用増に貢献することになる。
 広州日報が伝えた。

 パナソニックは2013年6月の時点で白物家電の生産の国内回帰を検討していた。
 2014年5月には証券会社などの機関投資家向け説明会で国内回帰の計画を発表。
 当時、日本メディアの多くがパナソニック関係者の話として、円安が進めば国内回帰の規模がより拡大する可能性があると報じた。

★.生産の国内回帰にはもう一つ重要な要因があり、それは海外の生産地で人件費が上昇していることだ。
 日本にある工場の既存の設備を利用した場合、設備投資は数十億円程度に抑えられる見込みだ。

 パナソニック中国法人広報部の関係者は6日、
 「海外での家電生産の一部を日本国内へ回帰させることについて、現在、グループ内部で検討が進められており、最終的な結論はまだ出ていない。
 パナソニックの中国製品ラインが影響を受けるかどうかは調整中で、結論が出るまでわからない」
と述べた。

 パナソニックの財務報告によると、13年に赤字から黒字への転換を果たした後、14年第2四半期(4-6月)の利益は1770億円に達して前年同期比121%増加した。
 13年の中国および北東アジア地域での売上高は1兆3000億円に上った。
 中国にある関連会社は100社を数え、業務は製造、研究開発、販売など多方面に及ぶ。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)


 パナソニックすらも中国から撤退をしようとしている時に、中堅企業が中国に進出できるだろうか。
 大手企業もパナソニックの動きをみて、中国撤退に雪崩をうって参加することも考えられる。
 つまり、進出する企業が少くなくなり、撤退する企業が増える、ことになる
 中国はもうバラ色に染まったところではなくなっている。
 日本企業が中国を嫌ってASEANに進出することに中国は大声を上げて非難できる。
 だが、日本に帰るとなるとそれはできなくなる。
 座してその動きを見るしかなくなる。
 スモッグに似た暗雲が重く垂れ込める、産業廃棄物捨場になりつつある。


済龍 China Press 2015/1/16 15:07
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150116-00010005-cnpress-nb

日本:2014年中国に対する投資が4割縮小

 2015年1月16日、中国商務部が2014年の外資導入状況を報告した。

 中国2014年12月の実行ベース外資導入額(FDI)は、2013年同期と比較して10.3%増加し、133億2000万ドルに達した。
 ただし、
★.2014年の実行ベース外資導入総額は、2013年比「1.7%増」の1195億6000万ドル
にとどまっている。

★.2014年、日本からの中国に対する投資は、2013年同期と比較して
 「38.8%の大幅減少」
を示し265億7000万ドルにとどまっている。
★.アメリカからの中国に対する投資についても、2013年同期比で
 「20.6%減少」
し、163億6000万ドルとなった。

★.一方、韓国からの中国に対する投資は、2013年同期と比較して
 「29.8%の大幅増加」
を示し、243億5000万ドルに達している。


 つまり、日本の投資が減り、韓国が代わって中国投資を実行していることになる。
 そして、日本と韓国の中国投資額はほぼ同じになりつつある。


サーチナニュース 2015/01/18(日) 06:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0118&f=business_0118_004.shtml

中国への直接投資額 
増加する国・減少する国

 中国商務部は15日、2014年1-12月における日本の中国に対する直接投資額が
★.265億7000万元(約5000億円)にとどまり、前年比38.8%減
だったことを発表した。

 商務部の統計によれば、
★.日本の対中投資額は国・地域別で香港、シンガポール、台湾に続いて4番目
の多さだったが、前年に比べて38.8%の大幅な減少だった。

 さらに、
★.米国の対中投資額は163億6000万元(約3070億円)で、前年比20.6%減
だったほか、
★.EU28カ国による対中投資額は420億7000万元(約7900億円)で同5.3%減、
★.ASEAN諸国は399億8000万元(約7500億円)で同23.8%減
だった。

 一方、
★.韓国の対中投資額は243億5000万元(約4500億円)で前年比29.8%増、
★.英国は83億3000万元(約1560億円)で同28%増
だった。
★.日本や米国、EU、ASEAN諸国が対中投資を減らすなか、
 韓国と英国が大幅に対中投資額を増やしている
ことが浮き彫りとなった。

 中国メディアの参考消息は16日、日本の対中投資額が大幅に減少したことについて、日本メディアの報道を引用し、「日中関係の悪化」や「人件費、店舗や事務所の賃料の上昇」があると伝え、多くの企業が生産拠点を東南アジアへ移転させていると紹介した。

 日本や米国が中国への直接投資を減少させたことについて、中国の簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)では
「わが国では2年前から企業の撤退が始まっていたよ」、
「世界規模で対中投資が減っているということか」
などのコメントが寄せられていた。

 また、
「どおりで最近は中国政府の日本への態度が軟化してきたわけだ」、
「日本の対中投資が激減しているのに、中国人は日本を観光で訪れ、多額の消費をしている。
 嘆かわしいことだ」
といった反応も見られ、
 日本企業の撤退や投資の減少を喜ぶ声はほとんど見られなかった。

 「香港、シンガポール、台湾」の上位3カ国は中華圏にある。
 その後に日本がきている。
 とうことは、外資の形でみると日本が最上位になる。
 それが中国から急速に撤退をはじめているというわけである。
 日本の撤退に反比例して、中国進出を加速させているのが韓国。
 おそらく今年あたりは韓国が日本を抜くことだろう。
 EUはなにしろ28カ国あるのだから、どうにも評価できない。
 よってころを脇に除くと次にくるのがアメリカとなる。
 ここも2割も減らしている。
 イギリスが増やしているといってもアメリカの半分にすぎない。
 よって、中国の投資は今後、中華圏と韓国で支えることになる。
 ということは、中国は朝貢国によって動いていくことになる。


2015年01月26日10時57分 [ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/774/195774.html?servcode=300&sectcode=300

韓国企業の中国投資額、8年間で最高

  昨年の韓国企業の対中国投資が8年ぶりに最高値を記録したことが分かった。
 韓中自由貿易協定(FTA)締結などの影響で現地投資が増えた結果だという分析だ。

  韓国貿易協会〔韓悳洙(ハン・ドクス)会長〕北京支部は
 昨年、韓国企業の対中国投資額が「39億7000万ドル」で前年対比29.7%増加したと25日明らかにした。
 これはグローバル金融危機直前の2006年(39億9000万ドル)に肉迫する数値で、8年ぶりの最高値となる。
 対中国投資額累計は598億2000万ドルで事実上600億ドル投資時代に突入した。

  韓国企業の対中国投資が増える中で、日本の対中国投資(43億3000万ドル)との差は3億ドル程度に狭まった。
 韓国と日本は2007年も年間投資額が30億ドル中盤と似たような水準だったが、グローバル金融危機後に韓国は20億ドル台に減り、日本は70億ドル台に増えた。

  日本はしかし中国との領土問題などの影響で投資額が2013年の70億6000万ドルから昨年は43億3000万ドルと1年間で38.8%減った。

  韓国の対中国投資が大きく増えたのは昨年に韓中FTAが妥結して韓国企業の中国の内需市場進出に対する関心が大きくなったことに伴うものだと貿易協会側は分析している。



レコードチャイナ 配信日時:2015年1月18日 23時15分
http://www.recordchina.co.jp/a100859.html

日本企業の国内回帰、専門家「中国への影響は限定的」―中国紙

 2015年1月16日、円安が加速しているのを背景に、パナソニックやシャープなどの日本の家電メーカーが海外生産拠点を国内回帰させる動きを見せている。
 日本政策投資銀行(DBJ)の調査でも、日本の「製造業の国内回帰」が加速しそうな傾向にある。
 しかし、北京大学経済学院の曹和平(ツァオ・ホーピン)教授は、
 「日本企業の国内回帰は中国企業の競争力が強まっていることを側面的に示している。
 以前は中国が日本企業の技術や管理方法を学んでいた。
 しかし今は日本企業が国内回帰しても、中国の経済に対する影響は限定的だ」
との見方を示した。
 環球時報が伝えた。

 日本メディアによると、パナソニックは最近、中国で生産し日本に逆輸入している洗濯機や電子レンジなど家電製品約40種類について、2015年春から日本国内にある工場で生産する方針を固めたと発表した。
 同社が日本国内で販売している洗濯機やエアコンの50%はこれまで中国で生産されていた。
 シャープも、中国で生産している液晶テレビや空気清浄機、冷蔵庫を、日本で生産することを検討している。
 報道によると、日本での生産に切り替えるのは主に高付加価値商品で、安価な家電商品や利益の薄いデジタル商品はこれからも海外で生産する予定という。

 人件費の高騰などを理由に、日本の家電メーカーは1980年代から、生産拠点を中国などに移し始めた。
 しかし、アベノミクスにより円安が進み、海外生産のメリットが薄れている。
 パナソニックの試算では、円がドルやユーロに対して1円安くなると、家電関連の利益が年間でおよそ18億円減少する。
 中国の人件費高騰も海外生産の魅力減につながっている。

 しかし、円安を引き金とする生産の国内回帰は海外市場を失うというリスクが伴う。
 また、日本で人材が不足しているという問題も忘れてはならない。
 ある経済学者は、
 「為替相場は常に変化するものであるため、
 円安を理由にした日本企業の国内回帰は自殺行為
と警笛を鳴らしている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/TF)


 去りゆく日本企業に相当な危機感を感じている
ようである。


ロイター 2015年 01月 20日 14:30 JST
http://jp.reuters.com/article/jp_view/idJPKBN0KT09L20150120

視点:日本経済の創造的破壊を阻む3つの壁=カッツ氏

[東京 20日] -
  米国でジャパンウォッチャーとして知られるリチャード・カッツ氏(オリエンタル・エコノミスト・アラート代表)は、
★:日本経済の3つの構造問題として、
1].産業の新陳代謝の停滞、
2].転職労働者へのセーフティーネット不備、
3].貿易依存度の低さに象徴されるグローバル化の遅れ
を挙げる。

同氏の見解は以下の通り。

■<「創造的破壊」を担う企業の不在>

 日本経済の持続的成長にとって最も重要なのは、1人当たり国内総生産(GDP)の伸びを加速させるべく、アベノミクスの「第3の矢(成長戦略)」を単なるスローガンや耳に心地いい目標ではなく、労働や資本の生産性を上げるための実際の行動に変えることである。

 金融・財政の刺激策は、構造改革という外科手術のための麻酔として使うべきだ。
 労働および資本の生産性を上げる鍵となるのは、競争の活発化であり、「創造的破壊」の促進だ。
 日本で新参企業が既得権益層に取って代わるのは、他の先進国に比べてはるかに難しい。

 かつての花形産業だった電機産業が陥っている苦境に目を向けてみよう。
 以前のソニーのように何十年にもわたって超優良企業としてあり続けるというのは、どんな会社であれ非常に難しいことだ。
 だからこそ、ある企業が傾いてきた時には、新しい企業と入れ替わるという産業の新陳代謝が必要になる。

 米国では、新たな技術は通常、古い技術に金銭的・感情的なしがらみが何もない新しい企業によって促進される。
 現在の米国の大手電機メーカー21社のうち、8社は1970年にはまだ存在さえしていなかった。また、6社はわずか十数年前でさえ、規模が小さすぎて米経済誌フォーチュンが選ぶトップ500社に入っていなかった。

 対照的に、日本では過去何十年間も、電機産業のトップに新規参入企業は現れていない。
 新たな技術が生まれると、パナソニックやソニー、富士通、NECなどが新たな部門を立ち上げるのが常だ。
 それゆえに、こうした企業は過去と未来の間で方向感が定まらず、創造的破壊が遅れがちになる。

 日本は先進国中、企業の開業率も廃業率も最低水準にある。
 創造的破壊を推進するどころか、経済産業省は「大きいことは良いことだ」とばかりに、半導体分野などで事業統合を促した。
 鉄鋼業や石油精製業など他の産業でも同じことが繰り返されてきた。

■<保護されるべきは転職を選ぶ労働者>

★.創造的破壊を促すには、日本には労働改革が必要だ。
 現在、労働改革や労働の柔軟性と呼ばれているものは、単なる賃下げに過ぎない。
 非正規雇用は正規雇用に比べて賃金が大幅に低い。
 非正規雇用者は研修やトレーニングの機会も極めて限られているため、正規雇用へのチャンスも低く、新たな技術を吸収する土台となるスキルの成長も遅くなる。
 日本もオランダのように、同一労働同一賃金を法制化する必要がある。

 加えて、労働の柔軟性には、強固な公的セーフティーネットの整備が求められる。
 現時点では、労働者のセーフティーネットは事実上、現在働いている会社の現在の仕事に限られている。
 日本には、北欧諸国などが採用している「フレキシキュリティ」のような仕組みが必要だ。

 フレキシキュリティは、雇用の柔軟性と労働者保護を両立する。
 保護されるのは特定の仕事ではなく、転職をする労働者だ。
 日本的なシステムでは転職を繰り返す労働者は不利益を被りがちだが、フレキシキュリティにはしっかりとした失業補償のシステムが存在する。
 ある研究によれば、実質的な失業給付の所得代替率は経済協力開発機構(OECD)の平均で見れば30%だが、日本では典型的な失業者の場合、10%と極めて低い水準になっている。

 スウェーデンやデンマーク、オランダは毎年、労働者の転職を支援する「積極的労働市場プログラム」に国内総生産(GDP)の約1.5%を投じている。
 デンマークでは常時、失業者の30─40%が、技能訓練校や企業での補助金付きトレーニングに参加したり、従来の仕事で新しい職を見つけられない場合は再訓練を受けたりしている。
 低スキルの長期失業者を雇用する企業に対しては一時的に補助金が支払われたりもしている。
 また厳しい規則により、こうしたプログラムによって雇用されている労働者が正規雇用者より安い賃金で働くことが未然に防がれている。

 歳出削減の必要がある日本に(デンマークのような)プログラムを導入する余裕がないと言うなら、それは「安物買いの銭失い」だ。
 生産性の向上で成長が高まれば、税収の増加につながるからだ。

■<TPPは国内改革の触媒として有効>

 中国からポーランドやスウェーデンに至るまで、改革が成功した経験のある国ではほぼ例外なく、「グローバル化」の高まりがその一翼を担ってきた。
 国際貿易が増えれば、競争は強まる。
 外国直接投資が増えれば、競争のみならず技術の移転も起こり、そこでは新たな考え方も輸入される。
 日本の自動車産業が米国に「移植」されたことで、デトロイトの米自動車大手3社には効率性がもたらされた。

 しかし日本はまだ、GDPに対する輸出入の比率が主要国の中で最も低い国の1つである。
 多くの産業は依然として輸入を締め出す方法を模索している。
 例えば鉄鋼製品は、多くの製品で日本国内の価格より世界価格の方が安いにもかかわらず、輸入品の市場シェアはまだ低い。

 独占禁止法の「不当な取引制限」の条項も、積極的に運用されているとは言えない。

 さらに、海外からの対日直接投資は非常に低い水準のままだが、身売りを望んでいない日本企業を外資系企業(日本企業でさえ)が買収することが極めて難しいのも大きな要因だ。
 本物の「企業支配権市場」は、経営者に業績改善を迫ったり、退陣を求めたりするものである。

 環太平洋連携協定(TPP)のような自由貿易協定は、国内改革のための触媒として使うべきだ。
 ただ残念ながら、安倍政権は、そうは見ていないようだ。

*リチャード・カッツ氏は、オリエンタル・エコノミスト・レポート&アラート代表(編集長)。ニューヨーク大学スターンビジネススクール助教授、米外交問題協議会特別委員会委員などを歴任し、現職。日本に関する著作が多く、日米関係や日本の金融危機について米国議会で証言も。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2015年の視点」に掲載されたものです。(こちら)



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/01/26(月) 06:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0126&f=business_0126_005.shtml

日本企業が「円高メリット」に見切りか
・・・「国内回帰」する電子機器メーカー=中国メディア


 中国メディアの中国新聞社は20日、円安を背景に日本の電子機器メーカーが日本国内に生産拠点を移管し始めているとし、
 「メイド・イン・ジャパンは再び世界を席巻できるか」
と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本で生産された家電がかつて一世を風靡していたとしつつも、中国と韓国企業の台頭によって日本企業は徐々に勢いを失ったと指摘。
 その一方で、
 「アベノミクスによって円安が起きたうえに、アジアの各地で人件費が上昇していることから、
 日本企業の多くが国内に生産拠点を移管し始めている」
と紹介した。

 続けて、日本企業はこれまで円高を背景に、人件費の安い国に生産拠点を設けていたと指摘する一方、日本円は2012年の1ドル=約80円から1ドル=117円ほどまで円安が進行したため、
 「日本国内で製品を作るうえでの採算性が向上した」
と指摘した。
 さらに、
 日本の電子機器メーカーのキヤノンは今後、カメラやコピー機のほか、医療設備の日本国内での生産比率を現在の40%から60%に引き上げる計画だと紹介したほか、
 シャープも空気清浄機や冷蔵庫、テレビの海外における生産ラインを国内に移管する計画と紹介。
 また、ソニーが350億円を投資し、国内の生産能力を引き上げる計画を発表していることを伝えた。

 一方で記事は、
 「すべての日本メーカーが国内に回帰しようとしているわけではない」
とし、トヨタやホンダ、日産などは生産ラインを国内に移管させる動きを特に見せていないと紹介。
 また、
 電子部品メーカーの村田製作所は海外の生産比率を2015年3月までに30%まで引き上げる
と伝えた。

 続けて、一部の分析を引用し、
 「高齢化が深刻化する日本では経済が停滞しており、企業も経済成長を楽観視できない状況」
としたうえで、一部の日本企業は生産ラインを国内に移管すると同時に海外での生産も継続し、円高のリスクに備える姿勢を見せていると伝えた。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/01/30(金) 06:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0130&f=business_0130_005.shtml

「ジャパン・メイド」の活用好機! 
生産ラインの「自国回帰」が相次ぐ日本企業=中国メディア

 中国メディアの人民日報は28日、
 「シャープやパナソニックといった日本の家電メーカーの巨頭が相次いで、一部製品の生産ラインを中国から日本に移すと発表した」
と伝え、日本のメーカーが「メイド・イン・ジャパン」というブランド力を活用する好機だと論じた。

 記事は、日本政策投資銀行(DBJ)のデータを引用し、
★.2013年4月から14年3月にかけての日本国内における設備投資は前年比1.7%減、
★.海外における設備投資は13.7%増
だったと紹介。
 さらに、
★.14年度は形勢が逆転し、
 「海外における設備投資は1.6%減、国内における設備投資は14.7%増となった」
と伝え、データを見ただけでも日本の製造業が国内回帰を加速させていることが分かると論じた。

 続けて、日本企業の海外投資は日本円の為替レートと密接な関係があり、近年の日本の製造業の国内回帰は主に円安が原因だと指摘。
 日本の製造業は1980年代より国内の人件費上昇などを背景に新興国へ工場を移転させていたが、アベノミクスによって円安が加速したことで海外生産のメリットがなくなったと指摘した。

 さらに、パナソニックの場合、日本円がドルに対して1円安くなると家電事業の営業利益が日本円で18億円も減少すると伝えたうえで、円安は今年も継続する見通しであることから製造業の国内回帰は今後も継続する可能性を指摘。

 続けて、今なお「メイド・イン・ジャパン」というブランドに、より多くのお金を支払おうとする消費者もいるとしたうえで、日本の製造業が国内に生産を移管する製品の多くは「高付加価値の製品」であるため、「メイド・イン・ジャパン」というブランド力を活用する好機でもあると論じた。



サーチナニュース 【経済ニュース】 2015/04/13(月) 06:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0413&f=business_0413_002.shtml

日本企業の「生産拠点」、
海外からの「大規模撤退」は起きない?=中国メディア

 中国メディアの騰訊財経は9日、円安を背景に日本企業が海外の生産拠点を国内に回帰させているとの報道があることを紹介し、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスが
 「大規模な国内回帰は起きない」
と分析していると報じた。

 記事は、日本のメーカーがこれまで海外に生産拠点を置くことを重視してきたと伝え、その目的は
 「グローバルな規模で生産および販売を最適化し、企業価値を最大化すること」
にあったと指摘。

 さらに、日本のメーカーが生産拠点を海外に置く動機となったのは
 「海外に大きな需要」があったことも要因の1つだとし、日本国内の需要が拡大し続けたのであれば企業もリスクを背負ってまで海外に生産拠点を移さなかった
と主張した。

 続けて、長期にわたる円高が日本のメーカーの海外移転を促進したとし、ゴールドマン・サックスが
 「今後数年にわたって円安が続く」
と予測していることを紹介する一方、
 「メーカーが海外に工場を移転する速度は鈍化するが、
 それでもメーカーの海外生産比率は今後も上昇を続ける」
と予測していると紹介。

 さらに、その理由として、多くの日本企業が
★.今後5-10年で現在の円安傾向が終わる
と見ていることを挙げたほか、
 日本は生産年齢人口が減少を続けており、労働市場の需給バランスが崩れているため、海外に比べて労働者の確保が困難であることを挙げた。







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