2015年1月22日木曜日

インドの中国と南アジアをめぐる綱引き:スリランカをめぐって、そして日本製潜水艦の導入の思惑

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ロイター 2015/1/22 18:50 ロイター
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150122-00000063-biz_reut-nb

焦点:中国けん制強めるインド、オバマ訪印で「外交転換」加速へ

[ニューデリー 21日 ロイター] -
 スリランカで今月実施された大統領選挙は、3選を目指したマヒンダ・ラジャパクサ氏が敗れ、
 2005年以来の政権交代が実現した。
 これは中国の南アジア進 出戦略にとって過去数十年で最大の後退を意味する一方、
 インドにとっては価値ある外交的勝利となった。
 インド政府は否定するものの、地域の外交筋や政治家らは、親中派のラジャパクサ氏の追い落としにインドが一定の役割を担っていたと指摘している。

 スリランカのマイトリパラ・シリセナ新大統領は、外交政策面ではインドが「第一の主要な関心事」だと表明し、前政権が中国企業と契約していたプロジェクト をすべて見直す方針を明らかにした。
 それには、中国にインド洋進出の戦略的足がかりを与えるコロンボの開発プロジェクトも含まれている。

 インドは昨年5月にモディ新政権が誕生して以降、中国に対するけん制を強めてきた。
 中国と領有権問題で対立する日本やベトナムとの関係を強化し、中国企業が先行するバングラデシュの港湾開発プロジェクトにも割り込んだ。
 モディ首相が掲げるインドの新たな外交政策「アクト・イースト(東方へ動く)」は、アジア重視路線に舵を切った米国も歓迎している。

 25日から訪印するオバマ米大統領は、ニューデリーで26日に行われる共和国記念日式典に主賓として出席する。
 また、大統領の外遊としては異例なことに、今回は他国には寄らずインドのみの単独訪問となる。

 ダニエル・ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は先月、ワシントンで
 「われわれにとって魅力的なのは、モディ首相がルック・イースト(東方を見 る)からアクト・イーストへの強化を約束したという事実だ」
とコメント。
 「より広い問題に関与することへの関心を言葉と行動で示している。
 それは多いに歓 迎されることだ」
と評価した。

 スリランカのラジャパクサ前政権に対しては、戦争犯罪や汚職、縁故主義に対する批判もあり、オバマ政権も嫌悪感を隠そうとしなかった。
 ただ、インドは昨年 までは、おそらくはラジャパクサ氏が中国に一段と接近することを警戒し、スリランカに対しては中立的な態度を保っていた。

★.それが変わったのは昨年9月、ラジャパクサ前政権がインドに事前通達せず、中国の潜水艦をコロンボに寄港させたことだ。
 インド側は、今年モルディブを含む3国で締結した協定に基づき、事前に知らせるべきだったとしている。
 インドの上級外交官はロイターの取材に「あれが我慢の限界だった」と言明。
★.同外交官の話では、スリランカ側から「次回はインドに通達する」との言質を引き出したが、その約束も11月に再び潜水艦が寄港したことで破られた。

 複数の外交筋や政界筋によると、インドは1月8日に投開票されたスリランカ大統領選に向け、通常はまとまりのない野党勢力を結集させるべく影響力を行使したという。

<非同盟主義からの脱却>

 スリランカ当局は16日、総面積約230ヘクタールに及ぶコロンボでの港湾都市開発計画に関し、中国交通建設と交わした総額15億ドル(約1770億円)の契約を見直す方針を明らかにした。
 契約で中国側は投資の見返りとして、開発地の土地を租借できることになっていたが、これは海上貨物輸送の多くがコロンボ港経由であるインドにとって大きな懸念材料だ。
 スリランカ新政府による契約見直しについて、インド外交筋は
 「わが国の安全保障上の懸念を無視しないという明確なメッセージだ」
と語っている。

 モディ首相は、南アジアの他の場所でも同様の吉報を求めている。
 インドと中国に挟まれたネパールには、同国首相として17年ぶりに公式訪問。
 長く遅れていたインフラ開発の協力などで合意した。
 インドはまた、バングラデシュが開発を望んでいるベンガル湾ソナディアでの80億ドルに上る深水港プロジェクトへの関与も強めている。
 同プロジェクトは中 国港湾工程有限責任公司(CHEC)が入札で先頭に立っているが、インドのアダニ・グループも昨年10月に開発案を提出した。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のリチャード・ロソウ氏は
 「モディ首相は自国周辺に限らず、南シナ海での海洋安全保障のほか、北朝鮮問題やイラクやシリア でのイスラム国の問題など、長期的課題への関与に意欲的だ」
と指摘。
 インドを国際的な安全保障の担い手として考える時が来ているとの認識を示した。

 インドと米国は、パキスタンに対する姿勢で完全に一致したわけではない。
 インドの伝統的な仇敵であるパキスタンに対し、米国は多額の資金援助を行ってきた。
 ただそれでも、モディ首相の姿勢は、非同盟主義を保ってきた従来のインドの外交政策とは一線を画す。

 ニューデリーに拠点を置くシンクタンク、代替政策センター(CPA)のモハン・グルスワミ所長は 
 「米国の大統領を(インド)共和国記念日式典に招くのは良いことだ。
 それは中国にとって、インドとの関係を修復しなくてはならないという戒めになる」
と語った。

(原文:Frank Jack Daniel、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)      



サーチナニュース 2015-01-20 11:43
http://news.searchina.net/id/1557907?page=1

中国ショック?
・・・スリランカ「対中方針見直し」にページ特設、
「両国関係の前途を信じる」と強調


 中国政府・外交部は19日、公式サイトに新たなページを設けて、9日に就任したスリランカのシリセナ新大統領が対中関係を見直す意向であるとされることについて、
 「中国とスリランカは友好的な隣国だ」、
 「中国・スリランカ関係の前途を信じる心でいっぱいだ」
などと述べた。
 中国はスリランカのラジャパクサ前政権と、経済協力などを通じて親密な関係を構築した。
 中国の思惑には「インド牽制」などがあったことは明らかだ。
 スリランカ新政権がインドとの関係を強化すれば、中国の外交戦略が変更を余技なくされる可能性がある。
 外交部がページを特設して対スリランカ関係について論じたことは逆に、
 中国政府の“ショック”を示すものと理解できる。

 中国とインドは過去、領土問題を巡って戦火を交えたこともある。
 両国とも現在は「平和共存」を目指しているが、“対抗関係”にある状況に変わりはない。
 中国はインドと対立するパキスタンとは、極めて密接な関係を構築してきた。
 スリランカとは、ラジャパクサ前大統領の政権時に接近。
 中国は日本を抜いて、スリランカへの最大の経済支援国になった。
 スリランカは2014年に、中国の潜水艦の寄港を認めるなどした。
 中国の潜水艦の海外寄港は初めてだったとされる。

  スリランカにとって、中国との接近はインドとの対立を招きかねないリスクがある。
  また、スリランカが中国の経済支援により恩恵を受けたのは事実だが、3選を狙ったララジャパクサ前大統領に対して「親族による利権独占」との批判が高まった。
 中国の大規模な経済支援にも絡んで「腐敗的体質の導入」までしてしまったことが、政権交代の大きな要因になったと言える。
  また、ラジャパクサ前大統領には2009年まで続いた内戦時に、いわゆる少数民族のタミル人に対して無差別攻撃を行ったとの指摘があり、国連人権委員会は2014年に調査を求める決議を行った。

  中国政府・外交部が19日に設けたページは、洪磊報道官が記者の質問に対して応える形式のもの。
 中国政府が「特に説明しておきたい」と望むことがらについて、時おり用いる方法だ。
   洪報道官は
 「中国とスリランカは友好的な隣国だ。
 両国関係は時間による試練を経ており、基礎部分がしっかりとしている」
と説明。
  自国の習近平国家主席がシリセナ大統領の当選を祝賀する電報を送ったが、シリセナ大統領の返電には
 「スリランカ・中国のパートナーシップを新たな段階に引き上げる」、
 「両国の経済協力と中国の対スリランカ投資に有利な条件を作る」、
 「スリランカで進行中の中国との重要な合弁プロジェクトと各分野での協力の展開は継続する」
などと述べたと説明。
  洪報道官は
 「われわれはシリセナ大統領と新政権のスリランカ・中国関係に対しての積極的な態度を高く評価する。
 中国・スリランカ関係の前途を信じる心でいっぱいだ」
などと述べた。
  スリランカのラジャパクサ前大統領には、欧米を含め国際社会で孤立しかねない状況を招いたとの批判もあった。
 シリセナ大統領は就任後「国際社会との関係を改善する」と強調した。
 特に、日本やインドとの関係を重視するとみられている。


レコードチャイナ 配信日時:2015年2月1日 17時30分
http://www.recordchina.co.jp/a101689.html

日本はインドに潜水艦を輸出することで中国に報復?
米メディアの報道に「中国の潜水艦能力の方が上」―中国ネット

 2015年1月30日、環球網が米メディアの記事を引用し、インドが同国海軍の次期主力潜水艦候補に日本のそうりゅう型を検討していることを伝えた。

 環球網は、米メディアの記事を引用し、
 「インド政府は6隻の新型潜水艦・そうりゅう型をインドで共同製造するよう日本政府に要請した。
 中国との関係において劣勢に立たされている日本は、これにより中国に対する報復を実現しようとしている」
と伝えた。

 このニュースに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
 以下はその一部。

「中国に報復?
 俺たちは日本を侵略したことはないけど」
「インドがお金を出して日本のものを買うことが、なんで中国への報復になるのか意味が分からない」

「これは中国に対する報復じゃなくて、フランスやドイツに対する報復だろ。
 日本人はフランスやドイツから商売を奪い取ろうとしているのだから。
 中国とは関係がない」
「インドは中国の戦略的な敵ではないし、大きな戦争をしようとも思っていない。
 潜水艦を売ることと中国と何の関係があるのだ?
 売りたければ売ればいい。
 それを中国に対する報復とか言うんじゃない」

「だったら中国は北朝鮮やパキスタンに東風21号などの弾道ミサイルを売ればいいさ」
「6隻なんて少なすぎだし、そうりゅうなんて低レベルの潜水艦だ。
 もっといいものを輸出すればいいのに」
「中国の潜水艦の能力は日本の潜水艦を超えている。
 ンドは後悔することになるだろうよ」



レコードチャイナ   配信日時:2015年2月2日 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/a101728.html

インドが日本政府に「そうりゅう」型潜水艦の共同生産を要請
=「なぜ日本?」
「日本は断るだろ」
「武器輸出だけどいいの?」―中国ネット

 2015年1月31日、インドが次期主力潜水艦の共同生産を日本政府に要請したとする海外メディアの記事を、中国各紙が紹介した。

 29日付の英誌ジェーン・ディフェンス・ウィークリー(電子版)によると、インド政府はこのほど日本政府に対し、インド海軍の潜水艦隊増強計画「プロジェクト75インディア」への参加を要請。
 そうりゅう型潜水艦(4200トン)をインドで共同生産するよう提案した。

 インド政府はこれより前に、日本政府と16億5000万ドルで新明和工業製の救難飛行艇・US-2飛行艇12機の購入に関する話し合いを行っているという。

この報道に、中国のネットユーザーは批判的だ。以下は主なコメント。

「日本は武器輸出ができないんじゃないの?」
「安倍になって変わったんだよ」
「日本は断るだろ。 
 共同生産なんて」
「金もうけできるから日本は断らないよ」

「なぜ日本?
 中国製でいいじゃん」
「やっぱり日本製なんだよ。
 でも高いぞ。
 インドに買えるのか?」

「中国の周りはアホな国ばかり」
「中国包囲網を作ってるというわけだ」



レコードチャイナ 配信日時:2015年2月23日 10時50分
http://www.recordchina.co.jp/a103006.html

インドのモディ首相が中印係争地域を訪問、
中国は厳重な申し入れ―中国メディア

 2015年2月22日、インドのモディ首相は今月20日、中印国境東部区間の係争地域を訪問した。
 インド駐在中国大使館は、同日夜インド側に申し入れを行った。
 21日、中国外交部の中国劉振民(リウ・ジェンミン)副部長も中国駐在インド大使に対し、厳重な申し入れを行った。

 劉振民副部長は次のように指摘した。
 中国側は中印国境問題に対する立場は一貫して明確だ。
 中印国境東部区間に大きな係争があることは周知の通りで、避けられない客観的な事実だ。
 中国政府はインドが自ら設置したいわゆる「アルナーチャル・プラデーシュ州」を認めたことがない。
 インド側の指導者が係争地域を訪れ活動することは、中国側の領土における主権と権利を損害し、両国の国境問題における食い違いを人為的に突き出し、双方の妥当に国境問題を処理するとの原則と共通認識に違反した。
 中国側はそれに対して猛烈に不満の意を表明し断固として反対する。

 劉振民副部長はまた次のように強調した。
 中国側は中印関係の発展を重視している。
 隣国であり、最大の発展途上国である両国の各レベルにおける協力は、広い未来性を持っている。
 インド側には、両国関係における発展の良い勢いを大切し、中国側と向かい合うよう歩き、双方が国境問題で達した重要な共通認識を守り、問題を複雑化させる行動を取らず、二国間の談判で国境問題を解決する全体方向を堅持し、両国関係における発展の大局を維持するよう望んでいる。

(提供/新華網日本語版・翻訳/呉寒氷・編集/武藤)



2015年02月27日 03時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150226-OYT1T50195.html?from=ytop_main1

インド、海自の救難飛行艇購入へ…ロシア製退け

 【ニューデリー=石田浩之】
 インド国防省は26日、海上自衛隊の救難飛行艇「US2」を日本から購入する方針を固めた。

 28日にも防衛調達委員会を開き、正式決定するとみられる。
 複数の同省高官が明らかにした。日印政府間の本格交渉が始まることになり、
 購入が実現すれば、昨年4月に閣議決定された「防衛装備移転3原則」に基づく初の本格的な輸出例となる。

 同省高官らによると、ロシア製の救難飛行艇も候補に挙がったが、高波の海面で離着水可能など性能面で優れたUS2の購入で意見がまとまったという。
 最初に数機購入し、最終的には十数機導入するとみられる。

 日印両国は2013年5月の首脳会談で、US2のインドへの輸出実現に向けた協議実施を決定。
 これまでに合同作業部会が3回開かれた。
 日本はUS2の輸出で、インドとの海上での安全保障協力を強化する構えだ。
 インドは日本との協力で、インド洋で影響力拡大を図る中国をけん制する狙いがある。



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年02月27日(Fri)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4746

中国を念頭に接近する米印

 フォンテイン新米国安全保障センター(CNAS)会長は、オバマ大統領のインド訪問に関し、1月26日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、台頭する中国を念頭に、米印関係の強化は双方の利益になる、と述べています。


 すなわち、パキスタンが主要議題となったこれまでの米印首脳会談と違って、今回は中国の挑戦が主題となろう。
 対中政策とインド太平洋の安全保障関係の深化は、米印両国のプラスになる。

 今回のオバマの訪印は、現職米大統領として2回目の訪印となる前例のないものであり、又、米大統領がインドの共和国記念日の主賓になるのも今回が最初である。
 米印関係は、ここ数年、協力をなかなか強化できなかった。
 それゆえ、オバマとモディが価値の共有だけではなく、共通の戦略利益に基づく関係強化を打ち出したのは評価できる。

 台頭する中国による潜在的な問題を減少することは、米印の共通利益となる。
 双方とも中国の封じ込めを求める訳ではないが、将来の不確定さをヘッジするため、関係強化を通じて中国の力を均衡することが利益となる。

 中印間の問題は、国境紛争に限られない。
 インドは、中国のパキスタン、スリランカ、ネパール及びミャンマーへの接近やインド洋への軍事展開を懸念している。
 モディ首相が、豪州、日本、ASEANとの関係強化に動いているのは賢明だ。
 対米関係では、防衛装備の共同生産、合同軍事演習、南シナ海問題への連携、米印日関係の強化、米印日豪4カ国対話の再開等を進めて行くことができる。

 しかしながら、中国周辺にある国々との関係強化はインドにとってジレンマでもある。
 モディは経済利益が最大になるような国際関係を模索している。
 このことは、出来るだけ多くの国と生産的な関係を構築することを意味する。
 インドのこの「全方位外交」は、中国を含めた主要国との関係の緊密化を図る一方で、特定の国を排除し他の国を選択するようなことは避けるということも意味する。

 これではインドがいうグローバル・リーダシップにはならないかもしれないが、米印ともに、中国の孤立を求めるものではないとしても、海洋問題、国境問題、サイバー・セキュリティー等議論のある問題につき自己の立場を明確にすることは避けて通れない。
 オバマ訪印の後、インドがいつまでその諸外交課題を同時にやりくりしていくことができるか、注目される、と述べています。


出典:Richard Fontaine ‘New Delhi and Washington’s China Convergence’(Wall Street Journal, January 26, 2015)
http://www.wsj.com/articles/richard-fontaine-new-delhi-and-washingtons-china-convergence-1422294400

* * *

 今回のオバマ大統領の訪印は、現職の米大統領として2回目の訪問となる等、前例のない重要な訪問となりました。
 モディ首相は、自らオバマ大統領を空港に出迎えました。
 インドの外交慣例からは異例のことだそうです。

 上記論説で、フォンテインは、米印関係強化の重要性を強調しています。
 米国の対印関係強化への転換は、ブッシュ政権の時代にさかのぼります。
 中国の台頭を踏まえたバランス戦略として、自然な政策決定でした。
 その後、日本等も、対印関係強化に努めていることは良いことです。
 なお、インドとの関係強化が、中国に過度の懸念を与えないように考慮していくことも重要でしょう。

 中国は、増大する力を以て、最近では、南西アジアや中東方面に向けて、一帯一路構想を打ち出し、その実現のために、シルクロード基金やアジア・インフラ投資銀行の設立などイニシャティブを着々と進めています。
 中国が自ら「大国外交」を標榜していることと相俟って、中国の行動に一定の不安感を覚えさせられることも理由のないことではありません。

 他方、フォンテインは、記事の中で、インドの外交に一抹の不満ものぞかせています。
 米印二国関係が漂流し、なかなか具体的な強化がなされなかったと言います。
 更に、インドが経済利益の最大化を主眼とするため、中国を含めあらゆる国との関係強化(全方位外交)に努めているとして、南シナ海問題等議論のある重要国際問題について、主要国としてきちっと旗色を鮮明にしていない旨述べています。
 最近、多少の変化はありましたが、気候変動やWTOの問題等についても、インドは新興国として自己利益を守るため、頑として国際協調に加わることを拒否してきました。

 インド識者の間では、インド大国論を余り叫ぶべきではないとする議論があると聞きます。
 立場の鮮明化や国際責任が求められるからです。
 フォンテインが、インドはこれから何時まで、このように多くの外交目的を同時にやりくりして自己利益を最大化していこうとするのか、見て行かねばならないとの趣旨を述べて記事を締めくくるのは、興味深いものです。

 なお、今回のオバマ大統領の訪印で、米国の原子力技術供与の問題について合意ができ、今後、米企業の原子力建設の進出が可能となったと報じられていますが、これは米印関係の強化に大きく貢献すると思われます。



ロイター 2015年 03月 6日 08:26 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0W763F20150305

スリランカ、中国資本の不動産開発案件を一時保留

[コロンボ 5日 ロイター] -
 スリランカ政府は、中国企業が首都コロンボで進める15億ドル規模の不動産開発プロジェクトについて、必要な政府機関の承認なしに開始されたため、一時保留にした。 
 中国交通建設(CCCC)はコロンボの埋め立て地にショッピングモールやゴルフコース、ホテル、マンション、マリーナなどを建設する計画。
 スリランカでの中国資本開発案件としては最大規模の一つ。
 ただ、スリランカ政府報道官は、このプロジェクトが関連機関からの承認なしに始められたとし、透明性が低く、環境基準も満たしていない、と明らかにした。

 中国政府はインド洋への進出を目指しており、このプロジェクトもその一環とみられているが、隣国インドが警戒感を高めるのは間違いない。



読売新聞 3月10日(火)19時42分配信
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150310-OYT1T50127.html

中国が支援の港湾計画で工事中断…スリランカ

 【ニューデリー=石田浩之】
 スリランカ政府は、最大都市コロンボで中国が建設支援する「港湾都市プロジェクト」の中断を決め、中国企業が8日、工事を止めた。

 シリセナ新政権が前政権の中国依存から脱却を図る動きの一環で、最大援助国の中国との関係が冷え込む可能性もある。

 このプロジェクトは、中国企業が港湾建設などの大半を請け負い、ビジネス施設の集積を目指す事業。
 中国主導で昨年9月に工事が始まった。
 だが、中国からの資金の一部が前政権関係者に流れるなど汚職が指摘され、1月に当選したシリセナ大統領が計画の見直しに言及。
 2月に検証委員会を設置していた。








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